てっぱんアプリ!

リアル物体の3次元計測を可能にする「ARuler」

 スマホを、もっと楽しく快適に使うには、アプリを活用しよう。本コーナーでは、続々登場する旬なアプリの中から編集部が厳選した、スマホユーザー必携の“てっぱん”アプリをご紹介します!

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アプリ名: ARuler
開発者: Grymala
価格: 無料
対応OS: iOS 11.0 以降、Android 7.0 以上
カテゴリ: ツール
ダウンロード: iOS Android

 定規やメジャー、分度器などを使って長さや角度を測る時代は、もう過去のものになるかもしれない。AR技術を活用したiOS/Androidの計測用アプリ「ARuler」は、まだ不完全なところもありながら、試してみると“未来”を感じられること間違いなしだ。

AR技術で平面の長さや面積、立体の体積などを計測できる「ARuler」

自由な視点から3次元で計測

 「ARuler」は、リアルの物体を計測するARアプリ。スマートフォンのカメラで捉えている映像を見ながら、視点を変えつつ計測したいポイントを指定していくだけで、長さ、角度、面積、体積などを計測できる。カメラ映像を平面ではなく3次元で捉え、ユーザーが歩いて近づいたり、遠ざかったり、回り込んだりして自由な角度から計測できるのが特徴だ。

立体の体積を計測。面を指定後、上方向にカメラを動かすことで、計測する高さを変えられる
円柱状の物体の体積も計測
角度も簡単に測れる

 最初に垂直面か水平面に向かってカメラを向け、メッシュ状のグラフィックが表示されたら、計測したいポイントがある面のメッシュをタッチ。次に計測手法として、点、線、面、立体などから選択。画面中央のマーカーを計測箇所の始点に合わせ、画面タッチかボタンで計測ポイントを1つずつ記録していく。計測中は当然ながらカメラを動かしても、ユーザーが歩き回ってもOK。その間もリアルタイムで長さや角度などの計測値が表示されるようになっている。

最初に平面に向けて構え、メッシュが表示されたら計測したい面のメッシュをタッチ
中央のマーカーを計測ポイントに合わせて画面下部のボタンか、画面をタッチ
面を計測するときは、最初の計測ポイントまで戻ってきてマーカーを合わせると計測完了となる

誤差は小さくないが簡易計測に威力を発揮

 ARを使った計測は、mm単位の小物から、家具や部屋、建物などのある程度大きなオブジェクトまで対応。計測結果は画面表示するだけでなく、モノクロの見取り図としてPDFもしくはJPEG形式で出力できる。

画面右上のつまみを引き出すと、計測した物体の見取り図が表示
見取り図はPDFやJPEGで出力可能。部屋の間取りを計測したものだが、誤差はやはりある

 ただし、自由な視点から計測できるとはいっても、自分から離れた遠くのポイントを指定したりすると誤差が大きくなるようだ。より正確に計測するには、カメラと指定するポイントとの距離をある程度一定に保ちながら操作し、スマートフォンを動かすときはできるかぎり振動させないように慎重に扱うとよさそうだ。

 試しにメジャーを床に置いて100cmを何度か計測したところ、980mm前後の数値が表示された。今のところはまだ正確な計測が難しいものの、部屋の間取りを簡易的に調べて家具の配置を検討したり、箱の容量を調べて物がどれくらい入りそうか目安を調べたり、といった使い方なら十分に実用になる。AR技術を容易に活用できるようにする開発用フレームワークとして、GoogleがARCoreを、AppleがARKitをそれぞれ提供し始めていることから、AR系アプリは今後も進化が期待できそうだ。

メジャーの100cmを計測してみた
980mmと表示。誤差20mmとなるが、計測の仕方によって前後する