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富士通、年末以降の端末と今後の戦略を解説

 富士通は、12月以降に順次発売される「F-02A」「F-03A」「F-04A」についての説明会を開催した。同社の携帯電話戦略も解説されたほか、4℃、ユナイテッドアローズのコラボレーション各社も登壇して製品の魅力を語った。「F-02A」は12月中旬予定と発表されたほか、「F-03A」は1月中旬、「F-04A」は2月初旬に投入される予定。


富士通の顔としての役割

富士通 取締役 副社長 プロダクトビジネスグループ担当兼ユビキタスプロダクトビジネスグループ長の富田 達夫氏
 冒頭では富士通 取締役 副社長 プロダクトビジネスグループ担当兼ユビキタスプロダクトビジネスグループ長の富田 達夫氏が挨拶を行った。富田氏は、携帯電話のみならず市場環境が厳しくなっているとした上で、「携帯電話の販売方式が変更され、1億台以上が普及してある意味市場は飽和しており、さらに不況感が重なった非常に厳しい年度になっている」との認識を明らかにする。一方で、「携帯電話関連の事業は10兆円を超える市場で、まだまだ非常に強い。ユビキタス社会においては無限の可能性を持っている」と関連市場を含めて今後も市場が発展すると予測。「富士通において、携帯電話は技術を引っ張っていく役割、顔としての役割を持っている」と同社において重要な製品・市場であることを示し、「防水、音声技術はとくに優れていると自負している。ご覧になって富士通の意気込みを感じでもらえれば」とラインナップと製品機能の充実に自信を見せた。


「目先の山谷にとらわれず、歯を食いしばっていく」

富士通 経営執行役 モバイルフォン事業本部長の佐相 秀幸氏

携帯電話関連の市場は今後も有望とした
 携帯電話事業を統括する富士通 経営執行役 モバイルフォン事業本部長の佐相 秀幸氏からは、携帯電話事業の戦略が明らかにされた。佐相氏は「あまり元気のでる話ではない」と市場の動向を示す数値を紹介し、市場全体で前年度割れする出荷台数などを紹介するものの、「(販売が落ち込んだ)2008年度でも4000万台が出荷される見通しで、これだけで約1.6兆円の市場。ドコモだけで約半分を占め、関連のユビキタス市場を含めれば2012年には10兆円以上になると予測されている」と市場の発展性に言及。「目先の山谷にとらわれず、歯を食いしばっていく」と今後も携帯電話事業に注力していく方針を明らかにした。

 ドコモだけに製品を納入する同社だが、端末の新ラインナップを紹介する上で、同社における開発方針を「モバイルフロント」と定義し、3つのキーワード「ブロードバンドリーダー」「デザイントレンドリーダー」「ユニバーサルデザイン/安心・安全・健康」を用いて解説した。

 ブロードバンドリーダーは技術面での追求で、「SH-Mobile G3」など最新チップの投入や動作速度の改善・向上をアピール。「基盤技術は富士通のルーツ。しっかりとやっていく」とし、ブロードバンドを使いこなすためのユーザーインターフェース(UI)も、タッチパネルUIなどへの取り組みを挙げた。

 デザイントレンドリーダーは外観デザインの追求で、2007年10月に「富士通デザイン株式会社」を設立したことを紹介。加えて、各業界のリーダーとのコラボレーションを進め、4℃、ユナイテッドアローズとのコラボレーションモデルも実現されている。

 ユニバーサルデザイン/安心・安全・健康とは、同社が主にらくらくホンなどで取り組んできたテーマだが、「今後は基本的に全機種に横展開する」とし、らくらくホン以外にも聞きやすさ、話しやすさなどにこだわった機能が搭載されていく見込み。また、防水機能では「F-04A」で薄さ12.8mmを実現していることを紹介。「今後は(防水で)10mmを切るのも、チャレンジだと思っている」とさらなる薄型化を進めていく方針を明らかにした。

 佐相氏はまた、スライド式の「F-03A」の開発背景に言及。「これまで三菱電機とプラットフォーム、商品開発で協調してやっていた。三菱のいろんなDNAが残った、残してある携帯」と語り、三菱の携帯電話の特徴を多くの部分で受け継いだ端末であることを明らかにした。


富士通の携帯電話開発における3つのテーマ 技術面でも先行し、G4など最新チップの搭載時期も明らかにした

デザイン面も強化。コラボレーションも進めていく らくらくホンの機能がさまざまなモデルに展開される

「携帯とファッションの市場が一体となって」

 発表会ではコラボモデルを担当した4℃、ユナイテッドアローズの代表も登壇して挨拶を述べた。ジュエリーブランドの4℃を展開するエフ・ディ・シィ・プロダクツ 代表取締役社長の田村 英樹氏は、「シンプルで清楚、知的といったキーワードでこだわってきた」と同社の歴史やブランドコンセプトを紹介した上で、「天然のダイヤをうまく装着できるかどうか不安だったが、富士通の高い技術力で実現できた。4℃のファンのみならず、多くの方に使っていただきたい」とアピールした。

 服飾を中心とした同名のセレクトショップを展開するユナイテッドアローズ 代表取締役社長の岩城 哲哉氏は、同社の掲げる日本の新しいライフスタイルへの貢献と、携帯電話の普及・拡大は重なる部分があるとし、「携帯電話が生活必需品になるなら、不慣れな分野だがチャレンジしてみようと考えた。携帯から買い物をするような価値観の多様化や、購買行動が変わってきており、そういうところにも大いなるチャンスを感じた。常に持っている物にふさわしいものとは何か、というテーマにチャレンジした。携帯とファッションの市場の距離が詰まり、一体となって新しい価値を提供していきたい」とコラボレーションの背景や意気込みを語った。


エフ・ディ・シィ・プロダクツ 代表取締役社長の田村 英樹 ユナイテッドアローズ 代表取締役社長の岩城 哲哉氏

F-02A 4℃コラボモデルのイメージ展示 写真左の、メモ帳とF-04Aがセットされた革製ケースはパッケージに付属する

4℃コラボモデルはクリスマス商戦に投入

富士通 常務理事 モバイルフォン事業副本部長の大谷 信雄氏

 富士通 常務理事 モバイルフォン事業副本部長の大谷 信雄氏からは、今冬にラインナップした4機種の紹介と、今後発売される3モデルのデモンストレーションを交えた解説が行われた。

 背面に2インチ、QVGAのサブ液晶を搭載する「F-02A」は、着せ替え、イルミネーション、デザインなどあらゆる要素を満たせるものとして大型のサブ液晶を搭載したと紹介し、各種の情報表示から、3つのプリセットゲーム、カメラのファインダー画面、モーションセンサーを用いたユニークな演出などさまざまな利用パターンがデモを交えて紹介された。12月中旬に発売される予定と案内されたが、これは4℃とのコラボモデルをクリスマス商戦に投入するためという。

 スライド型でタッチパネルの「F-03A」は、「次のあるべきスライドを目指そうというもので、三菱電機の協力も得て形状を考えた。曲面でタッチパネルは非常に苦労したが新しいスタイルができたのではないか」と自信を見せ、メニュー画面などソフトウェアについても三菱との協力関係を明らかにした。

 「F-04A」については、「どこまで薄く防水にできるのか」というテーマを掲げ、ステンレス素材の採用などトピックを紹介。ユナイテッドアローズとのコラボレーションモデルもあることで、2月初旬発売予定の同モデルは「春商戦で売れる3月、4月の前に発売して、学生や新入社員にアピールしていきたい」との考えを明らかにするとともに、ユナイテッドアローズとのコラボモデルに同梱される、メモ帳とF-04Aをセットで収納できる革製のケースも紹介した。

 大谷氏は、「各セグメントに合ったものを、合った時期に投入できるよう開発を進めていく」と述べて、特色のあるラインナップをふさわしい時期に投入していく方針を示した。


会場でのデモはスクリーンに映し出された。写真はF-02Aのサブ液晶で、モーションセンサーを利用したミニゲームをプレイしているところ F-04Aでは12.8mmのボディで防水性能を実現

■ フォトギャラリー



URL
  F-02A 製品情報
  http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/style/f02a/
  F-03A 製品情報
  http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/prime/f03a/
  F-04A 製品情報
  http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/smart/f04a/

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(太田 亮三)
2008/12/08 15:32


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