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発表を行なったKDDI代表取締役社長の小野寺 正氏
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KDDIは、2004年第3四半期の決算発表を行なった。上期のauの好調を維持し、増収増益となった。
第3四半期の連結の営業収益は、前年同期比4.3%増の2兆1,943億1,000万円、営業利益は3.3%増の2,424億7,600万円、経常利益は6.5%増の2,356億3,600万円、当期純利益は24.9%増の1,541億2,300万円となった。上期と同様に、売上げの7割、営業利益の9割を占めるauの好調が固定通信事業の減収を吸収し、増収増益となった。なお、DDIポケットの事業譲渡に伴う特別利益277億円も同期に計上している。
連結ベースの2004年度通期予想は、営業収益が2兆9,140億円と150億円の上方修正を行なったのに対し、営業利益については2,930億円と160億円の下方修正した。同社ではこの理由を、au事業において、運転中の携帯電話の利用に罰則が設けられた改正道路交通法によるARPU(1契約者あたりの月間平均収入)の減少、CDMA 1X WIN端末の拡販およびリテンション対策強化に伴う費用増などを折り込んだためと説明。決算概要の説明を行なったKDDI代表取締役社長の小野寺 正氏は、「微調整と考えてもらいたい」と述べており、通期の予想はあくまで増収増益となることを強調した。
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auの好調が他事業を牽引
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通期の業績見通し
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■ au事業は増収増益
事業別にみると、au事業の第1四半期から第3四半期までの営業収益が前年同期比15.5%増の1兆5,372億円、営業利益が12.9%増の2,139億円億円と増収増益となった。小野寺氏は、「他社の3Gサービスも本格化してきたが、3Gの契約数はトップ」と国内の3Gサービスを牽引していることを印象づけた。
また、通期の設備投資額は、auの通信エリアの拡充などによって、前年同期より2,000億円増加の3,400億円となる見込み。同氏は「今後、前向きな投資については積極的に行なう」としていた。
さらに、auは今後、機種変更時の端末価格についても見直して行く方針だ。「機種変更の端末料金と新規の料金の格差をなくしていきたい。新規をこれまで優遇してきたが、機種変更でもそれなりの価格にしたい」(小野寺氏)と語っており、契約者のつなぎ止め施策を行なう考えを示した。解約率は、対前年同期0.03ポイント改善の1.37%となった。ただし、通期では、この水準より若干解約率が高まるとしている。
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ARPUの推移
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第3四半期の平均ARPUは、前年同期比4%減の7,190円、通期予想では7,170円としている。第4四半期にアクセスチャージの料金が相互に値下がりすることが見込まれ、これを計算に入れた結果だという。
さらに、ARPUの減少は、改正道路交通法が施行された11月以降、影響が顕著に見られるとし、「この落ち込みは仕方ないなと思う。逆にいえばそれだけ車内で使われてきたということ。法律の効果が出ていると見ることもできると思う」と述べた。なお、WIN端末のユーザーが増えればARPUはまだ改善する余地があるという。
WIN端末ついては、12月末で200万契約を突破し、春モデルの投入で2004年度内には320万契約に達するとしている。また、WINユーザーは、パケット通信料の定額オプション「ダブル定額」の契約率が79%と高い水準をキープしているという。データ通信を多く利用するユーザー層が、定額オプションを適用したことで一時的に減収したが、現在はミドル層なども定額オプションを適用するため増加の兆しが見られるとのこと。
このほか、楽曲を1曲丸ごとダウンロードできるサービス「EZ着うたフル」については、好調に推移しているとした。また、同サービスのユーザーはダブル定額の利用率が85%と高く、定額オプションへの呼び水となっているという。同社では今後のWIN端末は全て着うたフルに対応するとしている。
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WIN端末の推移
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着うたフルの利用者はダブル定額の利用率が高い
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■ ツーカーSが販売好調、通期の契約数予想を上方修正
ツーカー事業では、機能をそぎ落としたシニア向け端末「ツーカーS」の販売が好調。2004年11月、12月で純増を記録し、営業収益は1,784億円、営業利益は142億円となった。小野寺氏は、「ツーカーSのほとんどのユーザーが60歳以上。これまで展開していなかった層に届いた」とし、これを受けて通期の契約数の予想を352万人から358万人に上方修正したことなどが発表された。
このほか固定事業は、音声収入が減少したことによって減収減益となっている。ただし、固定部門のグループ再編、12月には新サービス「メタルプラス」の提供などを実施し、今後も固定と移動の双方を提供していくとした。
■ KDDI、プリペイド端末を引き続き提供
質疑応答の中で、800MHz帯の再編問題の話題が挙がると、小野寺氏は「2011年までに総務省と再編を終わらせると約束している。予定通りに我々はやるだけ」とコメント。従来の主張を繰り返した。
また、NTTドコモがプリペイド端末を廃止する方向で動いていることについては、「プリペイドにはプリペイドの良さがある。いろいろ法案審議をやっているが、ユーザー情報をしっかり管理した上でやっていきたい。やめるということはない」とした。
このほか、ツーカーグループについては、従来通り売却の意志はないと語った。
■ URL
KDDI
http://www.kddi.com/
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(津田 啓夢)
2005/01/27 18:56
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