【iPhone 4S】

強まり続けるMacとiOSの連携性能

2012年8月7日 06:00
(白根雅彦)
アップル純正のMagic Trackpadは、非常に面が広いので、マルチタッチ操作がしやすい

 最近のMac OS Xは、いろいろな部分でiOSとの連携が強化されている。中でもユニークなのは、iPadに似たトラックパッドの操作UIだ。

 たとえばMac OS Xでは、3本指(もしくは4本指)の左右スワイプで仮想デスクトップおよびフルスクリーンアプリの切り替え、上スワイプで開いているウィンドウのサムネイル表示(Mission Control)、4本指ピンチインでiOSのホーム画面風の「Launchpad」を表示できる。iPadではそれぞれアプリ切り替え、タスクバー表示、ホーム画面表示に割り当てられている操作だ。

iPadでは[マルチタスク用ジェスチャ]の設定をオンにする必要がある

 この手のUIは、いったん慣れてしまえば、どうとでもなるものだが、しかし併用している2つのデバイスで操作感が共通化されていれば、慣れではなかなか克服できない「あれ、いまどっちのデバイス使っているんだっけ」という一瞬の判断を省略し、より直感的に操作できるようになる。使い込めば使い込むほど、恩恵が感じられるポイントだ。

 UIだけでなく、アプリレベルでもiOSとMac OS Xの連携は強化されている。先日リリースされたMac OS Xの新バージョンMountain Lion(10.8)では、「メモ」が独立したソフトとなっている。この「メモ」、書いている途中でも非常に短い間隔で文章をiCloudと同期するようになった。これがけっこう便利で、たとえば原稿を書いているとき、なんらかの用事で席を離れても、その書きかけ原稿は自動でほかのiOSデバイスやMacにプッシュ転送されるので、移動先で原稿を見直したり加筆・修正ができてしまう。

Mac上とiPhone上のNumbersが同期し、同じ書類を編集できる

 このほかにもアップルのオフィスソフト「Pages」「Numbers」「Keynote」のMac版も、最新バージョンではiCloudとの同期が標準機能となり、同じファイルをMacやiOSデバイスで共有することが容易になった。もちろんメールや連絡先、カレンダー、ブックマークなども各ローカルソフトとiCloudが同期し、MacとiOSデバイスとの連携がシームレスに行える。

 Macをメインのパソコンとして使っていると、iOSデバイスは「Macに表示されているウィンドウを切り取って持ち歩いている」に近い感覚がある。もちろん、まだ足りないと感じる部分も多いが、しかし連携機能は強化・改善され続けているので、この「切り取って持ち歩いている」感覚はどんどん強くなっている印象だ。