IS02をモバイルWi-Fiルーターとして使う
「WMWifiRouter」を起動させた画面。左上のアイコンをタッチすると、Wi-Fiアクセスポイントとして使える |
新製品の発表会などに行くと、多くの記者・ライターがノートPCを持参し、その場で原稿を書いていて感心する。ボクも一介のライターではあるが、急かされる仕事があまり得意ではないので、外出先で原稿を書くことはほとんどない。よって3Gの通信カード端末も所有していない。「仕事のメールがチェックできるスマートフォンがあれば、それで十分」というスタンスだ。そんなことは自慢にも何もならないのだが、“ノートとペン”というアナログ取材が性に合っている気がするのだ。
それでも、出張時などにはメールで送られてきた校正をチェックしたり、原稿を直したりといったPCでの作業が必要になることもある。そのために欲しいなぁ〜と思っていたのがスマートフォンのテザリング機能だ。通信機能を持たないノートPCなどからケータイやスマートフォンをモデムにしてネットに接続する機能だが、日本で売られているスマートフォンの多くはテザリングには対応していない。仕組みとして難しいものではないはずだが、データ通信量が膨大になる恐れがあるため、使えないように制限をかけている端末が多いのが現状だ。
いま使っているau のIS02は、公式にテザリングに対応しているスマートフォンで、それも購入を決めた理由の一つだった。USBまたはBluetoothでノートPCと接続でき、ダイヤルアップでIS.NETに接続させる設定を行うと、IS02を介したネット接続が可能になる。ただし、パケット通信料は「モバイルデータ通信」として計算されるため、「ダブル定額」などパケット定額制の上限額は、スマートフォン単独で通信を行う場合の5985円よりも高い1万3650円に跳ね上がる。その差額は7665円。ときどき使う程度ならともかく、頻繁に利用するとなると「高い」と言わざるを得ない。
しかし、あるアプリを使うと、通常の上限額である5985円で、IS02をモバイルWi-Fiルーターのように使うことができるのだ(あくまでも2010年9月現在の状況です)。そのアプリとは「WMWifiRouter」。MarketPlaceからダウンロードできるアプリで、ウィルコムやイー・モバイルのスマートフォンユーザーには以前から人気が高かったアプリだ。まず無料のトライアル版(20日間有効のようです)を試してから、正規版(2200円)を購入できるようになっている。
この「WMWifiRouter」、とにかく操作が簡単で、思わずほくそ笑んでしまうほど快適な使い心地だ。使いたい機能のアイコン(Wi-Fi以外にUSB、Bluetoothでの接続も可能)をタッチするだけで起動でき、画面に表示されるネットワーク名とパスワード(WEPキー)を、ノートPCで入力するだけで接続が完了する。ボクはMacBookを使っているのだが、Macでも問題なく接続できている。
そもそもは、外出先でPCでのネット利用が必要となる、ボクにとっての“緊急事態”に備えて購入したアプリなのだが、iPadのネット接続用にも利便性を感じている。ボクの使っているiPadは3G版なのだが、ソフトバンクの通信網がまだまだ脆弱な部分があるため(←個人的な感想です)、外出時に電波をキャッチできずにイラッとすることもある。そんなとき、IS02が実に頼もしい存在になってくれるのだ。
ただし、IS02で「WMWifiRouter」を使うと、3GとWi-Fiを同時に使うためか、端末がやや熱くなり、バッテリーの消耗もかなり早い印象だ。頻繁に使うことは推奨できないだろう。とは言え、ときどき外出先でPC利用が必要になるという人にとっては、データ通信端末やモバイルWi-Fiルーターを購入するよりも圧倒的に経済的と言えるだろう。
接続準備が完了すると、ネットワーク名と自分せ設定したWEPキーが表示される | Macでもワイヤレスでテザリングできるのは非常に快適 |