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Sonaptic、901i搭載の3Dサウンド技術を披露
テクニカルディレクターを務めるリチャード・クレモゥー氏
日本法人の代表取締役 新岡 亨氏
Sonapticは、携帯電話のスピーカーで立体的な3Dサウンドを味わえる技術が、近日発売予定のNTTドコモの新機種「N901iC」「F901iC」「D901i」に採用されたと発表した。
同社では9日、都内で説明会を開催し、英国本社でテクニカルディレクターを務めるリチャード・クレモゥー氏や、日本法人の代表取締役 新岡 亨氏が出席し、本技術の概要を説明した。
NTTドコモが11月に発表した「901iシリーズ」では、3Dサウンドが特徴の1つに挙げられている。同シリーズは、5機種がラインナップされているが、このうち3機種にSonapticの3Dサウンド技術が用いられている。
今回901iシリーズ3機種に搭載されるのは、「Music3D」「Game3D」と呼ばれる2種類の技術。「Music3D」は、携帯電話での音楽再生や、スピーカー出力、ヘッドフォン出力の際に立体的な音響表現を実現できるもの。一方、「Game3D」はゲームアプリでの効果音やBGMに対して3Dサウンドを実現する。
プレゼンテーションを行なった新岡氏によれば、もともとSonapticは、録音など音を扱う技術のノウハウを持っていた企業の経営者が2002年に設立したもので、携帯機器にターゲットを絞った3Dサウンド技術に注力してきたという。同社では、耳が音を拾う仕組みや、リスナーと音源との距離や角度、あるいは室内など空間での反響の仕方などについて研究を積み重ねており、「右斜め後方から聞こえる音」や「通り過ぎていく車のエンジン音」といった音の再現技術を確立している。3Dサウンド対応のデータを作成する際は、立体的に聞こえるよう、音の位相や距離を仮想的に設定して、よりリアルな音に仕上げている。
携帯電話で立体的な音響表現を実現できる「Music3D」
ゲームアプリでの効果音やBGMに対して3Dサウンドを実現する「Game3D」
音の聞こえ方、伝わり方に対して研究を積み重ねている
同社エンジンは、3Dサウンドを実現する技術を実装している
一般的に、複数のスピーカーが設置された映画館のような空間であれば、比較的シンプルに立体的な音響を再現できる。しかし、携帯電話に搭載する場合、スピーカーを2つ搭載したとしても、各スピーカー間の距離が近くなってしまい、本来であれば右耳に聞こえるはずの音が左耳にも届いてしまうという現象が起こり得る。そこで同社では、携帯電話向け技術においてクロストークキャンセリング技術を用いており、不必要な音を打ち消している。
また、新岡氏は「あらかじめ作り込まれた(プリプロセスの)音データであれば、作り手が全ての条件、要素を設定することになる。当社の技術は、リアルタイムに音をどう動かすか、鳴らしていくか、制御できるもので、処理エンジンが必須」と説明。パソコンなどに比べて馬力で劣る携帯電話でも、スムーズに3Dサウンドを処理できるほど、同社の3Dサウンドエンジンは軽量化されているという。ドコモからはリアルタイムに2チャンネルの音を制御できるというスペックが求められていたが、同社エンジンは、テキサスインスツルメンツのOMAPプロセッサであれば約10%のリソースを消費する程度で、最大8チャンネルの音を扱える。
同社はローム、およびヤマハに対してライセンスを供与しており、機種によっては、エンジン全てをソフトウェアとして搭載する機種もあれば、一部エンジンを半導体(DSP)側に組み込んで、ハードウェアとソフトウェアによって3Dサウンドを実現している機種もある。この違いは、3Dサウンドそのものに関係せず、端末メーカーの設計思想によるものだという。
クロストークキャンセリング技術を採用
音の距離感や位置も再現
また新岡氏は、携帯電話での3Dサウンド実現では、スピーカー設計も重要と指摘した。スピーカーの位置や形状は、3Dサウンドデータの作成に欠かせない要素であり、同社では側面へのスピーカー配置を推奨している。具体的にどの機種かは明かされなかったが、3機種のうち、一部の機種は同社もスピーカー設計に協力している。
波形を緻密にコントロールすることで3Dサウンドを実現しているとも言える同社の技術だが、着信メロディは波形を再生するのではなく、楽譜データを演奏する形態だ。従って、今回901iシリーズでは、着信メロディの規格がバージョンアップしており、音の位置情報を追加できるようになっている。同社ではコンテンツプロバイダを対象にした、3Dサウンド対応着信メロディの作成ツールも用意している。
今後の展開について、クレモゥー氏は「英ボーダフォンと話を進めている」ことを明らかにしたほか、携帯型音楽プレーヤーへの搭載についても進捗している案件があるとした。
携帯での3Dサウンドを実現するマイクロスピーカー技術を開発。デモも披露した
この隙間から音が発せられる
5チャンネル分の音データを含むiモーションの再生デモ。ヘッドフォンを使えばF900iでも3Dサウンドを体験できた
同社が提供するオーサリングツールでは、音の位相、距離を視覚的に表現し、手軽に調節できる
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URL
Sonaptic(英文)
http://www.sonaptic.com/
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(関口 聖)
2004/12/09 17:15
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