日本通信は、NTTドコモのiモードメールの代わりに、アップルのインターネットサービス「.Mac(ドットマック)」のメールが携帯電話で利用できるサービス「ConnectMail(コネクトメール)」を2月1日より開始する。
「ConnectMail」は、FOMA端末で通常のiモードメールと同じように「.Mac」のメールが送受信できるサービス。iモードメールの環境では、プリセットされたメール機能において、一部を除き「 @docomo.ne.jp 」のメールアドレスしか利用できなかった。「ConnectMail」では、プリセットのメール機能を利用して、「 docomo.ne.jp 」のメールではなく、「.Mac」のドメイン「 @mac.com 」が利用できるようになる。
サービスはFOMA端末(初期FOMA端末除く)に対応。FOMA端末に搭載されているメールボタンを押して「 @mac.com 」のメールアドレスでメールを作成/送信できる。「.Mac」のメールアドレス宛のメールが携帯電話に直接受信され、iモードメールのように自動的にメールを受信する。メールのプッシュ通知機能も用意される。
なお、携帯電話で「.Mac」のメールを受信してもサーバー側にはメールは残る。サービス開始当初、添付ファイルは100KBまで受信可能で、今後2MBまで拡張される予定。HTMLメールを利用している「デコメール」に対応。絵文字はサポートされていないが、各キャリアの互換性などの状況を見て対応を検討していくという。
同サービスを契約した場合、ブラウジングも可能だが、端末に搭載された「iMenu」ボタンを押すと、NTTレゾナントの「モバイルgoo」に接続される。iモード公式サイトにアクセスする場合は、接続先を切り替える必要がある。
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iモードメールと同じように「 @mac.com 」のメールが送信できる
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パソコン側の受信画面
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「 @mac.com 」宛のメールを受信
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デコメール対応
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パソコンの受信画面
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「iMenu」ボタンでモバイルgooにアクセス
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機能のポイント
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Webサイトで利用契約を結ぶ
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■ 仕組み
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システム構成
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NTTドコモでは、2002年1月よりiモード用のパケットインターフェイスの開放条件を公開している。日本通信は昨年12月、この開放条件を元にパケット交換機との接続試験を完了していた。同社は、ドコモのiモードセンターに相当する「J-Plat」を構築し、「.Mac」のメールサーバーとの接続を実現している。
通常のiモードサービスでは、パケット交換機を経由してiモードセンターに接続され、iモードセンターで「 @docomo.ne.jp 」のメールサーバーにアクセスしている。また、iモードセンターからiモードの各公式コンテンツにアクセスする形になっている。
今回のサービスは、パケット交換機から前述の「J-Plat」に接続されるため、「ConnectMail」を設定した場合にはiモードの各サービスは利用できない。このため、iMenuボタンを押すと「モバイルgoo」に接続されるようになっている。
ただし、設定を切り替えれば利用はできる。ドコモが開放している機能となるため、端末内の設定メニューなどにある「接続先設定」や「接続先選択」などを「ConnectMail」の設定から、iモードに切り替えれば通常のiモードサービスも利用できる。フルブラウザや通信を利用するiアプリもサポートする。なお、接続先の切り替え方法は端末によって異なるため、日本通信では対応機種の設定方法をWebで公開する予定。
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接続先を切り替えればiモードサービスも利用できる
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接続先設定画面
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■ 利用料
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利用料は年間4,800円
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日本通信の福田氏
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サービスの利用料は年間4,800円。「ConnectMail」のみ使う場合はiモードのオプション契約は必要ない。iモードサービスを切り替えて利用する場合は、ドコモとiモード契約(月額210円)をする。
「ConnectMail」を利用する場合でもNTTドコモに対してパケット通信料が発生する。ドコモのパケット割引サービスが利用可能だが、サービス開始当初はパケット定額サービス「パケ・ホーダイ」および「パケ・ホーダイフル」は適用できない。
この件について、発表会でプレゼンテーションを行なった日本通信の常務取締役 CFOの福田尚久氏は、「NTTドコモより、まもなく定額オプションも適用していただけるとの話をいただいている」とコメントした。
サービスの申し込みはWebサイトから行なえる。同サービスを利用するためには、日本通信へ携帯電話と「.Mac」を接続するための利用契約のほか、アップルとの.Macサービスの利用契約と、ドコモとFOMA利用料はパケット通信料などの端末利用契約が必要となる。
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契約形態
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ターゲット
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■ マルチキャリア化、ISPへソリューション展開も
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日本通信の戦略
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日本通信では今後、メールをリスト化し、選択したものだけ受信できるようにする機能などサービスを拡充する。また、他キャリアにも積極的に展開する方針。
福田氏によれば、今後、ニフティやビッグローブといったインターネットサービスプロバイダー(ISP)のメールも受けられるように対応を検討するという。また、ISPやシステムインテグレーターがサービス主体となるソリューション提供も行なうという。
同社ではこうした新サービスを積極展開することで、携帯電話のビジネスモデルにオープンな水平分業型のモデルを積極的に導入していきたい考え。
■ URL
ニュースリリース(PDF形式)
http://www.j-com.co.jp/ir/pdf/press_080123.pdf
サービス案内
http://www.keitai-pc.com/
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(津田 啓夢)
2008/01/23 14:34
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