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傘の革命? 濡れても周囲に迷惑を掛けないステッキ型アンブレラ

外観はそのまんまステッキである

柄の部分が太く、遠くから見ると和傘のようだ。我々がふだん傘のどの部分を見て傘と認識しているかを実感する瞬間だ
 濡れた雨傘というのは、持ち運ぶ際に非常に厄介な存在だ。特に満員電車の中など、すれ違いざまに他の人の衣服を濡らしてしまいそうなシチュエーションであれば、いちいち気をつかわざるを得ない。

 しかし、かといって常にカバーやビニールをかぶせて水滴をガードするというのは、ややナンセンスな話だ。過去に本連載で紹介されている「アンブレラカバー」のようなアタッチメントもあるにはあるが、常時装着しておくにはやや難がある。

 そうした発想からか、傘そのものの構造を根本的から見直した製品が登場した。ステッキ傘「パラドス」がそれである。

 この製品は、折りたたみ時にはステッキのような外観をしている。グリップ部をスライドさせることで、筒状になった本体の先端からスルスルッと傘の骨組みと傘布が出てきて、傘に変形するという仕組みだ。

 この構造であれば、雨に濡れた場合でも、傘布は本体内に収納されるため、たとえ満員電車や雑踏の中でも、周囲の人の衣類を濡らしてしまうことがない。収納時もかさばらないため、玄関先などに立てかけておくのにも便利だ。

 構造的には非常にユニークで目を引く本製品であるが、実際に使ってみると、グリップ部をスライドさせるのに強い力が必要だったり、一般的な傘に比べると重量があるなど、まだまだ改良の余地があると感じる。外見も、柄の部分がかなり太いことから、遠くから見ると和傘のように見え、やや奇異に感じられる。

 現状では、欲しい機能をストイックに追求した結果、本来あるべき使い勝手を損なってしまうという、プロトタイプ製品にありがちな状態に陥ってしまっていると言わざるを得ないが、そのアイデアは秀逸であり、周囲の人への自慢も含め、所有欲を大いに満たしてくれる製品だ。2代目、3代目のモデルでのさらなる進化に期待したい。


先端部はキャップが付いており、水滴が垂れるのを防ぐ。滑り止めにも効果あり 先端から傘部分がとびだす構造 パーティグッズにある造花とよく似ている

商品名 購入価格
ステッキ傘パラドス 9,800円


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(山口 真弘)
2007/08/10 10:58

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