本日の一品
Bluetoothリケーブルで高音質ワイヤレス「RC-BT」
2018年9月6日 06:00
イヤホンのリケーブル、という言葉をご存じだろうか。オーディオ界隈におけるトレンドのひとつで、イヤホン部分とケーブル部分がそれぞれ独立したパーツとなっているイヤホン製品のことだ。
イヤホンは外に持ち出す機会が多く、ケーブル断線のリスクも高い。従来の一体型製品では、ケーブルの断線イコール製品の買い替えを(ほぼ)意味していたが、リケーブルタイプなら、ケーブルを買い替えるだけで済む。さらには、違う会社のイヤホンとケーブルを組み合わせて音質の違いをみるといったような、新しい楽しみ方も増えている。
また、ケーブルを交換できるということは、その先を有線ではなく無線にしてしまえ、となるのは自然な流れと言えるだろう。というわけで、中国のメーカー、FiiOより先ごろ発売された一品を紹介したい。
「RC-BT」は、リケーブルを前提としたBluetooth接続型イヤホンケーブルだ。左側ケーブルに笹の葉状のバッテリー、右側に同形状のリモコンが付いている。Bluetooth4.1接続で、SBC、AAC、aptXのコーデックに対応。マルチペアリング、連続再生時間10時間と、昨今のBluetoothイヤホンとして、機能・性能のトレンドは一通り押さえられている。
リケーブル型製品なので、耳に入れるイヤホン部分が付属していない。筆者もリケーブル型製品を購入するのが初めてだったので、同社のイヤホン「FH1」がバンドルされたモデルを購入した。
イヤホン・ケーブルともMMCX端子という、同軸コネクター規格で作られており、この規格で作られている製品と互換性がある。近年MMCX対応製品を発売するメーカーが増えてきており、異なるメーカーでの組み合わせが楽しめるようになっている。
ケーブルの先にイヤホンを取り付け、耳に入れると自然と耳の上にケーブルが沿う。耳の上にひっかける、一部で「SHURE掛け」と呼ばれる装着方法だ。ケーブルが服や体とこすれた時のノイズが軽減されたり、外れにくくなる効果があるとされている。
リモコンは音量上下と再生/停止の3つだけとシンプルだが、基本的にリモコンは目で見ずに操作するためむしろ扱いやすい。
音質は、屋外で使用しても小さな声や、いままで聞き取れなかった楽器の音が聞こえるなど、これまでに使ってきたイヤホンに比べ、全体的に音全体の解像度が上がったような印象を受けた。
これがケーブル側の性能なのか、バランスド・アーマチュア・ドライバーを2基搭載したイヤホンの性能なのかは検証できていないが、イヤホン部分を交換したり、ケーブルを有線にしたりと、いろいろと試したくなる。
イヤホンとケーブルのセットで1万4160円と、同様の商品が2万円前後だった数年前に比べ、敷居は下がった印象だ。筆者のような素人でも手を出しやすい価格である。
この調子でMMCX規格対応のBluetooth製品が発売され、どんどん安くなっていくのを期待したい。あとはイヤホン沼にはまらないように気をつけねばと思うが、果たして。
製品名 | 発売元 | 購入価格 |
---|---|---|
RC-BT with FH1 | Fiio | 1万4160円 |