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自然光を再現できる高性能ライトで“スマホでブツ撮り”を劇的に改善する

【HUAWEI Mate 10 Pro】

 「HUAWEI Mate 10 Pro」のカメラは、AIによるシーン認識をはじめ、暗めな部屋の中でも“いい具合”に補正してくれる機能を搭載しているが、間接照明でけっこうな暗さだったり、さらに電球色などで色温度が偏っていたりするとさすがに分が悪く、AIやHDRといっても、綺麗に撮ることは難しい。

 「サンテック PL150」は、USBで充電できるバッテリーを内蔵した小型のLEDライト。片手で簡単に扱えるため、机の上のモノをスマホで撮影したい、と思い立ったら、左手にライト、右にでスマホを持って、すぐに撮影できる。ライトを被写体の上からかざせば自然な上からの光になるし、そうしたライティングも自由自在だ。

 おおむねスマホサイズのこのLEDライト、スマホを装着できるホルダーが同梱されており、スマホの背面カメラで動画を撮影する際のビデオライトとしても活用できる。

「サンテック PL150」。シュー雲台とスマホホルダーが付く。ほかにUSBケーブルも同梱される
高演色LEDライトを150個搭載
スマホホルダーを装着すればスマホと一体化
3000mAhのバッテリーを内蔵、microUSBで充電できる
明るさはダイヤルで10~100%の無段階調節が可能。電池残量のインジケーターも
50cmで1170 lx、35cmで2340 lxと近距離ではかなり明るい

 バッテリーを内蔵し持ち運びや充電が簡単という点もポイントだが、特筆すべきなのは、撮影用機材の流れをくみ、Ra95以上というかなり高性能な「高演色ライト」である点。Ra100が自然光(太陽光)相当とされ、要するに、日中の窓際とかの、自然光下で見ているような、赤も緑も青もすべてが理想的なバランスで見られるライトなのだ。

 当然ながら肉眼で見る色だけでなく、カメラで撮影する際に非常に強力にアシストしてくれる。自然光と同様のバランスなので、カメラ側が無理に補正することなく撮影でき、キリっと発色の良い写真の撮影が可能。ガジェットや食べ物だけでなく、人の肌など、あらゆるものを理想的な光の下で撮影できることになる。

Mate 10 Proで撮影、白い地肌(?)、濃いピンクの舌、真っ赤な台座と、いずれもバランスよく見える
左手で「サンテック PL150」をかざすだけ。スイッチもこのまま指先で操作できる
Mate 10 Pro、すべてオート、電球色の古いLEDライトのみの薄暗い部屋で撮影
「サンテック PL150」を左上にかざして撮影、光源のテカリが出ているが、赤・黒ともに綺麗に見える

 照度も十分すぎるスペックで、最大にすると手持ちの距離ではまともに見られないほど明るい。連続点灯は約1時間と短めだが、ちょっとした写真撮影や短めの動画撮影には対応できる。撮影機材らしく三脚用ネジ穴があるので、テーブル三脚に取り付けて固定することもできる。

 Ra95という高演色ライトであることは、使ってみると、手元に「日中が出現」したようになり、ちょっと感動する。既存の人工照明の下でいつのまにか諦めていたいろいろなものが、すべて改善できるのでは? と感じてしまう。窓が東向きにしかなく、日中も薄暗い自分の部屋の中では「あり得なかった」類の光なのだ。

 このサンテックのライト、カメラの撮影と関係ないところでは、服の上下の色のバランスをチェックするといったことにも使える。夜中に明日着ていく服を選んでいる時、この高演色ライトで照らせば「なるほど外ではこう見えるわけですか」と、何かを暴いたような気分に。家を出て駅に向かう途中になって「なんか服の色、想定よりズレてないですかね」と気づいてしまう事態を防げるのだ。

 それ以外にも、小型でバッテリー駆動のこの商品では難しいが、高演色ライト自体は食事や模型製作・電子工作でも使いたいし、画集をじっくり見たい時、歯磨きする時にも使いたいと感じた。つまり、撮影用だけでなく生活空間に欲しいと思ってしまった。

 それはともかく、色温度は5500K(付属プロテクターありの場合)と、撮影機材らしく詳細な仕様も明らかになっているので、Mate 10 Proのカメラのプロモードでホワイトバランスの設定をさらに追い込むことも可能だ。屋外では非常に綺麗な写真が撮れるMate 10 Proのライカブランドのカメラだが、このライトを組み合わせれば、部屋の中でも、光源に一喜一憂することなく、ちょっとしたブツ撮りでもかなり満足度の高い写真が撮れるようになった。