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ドコモ株主総会、iPhoneの導入や料金改革に意欲見せる

NTTドコモの中村氏
 NTTドコモは6月19日、都内のホテルで第16回定時株主総会を開催した。

 冒頭、2006年度の事業報告を行ない、2006年度業績のほか、携帯電話の契約者数が5,262万契約に達し、そのうちFOMAの契約者数が3,553万契約と全体の2/3に達したことを示したほか、iチャネルなどの契約数が増加したことで、将来に向けた経営基盤が整ったと説明。パケ・ホーダイフルなどの新たなサービスの開始、HSDPAサービスの主要都市への展開を行なっていることなどを示した。

 また、平田正之副社長が、ドコモが今後対処すべき課題について説明。「コアビジネスの基盤強化による競争力の向上」、「さらなる収入拡大と創出」、「コスト削減への取り組み」をあげ、コアビジネスの基盤強化による競争力の向上では、製品、サービスの提供、高品質で安定したネットワークの提供、アフターサービスの充実、利用しやすい料金サービスの提供に取り組むことが、新規契約数の増加、解約の抑止につながるとした。

 収益の拡大については、HSDPAや国際ローミング、iチャネルの普及促進、音楽配信サービスの強化などによる携帯電話利用の促進策のほか、トラフィックに依存しない収益の拡大策として、クレジットサービスのDCMXの利用拡大に力を注いでいく姿勢を示した。

 さらに、コスト削減への取り組みとして、端末調達コストおよびネットワークコストの低減、代理店手数料の効率的な運用を行なうと語った。


ドコモ中村氏、MNP転出超を謝罪

5月から「DoCoMo 2.0」のプローモーションを開始
 また、事前質問に関する一括回答には、石川國雄副社長が回答。「MNPの影響については、転出が転入を上回る状況が続いているが、当社としては、一過性の対策ではなく、エリア、料金、サービスといった総合力の強化が必要だと考え、制度開始に向けて対策を進めてきた。だが、FOMAの通話エリアの印象が払拭できず、料金面でのイメージもあった。しかし、MNPの影響は、時間を追うごとに低減しており、サービス、端末などの施策により、早期に転出超過の状況から脱するように努力したい」とした。

 ブランド向上については、「コアビジネスの強化、収益の拡大に向けて、従来からのドコモブランドのイメージを刷新し、イメージを向上させることが重要である。5月からDoCoMo 2.0をスタートしたほか、マーケティング機能、プロモーション機能を融合するための体制を確立し、ドコモブランドの向上を図る。施策を明確化、具現化し、新たな価値感の創出によって、企業価値の増大に務めていく」と語った。

 なお、会場からの質問では、MNPに対する質問に中村維夫社長が回答。「昨年10月24日から開始したMNPでは、100万人出ていき、入ってきたのが40万人。大変申し訳なく思う。理由は2つある。第3世代をスタートして6年が経過したが、最初のネットワーク環境がひどかったこともあり、なかなか信頼いただけなかった。また、端末価格が高いこともあり、ドコモは利用料金も高いのではないか、という印象がある。MNP対策は、一過性のものではなく、抜本的に解決しなくてはならない問題。応急処置の対処療法はないと判断し、他社に負けないピカピカのネットワークを作る。また、auが先行していた音楽サービスにも、やっと追いついたと判断している。先進的なドコモを目指し、いまの失地を回復したい」と回答した。


近く料金施策発表、「パケット定額を魅力あるものに」

 さらに、DoCoMo 2.0が若者向けのキャンペーンになっており、シニア向けの提案が少ないという質問に対しては、「シニア向けには、らくらくホンを提供しているが、今は機能をシンプルにしたものを提供している。それだけでなく、おサイフケータイ機能、カメラ機能などを搭載したものを増やしていきたい」と回答。また、伊東則昭取締役執行役員は、「DoCoMo2.0では、まず、サービス面を訴えているが、近々、料金面でもお客様の目に止まるものを出したい。パケット定額を魅力あるものにしていくことが求められている。料金施策で手をこまねいているわけではない」とした。

 国内の携帯電話市場が飽和状態になっており、今後の事業拡大の場をどこに求めるか、という点については、「今後は、法人市場が戦いの場所になる。若い人への普及は、ほぼ100%だが、それ以外の市場もある。また、海外で事業に関しては、3つのポイントがあり、国際ローミングで収入、音声通話中心となっているアジア市場におけるデータ通信需要、アジア市場で資本/提携戦略になる」(中村社長)とした。

 また、株主総会に出席している役員の高齢化や、女性役員がいないことに関しても質問が飛び、「今日は、取締役が中心なるために、出席者が少し年寄りに見えるが、執行役員には、若手を登用している。また、女性の執行役員も1人いる。女性役員は決して多いとは思っていない。若い力も生かしていきたい」(中村社長)と回答した。


WiMAXやFMC、3.9G、NGNなど今後ネットワーク展開について

 WiMAX事業に関しては、伊東取締役執行役員が回答。「当社では、WiMAX事業に自ら参加したいと表明していたが、総務省からのガイドラインでは、第3世代ネットワークを持っている事業者は単独で参加できないとしている。それに対して、当社は、参加する機会を与えてほしいとパブリックコメントを出しているところだ。ただ、事業を行なう会社に対して、1/3まで出資して参加できる。マジョリティはとれないが、やる道はあると考えている」とした。

 FMCサービスが魅力に欠けるとした質問に対しては、石川副社長が回答し、「移動と固定の融合は、法人の分野ではすでにやっているが、これを個人にも広げていきたい。海外での事例も研究しながらやっていく」としたほか、中村社長が「個人の電話で、090の携帯電話端末からかけても、家の中では、固定電話から発信していくということも検討しているが、収入に与える影響を考えていかなくてはならない」とした。

 また、NGN(次世代ネットワーク:Next Generation Network)に関しては、「ネットワークのオールIP化という点では、固定電話事業者と同じ方向に向かうことになる。この点では、ネットワークを共有していくことを考えたい。だが、固定電話は10年先の技術がわかるが、携帯電話には、3.9世代、WiMAX、第4世代などがあり、先が見えない。フレキシブルに動かなくてはならない。ネットワークの上にあるサーバーや制御の部分は、選択肢が数あるなかで決めてしまうのは大変危険である」としたほか、「2010年にサービスを予定している3.9世代は、いまの第3世代のネットワークを活用できるが、第4世代は、スピードは3.9世代の10倍になるものの、第3世代の時と同じように全部張り替えなくてはならない。これを張り替えてまでやるべきか。世界の趨勢がこれについてこれるのか。収入とコストを見ながら判断したい」と語った。


iPhoneの国内投入に期待感

海外ではまもなく「iPhone」が登場する
 今月末にも米国で出荷される予定のiPhoneに関しては、「GSMであるために、日本ではこの方式は使えない。だが、1年後には日本にも入ってくる予定であることから、ドコモが提供しているW-CDMA方式への対応を期待しており、可能であればドコモにも入れたい。アップルとの話し合いになるが、重要なものとして検討していきたい」(辻村清行取締役常務執行役員)と、導入に意欲を見せた。

 なお、午前10時にスタートした株主総会は、12時6分に終了。剰余金処分、自己株式取得、取締役および監査役選任の第1号議案から第4号議案まではすべて可決された。また、動議として株主から提案された年間配当金8,000円への増配に関しては、否決された。



URL
  NTTドコモ
  http://www.nttdocomo.co.jp/
  NTTドコモ 株主・投資家向け情報
  http://www.nttdocomo.co.jp/corporate/ir/

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(大河原克行)
2007/06/19 13:49

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