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シャープ端末説明会、秋冬は「デジカメケータイ」元年に
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シャープは、携帯電話各社より秋冬モデルとして発表されたシャープ製携帯電話の説明会を開催した。
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シャープの秋冬モデル
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■ 海外展開
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シャープの松本氏
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シャープの代表取締役 兼 副社長執行役員の松本雅史氏は、海外市場への取り組みとして、9月1日に海外向け携帯電話事業を展開する「移動体事業推進本部」を奈良県に新設したことを説明した。
同部署は、シャープの携帯電話事業を担う広島の通信システム事業本部と、ZAURUSやW-ZERO3などを手がける奈良の情報システム事業本部(旧情報通信事業本部)から、海外向け通信携帯端末の早期事業化を目指して設立されたもの。広島の通信システム事業本部は国内専業となり、国内と海外の事業部を切り分けることで市場への対応速度を速めたい考えだ。
また、これまでの海外展開の成果についても紹介された。中国向けに投入したAQUOSケータイ「SH9010C」は、中国市場向け製品第1弾で、AQUOSのブランド力を活かしてプロモーションされた。4000元(約5万6700円)以上の携帯電話では、中国市場でもトップクラスの売れ行きだという。
第2弾の「SH8010C」は9月に発売された。スライド式ボディのファッション性をアピールし、北京と上海で同時記者発表会も開催された。さらに10月21日には、第3弾としてAQUOSケータイ「SH9020C」を発表、近日発売される予定となっている。
なお、シャープでは2008年の端末販売数として、1170万台の見通しを立てている。松本氏は説明会の質疑応答の中で、1170万台のうち200万台程度が海外向けモデルになるとの予測を示した。携帯電話のさらなる普及が予想される中国市場への積極参入には、国内向けモデルと海外向けモデルの比率を50%ずつに伸ばしたい考えがあるという。シャープでは、海外モデルの販売数を伸ばすために中国以外のアジア圏の新興市場にも端末を投入していく方針だ。
その一方で、欧州や米国などの先進国の市場には、スマートフォンを展開している。欧米各市場の端末販売数は横ばいだが、松本氏は「スマートフォンは長い目で見れば伸びていく」と語り、スマートフォンの普及拡大を図るとした。
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中国市場向け端末
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海外展開について
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■ 国内モデルのキーワードは「元気なケータイ!」
国内向け市場について松本氏は冒頭、「販売料金施策などで市場が大幅に縮小している状況だ。市場を活性化させていかなければならない、シャープの使命だ」と語った。
シャープは、2008年度上期の国内向け携帯電話の出荷台数が約23%と国内シェアトップ(MM総研調べ)となった。また、下期の最初となる10月もシェア28%(シャープ調べ)を獲得したという。2008年度通期でトップとなれば、4年連続の首位となる。松本氏は下期は販売を拡大し、通期でシェア25%を目指すとした。
2008年度のシェアトップに向けて手堅い印象がある一方で、国内の端末出荷数は大幅に縮小している。昨年度は国内市場において年間で5000万台程度出荷されたが、2008年度に入ると上期だけで前年同期比で20%程度落ち込んでいる。松本氏は市場全体の予測として、2008年度の出荷数を3800万台と予測した。
2008年秋冬、シャープが投入する携帯電話ラインナップは、8機種33バリエーションにのぼる。松本氏はキーワードとして「元気なケータイ!」という言葉を紹介した。松本氏は、大画面液晶やタッチパネルといったポイントの最後に、「カメラ」をキーワードに挙げた。
松本氏は「SHケータイ史上最強のカメラ」と、8メガCCDカメラ、新画像処理エンジン、オートフォーカスなどを搭載した「SH-01A」「SH-03A」「930SH」を紹介した。また、新たなステージに進んだカメラ付き携帯電話について、「デジカメケータイ元年」と表現し、「外出時にケータイとデジカメの2台持ちだったが、今回のカメラ付きモデルの登場で、いよいよデジカメいらずの時代がきたのではないか。SHのケータイは皆さんに新しい価値を提供する」と語った。
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端末出荷数の推移
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メーカー別国内端末出荷数
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■ 長谷川氏「ライバルはコンパクトデジカメ」
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長谷川氏
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カメラ付きケータイの歴史
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シャープの執行役員 通信システム事業本部長 長谷川祥典氏は、プレゼンテーションの冒頭に「ケータイにカメラはもはや当然のこと。多くのユーザーがカメラ機能を重視している」と語った。シャープが携帯電話にはじめてカメラ機能を内蔵したのは、当時のJ-フォン向けに提供された「J-SH04」となる。長谷川氏は、「業界初のカメラ付きケータイの発売からまだ10年もたっていないが、ユーザーのニーズに支えられて非常に進化した」と話した。
長谷川氏は、携帯電話へのカメラ搭載は世界でも今や標準的な機能になり、半数程度のモデルでカメラが搭載されていると説明、今後さらに拡大すると予想した。また、日本においては9割以上の端末がカメラ付きモデルとなるが、長谷川氏はユーザーがカメラに満足しているかと問いかけ、暗所での利用や色味の悪さ、動きのある被写体でゆがむことなど、多くの不満があるとした。このため、カメラ付き携帯電話への不満から、ユーザーはデジタルカメラを持ち歩いているとした。
カメラ機能を大きく向上させたシャープの秋冬モデルでは、800万画素と高画素で、暗所や動きの速い物体に強いとされるCCDセンサーが採用されている。また、新開発の画像処理エンジン「ProPix」を搭載し、「デジカメ画質を実現した」(長谷川氏)という。
会場説明員によれば、8メガピクセルCCDの採用によって、ダイナミックレンジが拡大する一方で、高画素でISO2500相当の明るさまで対応するためノイズが目立つようになる。ここに画像処理エンジン「ProPix」を搭載したことで、デジタルカメラ並のノイズリダクションを実現したという。「ProPix」は他社製汎用LSIをカスタマイズしたものが使われている。
長谷川氏は、「ライバルはコンパクトデジカメという思い。携帯電話でデジカメの性能をより多くのユーザーに楽しんでいただきたい」と語った。今回の「デジカメケータイ」はデジタルカメラとケータイを持ち歩いているユーザー対し、「ケータイ1台で十分」と思わせるものだという。今後8メガCCDモジュールを開発し外販なども計画しているという。
なお、説明会場にはCMOSセンサーとCCDセンサーの画質の違いなどを比較したタッチ&トライコーナーなどが設置されていた。
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新画像処理エンジン「ProPix」
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テレビCMは、ドコモ向け商品が11月20日から、au向けが30日から、ソフトバンク向けが12月6日から放送される予定
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■ フォトギャラリー
■ URL
シャープ
http://www.sharp.co.jp/
製品情報ページ
http://www.sharp.co.jp/k-tai/
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(津田 啓夢)
2008/11/19 19:14
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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