【IFA2012】
ソニー、Xperiaシリーズ3機種やXperia Tablet Sを発表


プレゼンテーションを行ったソニーの社長兼CEO、平井一夫氏。

 ドイツのベルリンで8月31日より開催される「IFA 2012」に先がけ、ソニーはプレスカンファレンスで多数の新製品を発表した。スマートフォンは、グローバルモデルの「Xperia T」「Xperia V」「Xperia J」の3機種に加え、会場にはXperia Tの派生モデルである「Xperia TX」も展示されていた。モバイル関連としては、Xperiaシリーズ初となるタブレット端末の「Xperia Tablet S」がラインナップされている。

 新製品を紹介したのは、「社長就任後、初の国際的なカンファレンスになる」という平井一夫氏。「ゲーム」「モバイル」「デジタルイメージ」の3つが同社のコアビジネスになるといい、中でもスマートフォンは「モバイルのコアになる商品」としてXperiaシリーズの特徴を自ら解説。同氏は就任以来「One Sony」の方針を掲げているが、“ソニー製品”としてのXperiaを強く印象づけた格好だ。

ソニーの核となる製品ジャンルはゲーム、モバイル、デジタルイメージの3つモバイル分野にはスマートフォン、タブレット、VAIOをラインナップする
Xperiaスマートフォンの解説も、平井氏自らが行ったソニーモバイルの鈴木国正社長兼CEOも紹介された

Xperia V、Xperia T、Xperia Jの3機種

 スマートフォンのXperiaは「Xperia arc」や「Xperia GX」で好評のアーク形状を採用。4.6インチディスプレイや13メガカメラを搭載したフラッグシップの「Xperia T」、LTEに対応し「モバイルブラビアエンジン2」を備える「Xperia V」、9.2mmと薄型で防水仕様の「Xperia J」というのが、それぞれの特徴だ。Xperia Tは日本で発売中の「Xperia GX」に近い形状で、通信方式などが主な違いとなる。

4.6インチディスプレイ搭載の「Xperia T」LTE対応の「Xperia V」
アーク形状を採用している防水仕様に対応した「Xperia J」
「Xperia T」の派生モデルとなる「Xperia TX」発表されたXperiaシリーズ4機種。

 ハイエンドにあたる「Xperia T」および「Xperia V」は、近距離無線通信規格の「NFC」がサポートされ、「One-Touch」と呼ばれる機能でコンテンツの共有や各種周辺機器とのペアリングをスムーズに行える。

 サイズ、重量は「Xperia T」が129.4×67.3×9.35mm、139g、「Xperia V」が129×65×10.7mm、120g、「Xperia J」が124.3×61.2×9.2mm、124g。

 「Xperia T」「Xperia V」「Xperia J」の順に、クアルコムのデュアルコアCPU「MSM8260A」(1.5GHz)、同「MSM8960」(1.5GHz)、シングルコアCPU「MSM7227A」(1.5GHz)を搭載する。

 3機種ともにAndroid 4.0だが、「Xperia T」「Xperia V」については、Android 4.1(Jelly Bean)へのアップグレードも予定する。平井氏によると、これらのスマートフォンは「数カ月で発売される」そうだ。なお、ソニーモバイルでは「Xperia T」が数週間後、「Xperia V」「Xperia J」が2012年第4四半期の発売予定としている。ただし日本での発売は未定。

NFCによって、コンテンツの共有や周辺機器との連携が可能NFCによって、コンテンツの共有や周辺機器との連携が可能

Xperiaブランドになるソニーのタブレット

タブレットにもついにXperiaブランドを採用した

 Androidタブレットについては現在、ソニーが「Sony Tablet」を販売しているが、この後継機もXperiaの名を冠することになった。平井氏は「来月からタブレットもXperiaブランドで提供される」といい、ユーザーインターフェイスやアプリ、音響技術などはXperiaシリーズのスマートフォンと共通化が図られている。音楽再生用の「WALKMAN」、画像閲覧用の「Album」、動画再生用でGracenote対応の「Movies」が、スマートフォンとタブレットに共通するXperiaシリーズのアプリとなる。「Music Unlimited」や「PlayStation Mobile」をはじめとする、ソニーのコンテンツも利用できる。

スマートフォンのXperiaと共通のアプリを搭載。ソニーのサービスも利用できる。

 「Xperia Tablet S」は9.4インチのディスプレイを搭載し、OSにはAndroid 4.0を採用。CPUはNVIDIA製の「Tegra 3」(クアッドコア、1.5GHz)で、内蔵ストレージが16GB、32GB、64GBの3パターン。3G対応モデルも用意される。サイズは241mm×174.4mm×8.8~11.85mmで、重さはWi-Fiモデルが570g、3Gモデルが585g。キーボードカバーなどのオプションも準備されている。

9.4インチディスプレイの「Xperia Tablet S」周辺機器として、キーボードつきのカバーなども用意される。
平井氏は「感動」という共通コンセプトを紹介。「我々は1つのソニーになろうとしている」と語り、ソニーの再生を誓った

 このほか、プレスカンファレンスでは「Windows 8」搭載の「VAIO Duo 11」「VAIO Tap 20」や、Wi-Fiを搭載しアプリでカスタマイズ可能なデジタルカメラ「NEX-5R」、4K解像度を持つ84インチの「BRAVIA 4KTV」なども披露されている。これらの製品を通じて、「人々に“感動(日本語のkandoがそのまま使われた)”を与える」(同氏)というのがのソニーの目指すところだ。平井氏はこれこそが「ソニースピリッツ」だとしてプレゼンテーションを締めくくった。

パソコンやデジカメ、テレビなども発表された。

(石野 純也)

2012/8/30 11:52