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ThinkPadのデザイナーがデザインしたFM/AMラジオ
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直方体のts522。手前の上部の丸いモノはアンテナ。本体に収納できるクロームのハンドルは電池駆動時の部屋から部屋の移動に便利だ
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ロックを外すと2つの立方体に分離し、背面にある2つのマグネットの力で180度開いて確実に固定できる
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黒くて、角張っていて、誰が見てもイタリアで脚光を浴びたデザイナーがデザインしたなんて想像もつかないIBMのノートPC「ThinkPad」だが、実はそのデザインを統括しているのは、超有名なデザイナー「リチャード・ザッパー」なのだ。ThinkPadのあのシンプル過ぎる無駄のない工業デザインを見て、プロのデザイナーは感嘆の声を上げることが多い。
リチャード・ザッパーは、1932年に独ミュンヘンで生まれ、ダイムラーベンツ社に入社し、「メルセデスベンツ」の車体スタイリストとして働き、その後、イタリアに移住、プラスチックの椅子や電化製品のデザインを手がける。イタリアの照明メーカー「アルテミデ社」でデザインした「TIZIO」(ティジオ)と呼ばれる、ThinkPadと同じく、黒の本体に赤のアクセントの効いたフレキシブルな電気スタンドは余りにも有名だ。
TIZIOを始めThinkPad 701c(バタフライ)など、彼の多くの作品はニューヨークの近代美術館(MoMA)のパーマネント・コレクションとして選定され、同美術館に常設展示されている。そのリチャード・ザッパーがイタリアのデザイナー「マルコザヌーソ」と共にデザインした超有名なラジオが本日ご紹介するイタリアに本社を置く、ブリオンベガ社」が1965年に発売開始したラジオだ。
「ts522」と名付けられた再発売モデルのラジオはミラノの国際見本市で人気を博し、ほどなく再生産が決定され、今年の10月になってやっと日本国内で発売が始まった。筆者は夏前に予約をし、やっと入手した次第だ。AC電源でも内蔵乾電池でも動作する小型の卓上ラジオは、持ち歩きやすいように収納式のハンドルが本体に取り付けられており、外観色は「オレンジ」、「ブラック」、「ホワイト」の3色が用意されている。ロックを外すことで、直方体のラジオは、ちょうど真ん中からアンプ部とスピーカー部の立方体2個に分離し、180度開くことで背面のマグネットで吸着固定される。簡単明瞭でグッドなアイデアだ。計測器を思い起こすFM/AMチューナーや、スピーカーの真ん中位置に取り付けられたユニークな電源・ボリュームつまみが特徴的だ。
筆者の購入したモデルはかなり赤に近いオレンジ色の本体に、クロームメッキのフレーム処理や同じくクローム仕上げのアンテナやハンドルが絶妙なコントラストを出している。チューナーは日本の放送帯域に調整されれており、FMのオートチューニングも簡単・快適だ。当然ながら、ボリュームを大きく上げると、音のバランスが崩れ、重低音は不足がちだが、室内で、中程度以下の音量で聞くにはなかなか最適なラジオだろう。外観はテクノロジーの塊のように見えるラジオだが、目をつぶって聞けば非常に音楽的なラジオである。同じイタリアだからというわけではないが、ロッシーニの歌曲は最高だ。
筆者は自宅のデスクの上で、BOSE社の「Wave Radio ・CD」と並べて愛用しているが、デザインも個性的な音作りも、何れも捨てがたい魅力を持った世界の一流品であることを感じさせてくれる。やはり、ミッドセンチュリーはどこか新しい。
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FM/AMの感度は後ろにあるBOSE社製より優秀。カラーバランスは赤みが大きくThinkPadの逆だ
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測定器のようなチューナーはオートチューニングも容易で、口径の大きなスピーカーは小音量で豊かに低音を再現する
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品名 |
発売元 |
購入価格 |
購入場所 |
ts522 FM/AMラジオ |
ブリオンベガ社(イタリア) |
3万5000円 |
ヤマギワ リビナ2F |
・ ThinkPadのインダストリアルデザイナーがデザインした 電気スタンド 「TIZIO」
・ ヤマギワ
http://www.yamagiwa.co.jp/
(ゼロ・ハリ)
2002/10/22 11:03
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