ニュース

次世代おままごとは匂いも音もリアルに再現、KDDIが「ままデジ」開発

 KDDIはキリンと協力して、次世代のおままごとキット「ままデジ」を開発した。通信モジュールや各種センサーを使い、野菜を切るときの「ザクッ」という音や、料理が完成したあとの匂いをリアルに再現する。

 鍋蓋には光センサー、鍋やフライパン、まな板に振動センサーが、計量カップに傾きセンサーが組み込まれている。タブレットもセットで利用し、料理のレシピを絵本のように伝えつつ、たとえば振動を検知すると、それにあわせて音が再生される。野菜や肉を切るときは包丁の音、フライパンで炒める場面ではジュージューと焼く音が再生され、

 棚の中には加湿ユニットがあり、料理が完成するとその料理の匂いが立ちこめる。今回はカレーを作るという流れになっており、完成するとカレーの匂いが周囲に拡がる。

 KDDIの仮想組織として設立された「au未来研究所」として“スマホの次”を探るなか、今回は「KIDS AND FOODS」というテーマで、ユーザー参加型のイベント(ハッカソン)を開催。そこで生み出されたアイデアから、「ままデジ」が開発されることになった。

 15日に開催された説明会では、タレントの辻希美も登場。3人の子供を抱えるという辻は「ひとことで言うとリアル」と食材の質感や、できあがったカレーの香りに驚く。絵本仕立てで料理の流れを体験できる「ままデジ」には、教育にちょうどいいアイテムと評価する。

ゲストとして登場した辻希美(左)とともに、一通り工程を終えた“料理ごっこ”の鍋を開けると湯気

 コンセプトモデルだが、将来的には食育を目的とした教育プログラム、あるいは自宅で料理を学べるツールとしての活用が想定されている。協力パートナーとなったキリンでは、親子のコミュニケーションとして料理の有効性を示すアンケート結果もあわせて案内しており、今後は東京・中野にある施設や工場見学イベントで「ままデジ」を設置すること検討する方針。

 こうしたau未来研究所の取り組みは、ニューバランスとともに開発したスマホ連携対応のキッズシューズ「FUMM」、くまのぬいぐるみ型をしたコミュニケーションツール「Comi Kuma」に続く第三弾。いずれもコンセプトモデルで商用化されていないが、たとえば同じようなクマ型コミュニケーションツールを発表したNTTドコモは、正式な商品として今夏、発売する方針。それに比べてKDDIは……と質疑応答で問う声があがると、KDDIデジタルマーケティング部長の塚本陽一氏は「我々はまずスモールな形で展開して、評判を得たらスケールを上げていく」とコメント。キッズシューズの「FUMM」については、製品ではなくサービスとして提供する方向で進めていることを明らかにした。