本日の一品
目指せフルマラソン完走! 心拍計付き活動量計で効果的なトレーニング
2018年1月9日 06:00
先日、人生初のフルマラソンに参戦しました。結果は残念ながら40km地点で時間切れリタイアとなってしまったものの、来年こそは完走を! と心機一転、トレーニングに打ち込む日々を送っています。
42.195kmを時間内に走り切る脚と心肺を作るにあたって、心拍計の必要性を感じるようになりました。身体を強化するには、トレーニングによって適切な負荷をかけなければなりません。漫然と走っているだけでは汗をかくだけで効果がありませんし、強すぎる負荷は怪我につながります。そこで心拍計によって、運動の負荷が適正かを測定し、効果的なトレーニングを行おう! と考えたのです。
と、新しいガジェットを購入するもっともらしい建前を用意した上で、運動測定機器メーカー「Polar(ポラール)」の心拍測定機器を3製品、立て続けに導入してみました。今回はこちらについてご紹介させて頂きたいと思います。
アームバンド型心拍計「Polar OH1」
とりあえず心拍数を計測できれば良いやと思い、まず使い始めたのがアームバンド型心拍計「Polar OH1」でした。昔は心拍測定機器といえば、胸にバンドを巻いてパルスを測定する「心電式」が一般的でしたが、こちらはアームバンド型。しかもLEDライトを腕の表面に当てて血流の変化をセンサーで計測する「光学式」の心拍計です。
本製品の特徴は、比較的に安価で手軽な点。腕に巻いて電源を入れておくだけで心拍数を測定し続けてくれます。活動量はパソコンにUSB接続して転送し、同社のWebサービス「Polar Flow」に記録できるほか、Bluetoothで同名のスマートフォンアプリと同期もできます。ちなみにアームバンド型ではあるものの、脚に巻くこともできますし、長いバンドに交換すれば胸に巻いても良いようです。
しかし、本製品は心拍数のみを測定する機器なので、ランニング時の距離やペースを測定するには、同社のトレーニングアプリ「Polar Beat」と連動させる必要があります。つまりリアルタイムに心拍数や負荷を確認するにはスマートフォンを見なければなりません。筆者はこの点がちょっと面倒に感じるようになってしまいました。アームバンドでスマホを腕に固定し、走りながら画面を確認するのは、角度的にちょっと辛いのです。
ジムにあるランニングマシンを利用するなら、スマホを台の上などに置いておけるので良いと思います。また「OH1」は、Polarのサイクルコンピュータとも連動できるので、自転車で利用するには最適な製品だと言えるでしょう。ただ、筆者は結局、腕時計型の活動量計に活路を求めることにしました。
軽くてオシャレ! 心拍計付き活動量計「Polar A370」
続いて心拍計付き活動量計「Polar A370」を使用してみました。活動量計という機器は、日常の活動量を測定し、運動不足に陥らないよう注意を促してくれる「守り手」であるというのが筆者の考えですが、本製品はガッツリとした「攻め」のトレーニングにも対応する一品です。
本体のタッチスクリーンを操作し、行うトレーニングの種類を選択することで計測を開始できます。運動中の画面表示は、基本的に心拍数と開始からの経過時間のみ。カラー液晶なので、心拍数の色によって現在かかっている負荷の程度を確認できるのが分かりやすく、走っている最中、自分でも気づかないうちに「心拍数が下がっている」≒「ラクをしようとしている」のが即座に確認できるのは便利です。
GPSは搭載していませんが、スマホのGPSと連動させることができますし、本体の加速度センサーである程度正確な移動距離やスピードを確認できます。また、30メートルまでの耐水性も備えているので、水泳時の運動量も測定できるようです(こちらはまだ試していません)。
もちろん、日常用の活動量計としても十二分に利用可能です。仕事中など長時間にわたって動きが無い時には「さあ運動しましょう!」と運動を促してくれますし、睡眠時間や睡眠の質の測定も可能です。目覚まし時計にもなります。スマホの通知も受信できるのが殊の外便利で、なるほどこれがスマートウォッチというものか……! と、単機能の活動量計しか使用したことのなかった筆者は感動してしまいました。
スマートなデザインも筆者的には二重丸で、これがあれば十分だと思っていたものの、しばらく使っているうちにちょっとした引っ掛かりを覚えるようになってしまいました。そのうちの1つが「ラップタイムの通知をしてくれない」ことでした。
ラップタイムとは一定距離を何分で走れたか(あるいは一定時間で何km走れたか)の走行ペースを測定するものです。長距離を長時間走るマラソンでは、知らず知らずのうちにペースが上げてしまい後半バテるのを防ぐために、ペースは常に確認したほうが良いと言われています。
正確に言うと「A370」でもラップタイムの計測は可能です。ただ「A370」の場合、画面が自動OFFになってしまったり、ラップタイムを表示するためには画面をスクロールする必要があったり、手袋をしながらだと画面が操作できなかったり。日常のトレーニング時ならともかく、大会に出場した際、走行中に小さな時計をあれこれ操作するのは危険かも知れないと考えざるを得ませんでした。
GPS搭載の本格ランニングウォッチ「Polar M430」
そんなわけで、ポラールのランニングウォッチ上位機種の1つ「Polar M430」に行き着きました。サブスリー(フルマラソンを3時間以内で走りきること)を目指すならランニングウォッチは必携であると話には聞いていたものの、実際に使ってみるとその機能の便利さにすっかり虜になってしまいました。
上位機種だけあって、「A370」でできることは基本的にすべて「M430」でも可能です。画面は白黒ですが常時表示なので、現在のペースや心拍数を確認したいなら、腕を上げて一瞬見るだけで事足ります。GPSも内蔵しているので、単独で走行距離と速度を測定できます。
「M430」では、ラップタイムも1km走行時に自動的にブルッと震えてバイブレーションで通知し、現在のペースを表示してくれます(ラップ距離/タイムは任意に設定可能)。さらに厳密にペースや心拍数を一定に保ちたいなら、走行中にスタートボタンを押せば、その時点のペースや心拍数をロックできます。ペースや心拍数が設定したゾーンを外れると、やはりバイブレーションで通知してくれる仕組みです。
もうこれだけあれば良いやと思ったものの、難点もありました。第一に本体が大きい点です。ランニングウォッチには、一瞬で状況を確認できるようにするためなのか、大画面のものが多いのですが、ふだん腕時計をしていなかった筆者は「ゴツめの腕時計」という印象を受けました。袖口の細いシャツなどを着る際にちょっと困ってしまいます。
また「A370」はmicroUSB端子で充電できるのに対し、「M430」は充電端子が独自規格なのも微妙に困りました。普段使いには特に困らないのですが、充電ケーブルの紛失・断線の不安を考えると予備にもう一本購入しておいたほうが良いのかと考えたりして、悩ましいところです。
「Polar Flow」を母艦に、複数機器の併用も
結局のところ現状は、長時間のトレーニングを行う日には「M430」を、軽めの運動中心の普段は「A370」を、それぞれ持ち出す併用スタイルに落ち着いています。トレーニングや日常の活動量のデータを記録できるスマホアプリ「Polar Flow」で、同社の端末を複数登録しておけるので、同期させればどちらの機器を利用してもまったく同じデータを活用できるのがとても便利です。
また「Polar Flow」のWebサービスで参加予定のマラソン大会を登録しておくと、いつ・どのような運動をどの程度行えば良いかというトレーニングプランを自動で作成してくれます。このプランは機器にも同期され、トレーニングを開始しようとすると「本日はこの運動を行いますか?」と表示してくれるため、おのずと大会に向けた練習を蓄積できるようになっている点も便利です。
筆者は結論を出すまでに紆余曲折しましたが、ジム中心のトレーニングを行っている方には「OH1」を、運動不足を防止したり、軽めの運動を中心に行われている方には「A370」を、普段からトレーニングに勤しみフルマラソンを目指すような方には「M430」を、それぞれオススメいたします。
思い切ってこういったトレーニング機器を購入すると、元を取るためにトレーニングにも力が入ろうというものです。諸兄も筆者といっしょに、フルマラソン完走を目指してみませんか?
製品名 | 販売元 | 価格 |
---|---|---|
Polar OH1 | ポラール | 1万1800円(税抜) |
Polar A370 | 2万2800円(税抜) | |
Polar M430 | 2万9800円(税抜) |