第449回:iモード.net とは

大和 哲
1968年生まれ東京都出身。88年8月、Oh!X(日本ソフトバンク)にて「我 ら電脳遊戯民」を執筆。以来、パソコン誌にて初歩のプログラミング、HTML、CGI、インターネットプロトコルなどの解説記事、インターネット関連の Q&A、ゲーム分析記事などを書く。兼業テクニカルライター。ホームページはこちら
(イラスト : 高橋哲史)


 「iモード.net」とは、これまでiモード対応の携帯電話でしか送受信できなかったiモードメールを、パソコンやスマートフォンでも扱えるようにする有料サービスです。

 ID(docomo ID)/パスワードでiモード.netにログインすると、パソコンやスマートフォンの画面で、普段は携帯電話に届くiモードメールを確認できるほか、携帯電話のメールアドレスのままで他の携帯電話に送信/転送できます。このとき、受信したメールは、携帯電話の場合と(メールヘッダの一部内容以外はほぼ)変わらないように見えます。

 パソコンで使用する場合には、iモード対応の携帯電話で「ケータイデータお預かりサービス」を契約していると、携帯電話に登録されているアドレス帳のコピーをそのままパソコン上でも使って、メールを送信することもできます。パソコン上では、携帯電話上のiモードメールでできることを可能な限り、再現しているサービスであるといえるでしょう。

パソコン版のiモード.netの画面。画面中央にはメール一覧、右ペインにはケータイの画面同様にiモードメールの内容が表示される。写真添付やデコ絵文字などもそのまま表示される。

 ちなみに、送受信できる1通あたりのメールサイズは、送信メールは最大4MBまで、受信メールは10MBもしくは1000通までとなっていて、最新のFOMA端末とほぼ同等となっています。パソコンで使用する場合、インターネットメールで一般的なファイルの添付だけでなく、iモードケータイで使える絵文字を使ったり、FOMAの一部機種で利用可能なデコメ絵文字やデコメピクチャなども利用が可能です。また、パソコンで送受信する場合は、メールのファイルサイズにかかわらず、iモードのパケット通信料はかかりません。

 スマートフォンの場合、パソコンと同じく専用のモバイルモードからWebメールサービスとして利用できます。スマートフォンのうちの1機種「T-01A」では「iモード.net モバイルアプリ」を使ってアクセスできるようになっています(2010年1月現在)。ただし、モバイルアプリでは、お預かり電話帳機能やデコメアニメ、フォルダ管理など、パソコン版のiモード.netのうちいくつか対応していない機能もあります。

 「iモード.net」は事前の申込が必要で、利用料として月額210円かかります。ただし初回申込みの場合、30日間無料で利用できます(2010年1月5日現在)。

Webメール形式、PC向け着信通知ツールも

 このiモード.netは、簡単に言えば、Webメールベースのサービスです。

 このサービスの利用を開始すると、これまでiモード携帯電話にのみ配信されていた受信メールは、携帯電話とiモード.netに同報配信されるようになります。そして、iモード.netサーバーに配信されたメールをパソコンやスマートフォンのブラウザ(または一部スマートフォン向けのモバイルアプリ)で、そのメールを見ることになるわけです。

 そのため、Webブラウザからアクセスするiモード.net上でメールを削除しても、携帯電話側へ配信されるメールは削除されません。逆に携帯電話上でメールを削除してもiモード.net上ではメールが残ります。また、この仕組みのため、iモード携帯電話のアドレスで、メールを送信できるようになります。

 iモード.netを使うには、パソコンでは、Internet Explorerなどのブラウザを使ってアクセスします。先述したように、スマートフォンからも専用サイトからアクセスできます。

 一般的なWebメールでは、メールの着信は手動で定期的に画面を更新する必要があります。iモード.netの場合は、Windows XP/Vista搭載パソコン向けの「新着確認ツール」を利用することで、最短5分間隔でパソコンにメールチェックできるようになっています。新着メールが届くと、タスクトレイ上にバルーン表示で通知します。

 また、Windowsケータイ用(2010年1月5日時点ではT-01Aのみ)の「iモード.net モバイルアプリ」を使っている場合は、携帯電話のように、自動でメールを受信できます。

 



(大和 哲)

2010/1/5 11:46