ニュース

動画+静止画のツインカメラ「AQUOS R2」発表、シャープ新フラッグシップモデル

 シャープは、動画用と静止画用で2つのカメラを搭載し同時に撮影できるAndroidスマートフォンの新フラッグシップモデル「AQUOS R2」を発表した。2018年の夏モデルとして展開される。

「AQUOS R2」

 シャープは約1年前の2017年4月にスマートフォンのラインナップを刷新し、各キャリアで共通モデルになったフラッグシップモデル「AQUOS R」を発表した。今回発表の「AQUOS R2」はその後継モデルにあたり、カメラを独自の視点で進化させながら、フリーフォームディスプレイも取り入れた。発売後2年間はOSのバージョンアップを保証するという取り組みも継承する。

 同社では「全方位で進化した、渾身のフラッグシップモデル・第2弾」(シャープ 通信事業本部 パーソナル通信事業部 事業部長の小林繁氏)とアピールしている。

全方位で進化とうたう「AQUOS R2」の概要
シャープ 通信事業本部 パーソナル通信事業部 事業部長の小林繁氏

動画、静止画にそれぞれ最適化したカメラ

 「AQUOS R2」は背面に「ツインカメラ」として2つのカメラを搭載しており、片方は動画専用、もう片方は静止画専用というユニークな構成が特徴。動画を撮影している最中に(別のカメラで)静止画も同時に撮影できる。

 標準搭載のカメラアプリは動画撮影モードも充実しており、オート、マニュアルなどのモード変更が可能。録画ボタンを押すと、その下にシャッターボタンが表れるようになっており、これを押すと静止画の撮影が可能。その際は動画とは異なるもう一方のカメラで静止画が撮影される。「AIライブシャッター」としてAIで静止画を撮影する設定を選択すると、動画の撮影中に、AIが人や犬・猫などの動物、笑顔、写真の構図などを“ベストショット”として検出し、静止画を自動的に撮影する仕組みも用意されている。

 「ツインカメラ」で動画と静止画のカメラを分けて搭載した理由は、動画と静止画で求められるレンズの性能や仕様が異なるというもの。例えば動画カメラは臨場感を重視し画角が超広角の135度で、静止画カメラは広角の90度になっている。ほかにも動画カメラは撮影者が端末を左右に振る(パン)動きに対応しやすい電子式手ぶれ補正、静止画カメラはタッチ操作時のブレに対応しやすい光学式手ぶれ補正をそれぞれ採用、フォーカス動作についても動画カメラは深い被写界深度、静止画カメラは浅い被写界深度で高速オートフォーカスといった違いがある。

 メインカメラのうち標準カメラ(静止画カメラ)は2260万画素で、F1.9、35mm判換算で約22mm(約90度)の広角レンズを搭載している。動画用カメラはドラマティックワイドカメラと名付けられ、1600万画素。レンズはF2.4のディープフォーカスタイプとし、35mm判換算で約19mm(約135度)の超広角レンズを搭載する。電子式手ぶれ補正の適用時には画角が若干狭くなる。

 ギャラリーでは、動画と、動画撮影中に記録した静止画がセットになった状態で閲覧でき、気に入った静止画を選ぶと、その場面の前後10秒の動画を切り出すといった操作も可能。動画の長さは調整でき、短い動画としてSNSに投稿しやすくなっている。

 このほかにも、AQUOSのスマートフォンのカメラとして初めて、AIによるシーン認識に対応した。人や料理、夕景、ホワイトボード、犬、猫、花、花火、QRコードの9種類をAIで自動的に判別し最適な画質で撮影が可能になっている。

ディスプレイ

 ディスプレイは「AQUOS R compact」に搭載されたフリーフォームディスプレイを採用することで、ディスプレイパネル自体の4隅をラウンド形状にしつつ、三辺で狭額縁を実現した。これによりディスプレイサイズは6インチにまで拡大、縦横比率は19:9で、解像度は3040×1440ドット(WQHD+)となっている。

 インカメラは切り欠き(ノッチ)で画面の中に存在する見た目で、シャープでは2017年に発売した「AQUOS R compact」でも採用したスタイルとなる。ディスプレイが欠けた見た目になるが、すでに販売した「AQUOS R compact」では、ユーザーのほとんどは「使い始めると気にならなくなった」と答えるという。また画面上部は、普段はそれほど注視しないことも影響しているとのことで、満を持してのフラッグシップモデルへの採用となった。

 前モデルにあたる「AQUOS R」では120fpsのハイスピードIGZO液晶ディスプレイで、タッチパネルも強化し、なめらかなスクロールを可能にしていたが、今回の約6インチ、19:9、3040×1440ドットのハイスピードIGZO液晶ディスプレイでは、液晶パネルの応答速度を約25%向上させた上で、リフレッシュレートを100fpsに設定。さまざまなチューニングを組み合わせることで前モデルよりもスクロール操作がなめらかという描画を実現しながら、リフレッシュレートの設定で消費電力の削減も実現した。

 映像表現ではさらに、ドルビーが定めたHDR(ハイダイナミックレンジ)の映像方式「ドルビービジョン」(Dolby Vision)をスマートフォンでは世界初としてサポートする。加えてドルビーの立体音響技術「ドルビーアトモス」(Dolby Atmos)、次世代オーディオコーデック「Dolby AC-4」もサポートした。HDRは「HDR10」「VP9」にも対応している。

2倍の放熱性能

 チップセットは最新のSnapdragon 845を搭載。バッテリー容量は3130mAh。

 前モデルでも評価の高かった放熱性能の高さを継承、放熱性は約2倍と大幅に進化し、CPUが最もパフォーマンスを発揮できる時間も約7倍にまで拡大した。

 本体フレームや内部構造が見直され、ひねり強度は約40%向上している。

 AQUOSシリーズに搭載されるAI「EMOPA」(エモパー)はバージョン 8.0が搭載され、朝の情報提供が充実、電車遅延のお知らせや分かりやすくなった天気ガイドなどを利用できる。

端末の展示

右が「AQUOS R2」、左は同時に発表された「AQUOS sense plus」