スタパ齋藤の「スタパトロニクスMobile」

Bluetooth対応LEDランタン型モバイルバッテリー

Bluetooth対応LEDランタン型モバイルバッテリー

 ↑この見出しをご覧になって「はぁ?」って思いました? 思いましたよね~。筆者も書いていて「なんだコレ?」とか思ってしまいました、ハイ。この、何だかわけのわからないナニは、BioLiteの「BaseLantern」(公式ページ)です。一見よくわからねえ感じですが、筆者はかなり愛用中♪

BioLite(バイオライト)の「BaseLantern(ベースランタン)」。一口に言うと「Bluetooth対応LEDランタン型モバイルバッテリー」となっちゃいますが、LEDランタン+モバイルバッテリーの機能を持つ製品で、LEDランタンはBluetooth経由でスマートフォンなどからコントロールすることもできます。バッテリー容量違いで、BaseLantern(7800mAh)とBaseLantern XL(12000mAh)がラインナップされていて、モンベルオンラインショップ税別価格は前者が1万3000円、後者のXLが1万6000円です。

 このBaseLantern、製品の立ち位置としては、まずアウトドアで使えるLEDランタンであること。そしてLEDランタンとしては珍しい「Bluetooth経由でスマートデバイスからコントロールできる」という機能を持つこと。さらにUSB接続のモバイルバッテリーとして、USB充電対応デバイスを充電できること。もうひとつ、BioLiteの「SiteLight(サイトライト)」シリーズLEDランプを接続して点灯させることもできます。

 一見、イロイロな機能をゴチャマゼにした感じで、さらにモバイルバッテリーとしてもLEDランタンとしてもかなり高価な印象……なんですが、使ってみると案外イイ。オートキャンプや車中泊にコレがあると、道具として便利に活用できつつ、持ち物を減らすことができます。ともあれ以降、BaseLanternの機能や使用感について書いてみたいと思います。

Bluetoothで制御できるLEDランタン

 BaseLanternは複合機器ですが、目玉機能は「Bluetooth接続」です。というわけで、まずはスマートフォンなどスマートデバイスからBluetooth接続して使えるLEDランタンという切り口で見てみましょう。

 スマートデバイスを使い、BaseLanternをBluetooth経由でコントロールするときに使うアプリは「BioLite Energy」。Android版iOS版があります。

 このアプリを使うと、BaseLanternの各種点灯モードをリモートで切り換えられるほか、明るさや色などの点灯状態をユーザープリセットとして保存したり、ユーザーが近づくと点灯・遠ざかると消灯したり、音楽に合わせてLEDが点滅したりと、イロイロなリモート操作が可能。BaseLanternは、もちろん単体でも点灯・消灯や色変更など各種点灯モードを変えられますが、専用アプリを使うとBaseLanternのほぼ全ての点灯モードを細かく使いこなすことができます。

「BioLite Energy」の表示例とBaseLanternの動作。スマートフォンなどからBaseLanternのオンオフや明るさ、色合いを調節できます。明るさは21段階で変えられ、色合いは純白~ウォームホワイトを無段階で調節可能。残り何時間使えるかも表示されます。
色合いおよびその明るさも調節可能。ほか、緩やかな明滅、ストロボ発光。リラックス時向けの自動色変化点灯、音楽のリズムに合わせての点滅、片側発光なども制御できます。右写真はBaseLanternの片側だけを発光させている状態。どちら側でも片側のみの発光が可能です。音楽に合わせての点滅は、スマートフォン側で音楽のビートを判断してBaseLanternの点滅を制御しています。けっこう正確に点滅にてビートを刻み、曲が変わっても間もなく正しいビートで点滅するようになります。
点灯状態を記憶させ、ユーザープリセットとして保存することも可能。好みの点灯状態をボタンとして登録でき、状況に合わせてワンタッチでその点灯状態にすることができます。
スリープタイマーや起床時のライトアラーム、ユーザーとの距離による点灯・消灯(スマートデバイスが近づくと点灯・遠のくと消灯が自動的に切り替わる)なども行えます。各BaseLanternにわかりやすく名前を付けることも可能。英語表記ですが、比較的にわかりやすいアプリ・チュートリアルも実用的です。

 わーイロイロできて楽しい♪ というのが最初の印象ですが、使っているとかなり実用的。

 たとえば、LEDランタンを高めのところから吊して使った場合。一般的なLEDランタンなどですと、立ち上がってLEDランタンに手を触れないとオンオフも調光もできません。ですがBaseLanternの場合、手元からコントロール可能。テントでシュラフに入った状態でもBaseLanternのオンオフや調光やタイマー設定などができます。車中泊などでも同様、LEDランタンに手を伸ばすためにゴソゴソと腰を上げたりせずとも、手軽に扱えるというわけです。

 なお、スマートフォンなどスマートデバイスとは複数台のBaseLanternをペアリングできます。また、どのBaseLanternをコントロールするかも、アプリ側から選択できます。

 購入当初は「まあスマートフォンでLEDランタンを遠隔操作とかって、最初しかやらないんだろうな~」とか思っていました。が、リモート操作自体がスムーズで、基本的にアプリの操作のみでOK。室内照明のリモコンと同様、使いはじめると手放せない便利さがBaseLanternのリモート操作にもあります。というわけで、最初はより安価なほうのBaseLanternを購入したんですが、その後に大容量のBaseLantern XLを追加購入した筆者なのでした。

LEDランタンとしてはどうか?

 話がやや前後しますが、BaseLanternはLEDランタンとしてどうなのか? 前述のように、内蔵バッテリー容量の違いでBaseLantern(7800mAh)とBaseLantern XL(12000mAh)があります。モンベルオンラインショップ税別価格はBaseLantern(7800mAh)が1万3000円、BaseLantern XL(12000mAh)が1万6000円です。

BaseLantern(7800mAh・質量587g)とBaseLantern XL(12000mAh・質量653g)は、内蔵バッテリー容量・質量以外の仕様は共通です。サイズは幅12.9×奥行き4.4×高さ12.7cmで、明るさは500ルーメン。バッテリー容量の違いで連続点灯時間が異なり、BaseLantern(7800mAh)は5時間(HIGH)~54時間(LOW)、BaseLantern XL(12000mAh)は7.5時間(HIGH)~78時間(LOW)です。防水等級はIPX4で「いかなる方向からの水の飛沫によっても有害な影響を受けない」というレベル。雨に打たれても大丈夫な生活防水というイメージです。
BaseLanternの各部機能。USB出力は2.1A+1Aで、タブレット端末の充電にも対応しています。サイトライト関連のボタンは、後述のBioLite「SiteLight(サイトライト)」シリーズLEDランプの接続・オンオフに使います。
折りたたみ式スタンドは様々にアレンジ可能。収納して置いたり、開いて立てたり、机面と平行にしたり(この状態で机面側のみ点灯させると眩しくなく手元をほのかに照らすことが可能)、用途に合わせて使えます。スタンドを使ってどこかから吊すことも可能。

 本体のみで使った場合、点灯モードは3つあります。白色で前後両面が発光するモード(長押しで無段階調光可能)、白色で片面のみ発光するモード(長押しで無段階調光可能)、赤色発光モード(長押しで点灯色をフルカラーから選択可能)です。 また、消灯する直前の発光状態は記憶されるようで、次回点灯時はその状態で点灯します。

 単体で使うとシンプルに使いこなせるBaseLanternですが、秀逸なのは光の放たれ方。前後2面全体に光が回り、周囲を満遍なく照らすことができます。面発光というイメージですが、発光の均一さもなかなかナイス。発光面の下部にLEDが組み込まれているため、下部がより明るく点灯してしまいますが、光量の偏りはさほど違和感がないレベル。

 難点はサイズと質量でしょうか。587gや653gという重さがありますので、登山やハイクだと少し躊躇しちゃうかも。また、そこそこ嵩張ります。ですので、クルマやモーターサイクルでの携行のほうが現実的かもしれません。

モバイルバッテリーとして

 BaseLanternは一般的なUSBモバイルバッテリーと同様に使うこともできます。本体側部には給電用USBポートが2つあり、出力は2.1A+1A。2つのポートを同時に使う場合、一方が2.1A出力となり、もう一方が1A出力となる仕様です。

 ほか、サイトライト接続ポートが2つあり、そこにBioLite「SiteLight(サイトライト)」シリーズLEDランプを接続可能。SiteLightは数珠つなぎにも対応する「LEDランプ部分だけのライト製品」で、独自のプラグで電源に接続すれば点灯します。また現行のSiteLightシリーズには独自プラグをUSBプラグに変換するアダプターが付属しているので、それを使えばUSBモバイルバッテリーなどと接続しても点灯します。

2つの給電用USBポートを備えたモバイルバッテリーとしても使えて、2台の端末を同時に充電できます。バッテリー容量はBaseLanternが7800mAh、BaseLantern XLが12000mAh。
BioLite「SiteLight(サイトライト)」。コンパクトにまとまるLEDランプで最大4つまで連結可能。テント内や枝などに吊して使うライトです。
BioLite「SightLight MINI(サイトライト MINI)」。4個1セットのライトで、やはりコンパクトにまとまります。
BioLite「SightLight XL(サイトライト XL)」。内部にLEDランプがあるソフトなシェードで、コンパクトに折り畳めます。

 これらのSiteLightシリーズですが、ひとつの電源で複数のLEDランプを点灯させられつつ、コンパクトに収納できたりもするので、なかなか便利。数珠つなぎにして好みのスタイルで利用できる点も実用的です。BaseLanternにはこれらSiteLightシリーズを2系統接続でき、SiteLightシリーズのベース電源として使えるというわけです。

 ちなみに、BaseLantern側のSiteLight電源ボタンにより、接続したSiteLightの一括オンオフと無段階調光が可能。2系統のSiteLightをそれぞれコントロールすることはできず、一括制御となるのがやや残念。ですが、SiteLight側の電源ボタンを使えばBaseLanternに接続したままで不要なSiteLightをオフにすることもできますので、まあ普通に実用的ですネ。

 てな感じのBaseLantern。LEDランプ好きの筆者は無駄にアレコレとLEDランプを買っちゃうんですけど、BaseLanternは久々の筆者的メガヒットLEDランタン。基本的にアウトドア用ですが、単体でもスマートデバイス経由でもスムーズに使えますので、室内用や非常用として汎用してもいいと思います。ちょっとお高いですけど、興味のある方はぜひチェックしてみてください♪

スタパ齋藤

1964年8月28日デビュー。中学生時代にマイコン野郎と化し、高校時代にコンピュータ野郎と化し、大学時代にコンピュータゲーム野郎となって道を誤る。特技は太股の肉離れや乱文乱筆や電池の液漏れと20時間以上の連続睡眠の自称衝動買い技術者。収入のほとんどをカッコよいしサイバーだしナイスだしジョリーグッドなデバイスにつぎ込みつつライター稼業に勤しむ。