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鷹山、定額64kbpsデータ通信サービス実験を実施
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鷹山 代表取締役社長 高取 直氏
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鷹山は、都内ホテルにおいて新事業内容発表会を開催し、代表取締役社長の高取 直氏をはじめ、同社の役員が列席して、2002年第3四半期以降に行なわれる各プロジェクトについての説明を行なった。
8月1日より同社子会社による運営となったアステル東京を通じた各種サービスや、これまで発表されている無線LANを含めたデータ通信実験、IP電話などについて概要が語られる内容となった。
キーワードは「ワンユニット、ワンプライス」
まず高取社長から、同社が抱く今後の活動における理念、および予定している各サービスの概要とスケジュールが述べられた。データ通信分野では「EVERYTIME」「EVERYWHERE」「EVERYBODY」「EASY ACCESS」の4キーワードを実現すべく、「ワンユニット」でのサービス提供を行ない、音声通信では定額制IP電話サービスを目指して「ワンプライス」でのキャリングフォンを提供していき、鷹山が「ワイヤレスIPサービスオペレーター」として展開していくと語った。
次に、既存のアステルPHS網のバックボーンを、電力グループと提携することにより、ISDNから光ケーブルへと変更した上で、全てIP化すると述べ、ページャー(ポケットベル)の280MHz帯、PHSの1.9GHz帯、無線LANの2.4GHz帯の全てを複合的に活用したサービス提供を行なうと語った。具体的には、定額音声通話サービス「キャリングフォンサービス」の導入や、家庭などにおけるIP電話導入のためのアダプター「Web Distributor」や、スカイウェイブと提携して行なう国際IP電話サービスを挙げた。
このほか、実験サービスとして定額での64kbps通信サービスや最大2Mbpsでの通信が可能な屋外無線LANサービス「Bit Stand」などに触れた。
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「ワンユニット、ワンプライス」で「ワイヤレスIPサービスオペレーター」を目指す
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鷹山から今後提供される各種サービス
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新サービスにより加入者の大幅増を予測
続いて同社役員が登場し、今後の業績予想を述べた。2002年度3月期はアステル買収による支援金の取得で約30億円の黒字となるものの、2004年度3月期には約35億円の赤字とした上で、2005年3月期には約14億円の黒字に転化すると強気の数字を示した。その根拠としてIP化や光ケーブル導入による経費削減を挙げたほか、アステル東京加入者数が、新サービスによって2002年7月の23万4000契約から、2005年3月期には53万9000契約に伸びるとの見通しを挙げ、最近のアステル東京の加入者数減少が鈍化しているとも述べた。
このほか、マジックメールで提供しているページャー事業においても、「D-FAX」が牽引役となって2002年3月期の加入者数14万9000契約から、2002年7月期には19万5000契約に伸びていることを明らかにした。
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新サービスにより大幅な加入者増を見込んでいる
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ページャー事業では「D-FAX」が牽引し、4カ月でユーザーが5万人増
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定額64kbpsデータ通信サービス実験も
今後提供を予定している各種サービスでは、アステル東京の加入者向けに「定額音声通話サービス」のキャンペーン導入を行ない、加入者増をはかっていくほか、今秋に市場投入が予定されているIP電話アダプター「Web Distributor」が事業者やタイプを問わずにADSLやCATVと接続できる点を強調した。
また実験サービスとして23日に発表された「Bit Stand」では、ページャーにワンタイムパスワードを発行するなどの概要が述べられたほか、64kbpsの定額データ通信サービス実験を明らかにした。東京都板橋区の東武東上線・東武練馬駅周辺で、10月下旬から約3カ月間実施されるもので、約300人のモニターが募集される。
マジックメールでは、独立行政法人である通信総合研究所(CRL)が東京都小金井市で今秋実施する地域情報配信システムに、専用端末を提供することも発表された。こちらでは電子回覧版や災害時の緊急連絡網としてフィールドテストが行なわれることになっている。
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64kbps実験サービスは、東武練馬駅を中心に実施される
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モバイルではなく「キャリングフォン」
最後に質疑応答が行なわれ、IPフォンの番号には「070~」の番号が振られる予定であることや、メインターゲット層がPDAやノートパソコンのユーザーであることが述べられたほか、データ通信について高取社長は「モバイルデータ通信と競争するつもりはない」と既存のデータ通信サービスと一線を画したサービスであることを強調するとともに、写メールのようなサービスの提供も考えていると述べた。
また料金体系に話が及ぶと、インサイダー取引の防止や価格競争のターゲットとなることを避けるなどを理由に、具体的な数値の公表は頑なに拒否。しかし、DDIポケットのサービス価格を例に挙げ、「ユーザーにとって高すぎず、かといって自らの首を絞めない」価格帯であることを示唆した。
このほか、「他地域のアステルとは連携するのか」という質問に対しては「当然、東京だけではない」としながらも、具体的な内容は明かさず、10月頃に発表できるだろうとの見通しが述べられた。
PHS網のバックボーンに光ケーブルを導入する点については、かなりの額が投資されるとし、基地局の出力が現在の20ミリワットから400ミリワットに変更され、基地局の数も大きく減少する予定であることも明らかにされた。
各種サービスのデモ
会場では、各種サービスのデモも用意され、「Web Distributor」やキャリングフォンとしてミヨシ電子製「AX-W1」を使ったIPフォン環境が展示されていたが、これまで鷹山が公表していたPDA型端末やデータ通信カードなどは展示されていなかった。
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「Bit Stand」ではページャーにワンタイムパスワードが送信される
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「Bit Stand」で使用される機器
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「Web Distributor」(右)から親機、そして子機としてPHS端末が使われる
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小金井市の実験で使用されるページャー技術を応用した専用端末
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・ 鷹山
http://www.yozan.co.jp/
・ 通信総合研究所 地域情報配信サービス プレスリリース
http://www2.crl.go.jp/pub/whatsnew/press/020730/020730.html
・ 鷹山、公衆無線LANサービス「Bit Stand」の試験サービス
・ 鷹山とスカイウェイブ、今年10月から国際IP電話サービスを開始
・ 「アステル東京」が営業開始、10月には鷹山とマジックメールが合併
・ 東京電話アステルが「アステル東京」に
・ 鷹山・高取社長「IP電話は持ち歩ける公衆電話」
・ 鷹山、今秋開始のIP電話サービスにはPDAタイプの端末も
・ 鷹山、PHS・無線LAN・ページャーを組み合わせたIP電話サービス
(関口 聖)
2002/08/26 20:00
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