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連続表示時間が延びたVGAザウルス「SL-C750」「SL-C760」

左:「SL-C750」/右:「SL-C760」
 シャープは、VGAサイズが表示できるLinuxザウルス「SL-C700」の後継機となる「SL-C750」「SL-C760」を発表した。「SL-C750」は5月24日、「SL-C760」は6月21日に発売される。価格はともにオープンプライスとなるが、店頭価格は「SL-C750」が60,000円前後、「SL-C760」が70,000円前後になる見込み。これに伴なって16日、都内で発表会が行なわれた。

 「SL-C750」「SL-C760」は、Linux OSを搭載したVGAサイズの表示が可能なPDA端末。昨年12月に発売された「SL-C700」の後継機となる。CGシリコン技術を用いた640×480ドット、65,536色表示が可能な透過型システム液晶を搭載している。SL-C700と同様に、キーボードを使ったインプットスタイルと、ヒンジ部分から回転させて折りたたむことで一般的なPDAのスタイルに変形させることが可能。キーボードの配置ややCFカードスロットやSDカードスロットなどの構成に大きな変化はないが、「SL-C750」のボディカラーはブラック、「SL-C760」がホワイトとなる。


「SL-C700」の筐体デザインとほぼ変わらない。キーなどの配列も同じ 「SL-C750」(左)のボディカラーはブラック。ピアノ塗装のような光沢がある。「SL-C760」(右)は、光沢のあるホワイトのボディ

右の「SL-C760」の方がバッテリーの分だけ厚みがある 「SL-C760」(右)の底面部にはカバーが装着される。なお、現在装着されているのは、「SL-C750」向けのオプション品のカバー。「SL-C760」向けのものはボディカラーと同じホワイトになる

インプットスタイルからビュースタイルへ切り替えた場合も、従来よりも早くなった印象 「SL-C700」よりもヒンジ部分の強度も高められている

 搭載されるCPUは、従来のIntel XScale(PXA250 400MHz)からIntel XScale(PXA 255 400MHz)に改善され、SDRAMも32MBから64MBへと変更された。また「SL-C760」では、フラッシュメモリーも128MBに増強されており、約8時間30分の連続表示が可能な大容量バッテリーも搭載されている。「SL-C760」には、このバッテリーのためのカバーが底面部分を覆うように取り付けられ、その分「SL-C750」より厚くなっている。なお、「SL-C750」でもオプションで大容量バッテリーに対応。オプション品には、バッテリーカバーも付属している。

 「SL-C760」ではこのほか、学習研究社(学研)の国語・英和・和英・カタカナ語・漢字の5冊の電子辞書が搭載されている。このため、フラッシュメモリのユーザーエリアは65MBとなる。

 シャープによればCPUやメモリの強化に伴なって、アプリケーションの起動速度なども「SL-C700」より約2倍速くなっているという。WordやExcelとの互換ソフトも用意され、ブラウザなども高速化されている。また、従来800KBまでの制限があったメール添付ファイルの受信制限も2MBと大きくなった。「SL-C700」でオプション販売されていたプレゼンテーションソフトが標準搭載され、対応のCFカード接続機器を利用することで、SVGAサイズの出力やペンでのポインター機能が利用できる。また、Java実行環境も用意されており、ユーザーからの要望が多かったため、カレンダー機能にToDoも追加された。


バッテリーのカバーはスライドさせて取り付ける。カチっとはまる 大容量バッテリーは端末からはみ出してしまう

「SL-C700」(左)と「SL-C750」(右)。「SL-C750」は開発途中のもの 従来のバッテリー(左)と大容量バッテリー(右)

「SL-C760」に搭載される電子辞書 カレンダーでToDoを表示

プレゼンテーション機能が標準搭載 ザウルスのExcelファイルのデータをパソコンで表示

 通信環境によって、CFタイプのPHSや無線LANカードなどを装着するだけで、自動的にカードを判別して接続先を変更することが可能。サン電子のマルチファンクション通信CFカードを利用することで、携帯電話やFOMA端末で通信を行なうことも可能となっている。なお、NTTドコモの@FreeDもサポートしている。また、VPN(IPsec)に対応し、社内イントラネットやメールにアクセスすることもできる。

 このほか、MPEG-4の再生が可能な動画再生ソフト「Movie Player」も搭載。パーソナルサーバー「ガリレオ」や液晶テレビ「AQUOS(アクオス)」などで録画したテレビ番組などをSDカードに保存して、ザウルスで楽しむことが可能。MPEG-4は、一般的な規格であれば再生できるという。また、MP3形式の音楽ファイルが再生できる「Music Player」も用意される。

 従来の「SL-C700」では、バッテリーを外してリセットしてしまうと、バッテリーを再び取り付けて再起動するために2分以上待たなければならなかった。「SL-C750」「SL-C760」ではこれを1分程度に短縮し、付属のアダプターを取り付けて電池交換すれば、リセットすることなく、電池交換することも可能にした。

 パソコンとの連携機能では、従来通りパソコン画面に表示されている情報をワンボタンでザウルスに取り込むことが可能な「ザウルスショット」も利用可能。WindowsパソコンとUSBケーブルで接続するとザウルスを外部メモリーのように使うこともできる。

 「SL-C750」に付属するバッテリーは「SL-C700」と同様のもので、連続表示時間は約5時間。大きさは約120×83×18.6mm(幅×奥行×高、突起部除く、高さは最薄部)で、重さが約225g。「SL-C760」の大きさは、高さが約23.2mmとなる以外は「SL-C750」と同様となる。重さは約250g。

 なお大容量リチウムイオン充電池は、バッテリーのカバーとセットで10,000円。カバーの色は、「Sl-C750」と同様にブラックとなる。


インプットスタイルでサンプル動画を再生 再生中にビュースタイルに切り替えても動画はそのまま再生される

「SL-C750」では、「SL-C700」用のケースが利用できる。ただし、大容量バッテリーを装着した場合は利用できない 「SL-C700」向けの材質にアルミを採用したケースは、人気があるため現在品切れ中だという。「SL-C760」向けのケースを現在開発しているとのことだが、アルミケースが発売されるかどうか未定とのこと

シャープ中村氏、「ユーザーが多くのアイデアを注げるようにしていく」

シャープ 情報システム事業本部 パソコン・モバイル事業部 事業部長の中村眞氏
 シャープでは今年2月、PDA含めたパソコン事業と携帯電話事業を統合し、パソコン・モバイル事業部を開設。発表会では、情報システム事業本部 パソコン・モバイル事業部事業部長の中村眞氏がザウルスの今後の事業展開などを説明した。

 中村氏によれば、「“いつでも・どこでも・誰とでも”のユビキタスの考え方に加え、家電で培われたアプライアンスを技術を用いたユビキタスアプライアンスを提唱して行きたい」という。また、「Linux OSを搭載するなどオープン性を重視し、ユーザーができるだけ多くのアイデアを注げるようにしていく」としている。

 加えて、同事業部 商品企画部副参事の大北雄一氏は、今回のラインナップで動作性が向上したことによって「さっと取り出してさっと使うPDA本来の使い方ができる」と語った。動画再生機能については、HDDなどで録画した映像をSDに取り込んで移動中の空いた時間にザウルスで再生させるといった利用方法も示した。また同氏は「様々な機器の連携がユビキタスにつながると考えている」とも述べた。

 同社では「SL-C700」のアップデートに関して、今回のラインナップとはハードウェアが異なっていると前置きして「できる限り行ないたい」と語る。中村氏によれば「ザウルスのアップデートサービスを強化し、ユーザーにより長く使ってもらえるようにしたい」という。同社では2002年度、PDA端末で20%前後のシェアと持つと予測、2003年度は30%を目指していきたいとしている。


パソコンやPDAなどの事業が統合された 「SL-C700」の良さを踏襲するだけでなく、さらにブラッシュアップさせたという

CPUなどのスペックアップにより動作性や操作感が向上した プレゼンテーション機能が標準搭載

QVGAサイズのMPEG-4形式の動画ファイルがフルサイズで表示できる 電子書籍やGPSを使った地図情報サービスなど


URL
  ニュースリリース
  http://www.sharp.co.jp/corporate/news/030516.html

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(津田 啓夢)
2003/05/16 17:58

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