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ソフトバンクの「スーパーボーナス」がわからない――10月1日にボーダフォンがソフトバンクとなってからというもの、こうした声が本誌にも多数寄せられるようになった。その一部には、店頭などで事前の説明とは異なる対応を受けたとする声もあり、本誌では改めて実態を調査した。
■ 広報の公式説明
「スーパーボーナス」は、ソフトバンクの3G端末購入者を対象とした、端末価格の割引や基本料金の長期割引などを組み合わせた複合的な割引サービスだ。端末販売価格の単純な割引とは異なる割賦販売(分割払い)となり、店頭で端末購入時に支払うのは頭金で、以降毎月残金を返済していく形になる。
ただし、毎月の支払い額と同額の割引が用意され、ソフトバンクを契約している限りこの残金は相殺される。端末購入3カ月目から24回に渡って適用され、途中で解約しても残金を返済し続けなければならない。また、返済が完了する前に機種変更を行なっても、解約時と同様に残金の返済が必要となる。
このほか、契約月から最大2カ月間基本料金が無料になり、端末購入時には最大10,500円の割引も用意されている。長期契約すると継続利用期間に応じてマイレージポイントなども提供される。
なお、従来提供されてきた「ハッピーボーナス」や長期割引を利用してきたユーザーは、スーパーボーナスに契約変更した場合、これまでの契約期間は継続されないので注意が必要だ。J-フォンからボーダフォン、そしてソフトバンクへと長年愛用してきたユーザーであっても、スーパーボーナスを適用する場合は1カ月目からの利用とカウントされてしまう。なお、新規契約や機種変更の際に、従来のハッピーボーナスや長期割引を利用できる。
以上が10月19日時点でのソフトバンクモバイル広報による公式説明だ。
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支払い例
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割引特典。利用期間に応じてマイレージポイントも獲得できる
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■ 対応が異なるショップとサポートセンター
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ソフトバンクモバイルのロゴ
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多くのユーザーが混乱した理由は、ショップ店頭やサポートセンター(お客さまセンター)、そしてソフトバンク自身の対応が信頼できなくなったせいだろう。ソフトバンクでは、9月1日にスタートした「スーパーボーナス」についてプレスリリースを発表していない。
また、ボーダフォン時代にはハッピーボーナスなどの利用者がスーパーボーナスに変更しても継続利用期間が引き継げたが、10月1日にソフトバンクになると、こっそり利用期間が引き継げないルールにしてしまった。会社の体制が変わったとしても、利用しているユーザーが急に変わるわけではないし、既存のユーザーはブランド変更後も、これまで通り、またはそれ以上の良いサービスを求めるものだろう。しかし同社は、ユーザーが不利益を被る可能性があるにも関わらず、事前告知やプレスリリースを出すことなくルールを変更した。
スーパーボーナスについて調査するにあたって、サポートセンター、ソフトバンクショップ某店、そして同社広報部にサービス内容について確認した。
サポートセンターについては、前述のサービス概要の説明とほぼ同じ内容となったが、「ハッピーボーナスの利用者がスーパーボーナスに変更した場合、利用期間はどうなるのか?」と聞くと、当初「契約期間は引き継がれる」とコメントし、こちらの指摘で訂正した。
また、本誌が17日にお伝えした、ハッピーボーナスが現在も利用できるという件について聞くと、「一度終了したが、ユーザーの強い要望で復活した」と語った。なお、その時点での広報部の説明は、「“要望があれば受け付ける”という姿勢に変更していた」というもので、これまでも廃止していないと話していたが、サポートセンターのニュアンスは異なっていた。
前述のサービス内容と大きく異なったのは、ソフトバンクショップの対応である。19日に問い合せたところ、まず、広報が受け付けているとするハッピーボーナスについては、受け付けていないと回答。新規ユーザーだけではなく、従来ハッピーボーナスを利用していたユーザーが機種変更した場合であっても、スーパーボーナスになるとした。
また、「店舗によって対応が違うようだ」と尋ねると、ショップのスタッフは、「10月1日からソフトバンクとなって、ソフトバンクのショップであってもサービスについて把握し切れていない状況もある」という。なお、同スタッフは、ハッピーボーナスが利用できなくなった理由を「10月1日からソフトバンクになりましたので……」と語っていた。販売代理店が運営しているとはいえ、ソフトバンクの方針とは異なる展開をしていたのは、同社のWebサイトでも検索できる正規のソフトバンクショップであることを加えておく。
さらに、別のソフトバンクショップでもハッピーボーナスの契約期間がスーパーボーナスに引き継げるのか聞くと、こちらは「引き継げる」との回答だった。なお、こちらのショップはソフトバンクモバイルの直営店である。
ちなみに、サポートセンター側にも「店舗によって対応が違うようだ」と質問を投げてみたが、ショップでの対応が違う場合はショップの方が間違っているとの主旨の回答があった。しかし、ショップで対応が違った場合、ユーザーは「私の言っていることが正しい」と言えるだろうか?
なお、スーパーボーナスに絡む今回の混乱について、ソフトバンク広報は「把握している」とした上で、「さらに周知徹底を図る」と説明している。
だが、ソフトバンク側も前述の通り、スーパーボーナスやその変更に関するプレスリリースを発表しないなど、姿勢に疑問が残る部分もある。広報部では、スーパーボーナスについて当初発表しなかった理由を、契約約款上に新たな記載を必要としないサービスだったためとする一方、こちらについても今後改善していくとしている。
ボーダフォンがソフトバンクとなり、新CMの「予想外」も好評なようだ。日本のブロードバンドの状況を変えたソフトバンクが、携帯電話の業界に何をもたらすのか、新展開について期待が集まっている状況だ。まずはユーザーが混乱しないよう、サービス周知の徹底と、説明責任を果たすことを強く望みたい。
■ URL
ソフトバンクモバイル
http://mb.softbank.jp/mb/
スーパーボーナスの概要
http://mb.softbank.jp/mb/price_plan/3G/discount/super_bonus.html
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(津田 啓夢)
2006/10/19 18:00
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ケータイWatch編集部 k-tai@impress.co.jp
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