本日の一品

クルマの中でAmazon Alexaの音声指示ができるカーオーディオ、ケンウッド「U381BT」

ケンウッド U381BT

 カーオーディオというと新車の世界ではクルマの操作画面を兼ねていたり、高度な音声操作などと融合が進んでいたりして、少し古いクルマとは別世界。しかし、古いクルマでもクルマの操作以外に音声操作を実現する方法がいくつかある。最新のアフターマーケット向けのカーオーディオは進化していて、それを使えばスマートスピーカー程度のことまでできるようになっている。

 極端な話、クルマのなかでスマホで楽曲再生したり、道案内したりするだけなら適当なホルダーにスマホを立て掛けておけばいい。しかし、クルマのスピーカーから音を出して音楽を聞いたり、騒音にも負けないくらいしっかりとしたハンズフリーを使いたいならカーオーディオと連携したい。

 そこで、クルマのなかでAmazon Alexaが使えるカーオーディオを導入してみた。最近、カーオーディオで新製品を積極的に出しているのは、主なメーカーではパイオニア(カロッツェリア)とケンウッドくらいしかないが、パイオニアはすでに2019年の製品をアップデートする形で対応し、ケンウッドは2020年登場のモデルからの対応となる。

 今回筆者が買ったのは「alexa built-in」であるケンウッドの「U381BT」。同時にAmazon Alexaに対応したのはLED色や表示の違いだけの下位モデルのU341BTとタテの幅が倍になる2DINモデルのDPX-U750BTの合計3機種となり、どれを買ってもAmazon Alexaが使える。

Amazon Alexanoのマークの付いたボタン。これを押して音声コマンドを発する

 これまでもカーオーディオとしてラジオ、圧縮音源を含むCDとUSBメモリー、スマートフォンからのBluetooth接続などで楽曲を再生でき、Bluetoothハンズフリー通話機能がある手頃な機種は5~6年前から存在していた。しかし、2020年モデルの違いはAmazon Alexaに対応していて、カーオーディオの専用ボタンを押すとAmazon Alexaの音声コマンドに対応するというものになっている。コマンドを処理するにはインターネット接続が必要になるが、Amazon Alexaアプリを入れたスマートフォンとBluetoothまたはUSB接続することで通信が可能になる。

 Bluetoothでペアリングし、アプリでAmazonのアカウントを設定すれば、すぐに認識し、本体のボタンを押すと音声コマンド待ちになる。ここで「今日の天気は?」と発話すれば、聞き慣れたAmazon Alexaの声で天気予報が再生されるというわけである。

スマートフォンの音源だけでなく、CD、USBメモリー、3.5mmステレオミニプラグによるAUX入力まで多彩な音源に対応する
アンテナピクトや電池残量まで表示
Amazon Alexaに対応

 クルマのスピーカーが上質なものであればあるほどAmazon Alexaの声は上質な声になる。音量も十分なので走行中のクルマのなかでも聞き取りはしやすい。また、ハンズフリー用のマイクを使うことになるので、マイクさえドライバーに近い場所に設置すれば、音声コマンドも確実に届けることが可能になる。

 音声操作はAmazon Alexaのものに限られるため、クルマとしては肝心の「××に行きたい」ということに対応していないのが残念だが、プライムMusicで楽曲を再生したり、天気予報を聞いたりということは音声操作で可能だ。ラジオの選曲も音声で放送局を指示すればradiko経由でラジオ受信を開始する。パケット通信量は消費するが、直接操作してラジオを聞くよりも簡単なのでついRadikoに頼ってしまうほど便利だ。

ボタンを押すと音声コマンドを受け付けている状態。イルミネーションの色も変化してわかりやすい
応答している状態。天気予報を読み上げている
Spotifyも対応、ソース入力にSpotifyの項目がある

 また、Spotifyにも対応する。単にスマートフォンで再生するものをBluetooth経由で再生するのではなく、アプリを入れてログインしたスマートフォンとBluetooth接続すればカーオーディオ側からも一部の操作が可能。ソース切り替えの項目にも「Spotify」があるほどだ。

 音楽再生中にもスマホ自体の機能は自由に使えるのでGoogleマップなどナビアプリと併用も可能。設定にもよるが、カーナビの案内音声が入ったときは楽曲再生が一時的にミュートするなどきちんと併用できる。

 カーオーディオの選択として、今回はケンウッド製の「U381BT」を選んでみたが、パイオニアの同等製品でも似たようなことはできる。パイオニアはさらに地図アプリも含めて統合的に音声コントロールできるようになっているが、ケンウッドを選んだのはオーディオ機器なので嗜好的な理由のほか、Amazon AlexaやSpotifyなどカーオーディオ側からの操作を中心にしたシンプルさもあったからだ。

 音楽配信サービスも有料でもプライムmusicならAmazonプライムに含まれるため導入のハードルも低く、音源ライブラリを持たない人にとっては便利そう。その日の気分に合わせて配信サービス側の“おすすめ”に乗りたい人にとっては非常に便利なカーオーディオではないだろうか。

 今は後付けのカーオーディオの製品ラインナップも縮小ぎみな時代だが、製品自体はスマートフォン連携が強まるなど進化は止まっていない。新型車に買い換えなくてもクルマのなかの情報化を進めてみるなら最新の後付けカーオーディオに注目してみるとよいだろう。

プライムmusicで楽曲再生中。曲名も英数字分は表示できる
Amazon Alexaアプリを入れてデバイスの設定をする
製品名販売元価格
U381BTケンウッド14381円
Amazonで購入