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イー・アクセス決算、携帯事業は資金調達を終え準備段階へ

 イー・アクセスは、2006年3月期の決算および今後の展開について、都内で記者向けに発表会を開催した。モバイル事業を開始する予定の同社連結子会社イー・モバイルについては、事業開始に必要な資金調達を完了し、今後本格的な準備を開始していくとした。

 イー・アクセスの2006年3月期(2005年4月~2006年3月)の連結業績は、売上高が603億5,300万円、営業利益は93億7,500万円、経常利益は75億3,100万円、当期純利益は50億2,000万円となった。

 携帯電話事業を開始するにあたっての準備がすでに進められており、今期ではモバイル事業の立ち上げ費用が計上されている。モバイル事業は、営業利益が約23億円の赤字、経常利益は約26.4億円の赤字、当期純利益は約26.4億円の赤字となった。イー・アクセスの連結業績ではこれらモバイル事業の赤字を吸収した上で黒字を実現している。ただし、2007年3月期は拡大するモバイル事業への投資により連結業績も赤字になる見込み。


モバイル事業、ネットワークを積極的に構築していく時期

イー・アクセス 代表取締役会長兼CEOの千本 倖生氏
 イー・アクセス 代表取締役会長兼CEOの千本 倖生氏は、「ADSL事業は増収増益で、過去最高の利益率となった。加入者数は下半期から改善し、年度では純増を達成した」と述べ、根幹事業であるADSLサービスの高い収益構造を示した。

 モバイル事業については、予定していた3,500億円に及ぶ資金調達が完了しており、「今後はネットワークを積極的に構築していく時期」と述べるとともに、基地局開発や土地の確保など、すでに具体的な準備が開始されているとした。モバイル事業の赤字については「立ち上げ時期には赤字は必ず発生する。コントローラブルな“良い赤字”で、モバイルに打って出る上ではやらなければいけない赤字」と語り、将来の発展のための前向きな赤字であることを強調した。

 モバイル事業の今後について千本氏は、「全国展開に向けて全力投球している。ADSL事業もバックボーンなどでモバイル事業をサポートする準備を進めている」と述べ、「ADSL事業の10倍ぐらいの規模になるが、サービス開始から3年で黒字化を達成し、4年で累損を解消していきたい」と目標を述べた。

 同氏はこのほか、「3.5Gのネットワークをゼロから立ち上げることになるが、社員全員、楽しんで、興奮して、エキサイティングな毎日を過ごしている」と語り、「1兆円企業になれるよう、積極的に事業を拡大していく」と意気込みを語った。


2007年3月期はモバイル事業で赤字を見込む モバイル事業については、2008年までは投資時期という位置付け

 2007年3月期の業績予想については、イー・アクセス 代表取締役副社長兼CFOのエリック・ガン氏から説明が行なわれた。同氏は2007年3月期の設備投資について「モバイル事業では、主に東名阪のネットワーク構築に約807億円の投資を行なう」と述べ、モバイル事業のサービス開始初年度から多額の投資を行なっていく方針を明らかにした。2007年3月期では、モバイル事業の赤字の影響から連結予想でも赤字を予定する。


2006年3月期はモバイル事業も計上 2007年3月期では、モバイル事業へ大幅な投資を行なう

HSDPAで2007年3月にサービス開始

イー・アクセス 代表取締役社長兼COOの種野 晴夫氏
 イー・アクセス 代表取締役社長兼COOの種野 晴夫氏については、6月から、現在同氏が兼任しているイー・モバイル 代表取締役社長兼COOのポストに専念することが同日発表された。その同氏はからはモバイル事業の展開について説明が行なわれた。

 これまでも示されてきたように、モバイル事業ではまずHSDPAを利用したパソコン向けデータ通信カードが提供され、サービスが開始される。提供開始時期は2007年3月を予定。その1年後となる2008年3月には、国内外の複数メーカーと開発中というHSDPA対応の音声端末を投入し、音声通話サービスを開始。サービス開始から5年以内にMVNOを含む加入者数で500万契約を目指す。また、現在開発中の端末は全てHSDPA対応であるとしたほか、既存事業者のネットワークへのローミングについても「話し合いは進んでいる」という。

 種野氏は、資金調達に目処がついたことから「今後はネットワークや新しい端末開発などにもフォーカスしていく」と述べるとともに、「通信速度の速さや既存事業者よりも安い料金をメリットにしていきたい」と語った。販売チャネルについては、大手量販店などに加え、MVNOを予定しているISPなどとも連携していくとした。


モバイル事業のスケジュール まずは東名阪を中心に展開

端末ロードマップ。音声端末はハイエンド、ローエンドなど幅を持たせて展開 販売チャネルもISPと連携など独自チャネルも用意


URL
  イー・アクセス
  http://www.eaccess.net/
  イー・モバイル
  http://www.emobile.jp/

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(太田 亮三)
2006/05/11 18:55

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