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「ケータイ捜査官7」連動の「フォンブレイバー 815T PB」
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows Vista」「できるポケット LISMOですぐに音楽が楽しめる本」(インプレスジャパン)、「お父さんのための携帯電話ABC」(NHK出版)など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。asahi.comでも連載執筆中


 今年4月からテレビ東京系列で放送が開始されたテレビ番組「ケータイ捜査官7(セブン)」。番組に登場するケータイを再現した端末「フォンブレイバー 815T PB」がソフトバンクから発売された。筆者も実機を購入したので、番組のことも含め、レポートをお送りしよう。


バディケータイ「フォンブレイバー」

 今さら説明するまでもないが、私たちが生活をしていく上で、ケータイが欠かせない存在となっている。普段からよく触れているように、ケータイは通話やメールを中心としたコミュニケーションツールであると同時に、自分にもっとも身近に存在するデジタルデバイスであり、さまざまなシーンで活用できるからだ。

 多くの人にとって、ケータイが身近で大切な存在になったこともあり、さまざまなメディアでもケータイを扱うケースが増えてきている。テレビドラマや映画などでも登場人物たちを演出する大切な小道具に位置付けられている。

 なかには通話やメールといった一般的なケータイの使い方を超え、フィクションとしてのケータイも描かれるものもある。たとえば、筆者の好みの範疇で言えば、映画「007トゥモロー・ネバー・ダイ」(1997年公開)ではピアース・ブロスナンの演じるジェームス・ボンドが当時のEricsson(現在はSony Ericsson)製端末を使い、指紋をスキャンしたり、スタンガンとして使ったり、BMW 750iLをリモートドライブで運転するなど、スパイグッズらしい活用を見せた。その一方で、かつてコンピュータが登場し始めた頃のように、ケータイが小道具ではなく、擬人化したツールのようにも描かれた作品もある。昨年、公開された映画「トランスフォーマー」では、NOKIA N93iがロボットにトランスフォームする(変身する)シーンがあった。


ソフトバンクモバイルの東芝製3G端末「フォンブレイバー 815T PB」、サイズ:50×102×16mm(幅×高×厚)、107g。X07シルバー(写真)、X01ブラックをラインアップ
 今回紹介するソフトバンクの東芝製端末「フォンブレイバー 815T PB」は、今年4月からテレビ東京系列で放送が開始されたテレビ番組「ケータイ捜査官7(セブン)」に登場するケータイを再現したものだ。型番からもわかるように、端末のベースになっているのは、「SNOOPY」や「HELLO KITTY」をはじめ、ソフトバンクのラインアップにおいて、多くのコラボレーションモデルを展開する「fanfun. SoftBank 815T」であり、これにフォンブレイバーパーツキットがセットされた構成となっている。ちなみに、フォンブレイバーパーツキットは、玩具の企画・開発などを行なう株式会社ウィズが製造を担当している。

 ケータイ捜査官7に登場するケータイも小道具ではなく、意思を持つロボット型ケータイとして描かれている。「これが明日のリアル」という番組キャッチコピーからもわかるように、ごく近い将来に起こり得る世界がドラマの舞台となっている。

 ドラマの設定を少し簡単に説明しておくと、サイバー犯罪から人々の生活を守るために作られた「アンダーアンカー」と呼ばれる秘密機関があり、そこに所属するエージェント、ともに戦うケータイ「フォンブレイバー」、闘いに巻き込まれ、エージェント研修生として加わる主人公の高校生「網島ケイタ」がくり広げるドラマを描く内容となっている。


パッケージにはフォンブレイバー815T PBの端末(右)、フォンブレイバーパーツ(左)が別々に梱包される。化粧箱の専用パッケージ(奧)が用意され、それぞれのパッケージがまとめられる 手足が細めなので、ちょっと不安だが、フォンブレイバーパーツを装着すれば、こんな感じで立たせることもできる
パッケージにはフォンブレイバー815T PBの端末(右)、フォンブレイバーパーツ(左)が別々に梱包される。化粧箱の専用パッケージ(奧)が用意され、それぞれのパッケージがまとめられる 手足が細めなので、ちょっと不安だが、フォンブレイバーパーツを装着すれば、こんな感じで立たせることもできる

2月27日の会見では、出演者と三池監督(一番左)が登場した

2月27日の会見では、出演者と三池監督(一番左)が登場した
 フォンブレイバーはネットワーク犯罪やサイバー犯罪に対抗するために作られたツールで、エージェントとのコミュニケーションを目的とした人工知能とロボットを組み合わせて開発された高機能携帯型コミュニケーターと位置付けられている。単純に、エージェントが持つケータイということではなく、エージェントのバディ(相棒)として、ともに事件解決に取り組んでいく。ドラマ内では、フォンブレイバーはパソコンをはじめ、さまざまな電子機器をリモートでコントロールして、犯罪などに使われたプログラムを制圧するといった活動をする。ただ、その作業をする際、他の行動ができなくなってしまうため、エージェントが犯罪者の動きを封じるなど、フォンブレイバーの安全を確保するといった連携行動を取る。

 主人公であるケイタがバディとなるフォンブレイバーは、最新型の「セブン」であり、815T PBのカラーバリエーションのX07シルバーはこのセブンを再現したものとなっている。815T PBのもうひとつのボディカラーであるX01ブラックは、フォンブレイバーの初号機である「ゼロワン」を再現したものだ。ゼロワンはアンダーアンカーを離脱し、犯罪を企てる人間に協力するヒール(悪役)的な存在となっている。番組ではこの他にもブルーのボディカラーの「サード」と呼ばれるフォンブレイバー3号機が登場するが、こちらは今のところ、ソフトバンクの端末として、ラインアップされていない。

 番組は、毎週水曜19時の枠で4月2日から放送が開始され、大型連休中の休みを挟んで、すでに6回が放送されている。内容に関しては詳しく触れないが、VFXを駆使した映像やリアルな演出など、充実した内容となっている。セブンやゼロワン、サードが歩いたり、走ったりするなど、少しコミカルで笑ってしまうシーンがあるかと思えば、ちょっと力の入ったカッコいいシーンもあったりして、毎回、見応えのある内容を楽しむことができる。ちなみに、現在、すでに放送されたものについては、ダイジェストの一部がYahoo!動画で公開されているほか、8月22日にはDVDとBlu-rayのタイトルの第一巻も発売される予定だ。


ドラマのようにはいかないが……

メニュー画面もアンダーアンカーのロゴが使われたものがプリインストールされている

メニュー画面もアンダーアンカーのロゴが使われたものがプリインストールされている
 さて、番組の説明はこれくらいにして、フォンブレイバー 815T PBの内容について、少し解説しよう。

 前述のように、基本的な端末としての仕様は、すでに販売されている815Tに同じだが、セブンやゼロワンの形を再現するフォンブレイバーパーツが装着され、内蔵のアプリや壁紙、着信音なども番組の内容を反映したオリジナルのものがプリインストールされている。ベースとなった815Tは、最近の端末としてはスタンダードな厚さ16mmに抑えられているが、815T PBにフォンブレイバーパーツが装着された状態はその倍の32mmになってしまうため、実際の持ち歩きには少し抵抗がある。


フォンブレイバーパーツが装着された状態では、通常の815Tの約2倍程度の厚さになってしまう フォンブレイバーパーツは手足が折りたたまれた状態で、本体の背面に装着される
フォンブレイバーパーツが装着された状態では、通常の815Tの約2倍程度の厚さになってしまう フォンブレイバーパーツは手足が折りたたまれた状態で、本体の背面に装着される

 ケータイとロボットの変形手順はやや複雑で戸惑うが、フォンブレイバーパーツの取扱説明書に写真入りで図解されているので、最初の内はそれを参照しながら、変形させていくのが確実だ。ちなみに、少し無粋な話になるが、厳密に言えば、815T PBにフォンブレイバーパーツを装着した状態で利用するときは、端末をオフラインモードに切り替える必要があり、取扱説明書にもその旨が明記されている。フォンブレイバーパーツが装着された状態の815T PBは、JATE(財団法人電気通信端末機器審査協会)やTELEC(財団法人テレコムエンジニアリングセンター)などの技術適合基準を受けた815Tとはボディサイズをはじめとする仕様が変わってしまうためだ。サイズ的にも大きくなるので、普段は通常の電池カバーを装着して持ち歩き、フォンブレイバーとして活用するとき(?)は、フォンブレイバーパーツを装着するという使い方が適切といえるかもしれない。


待受アプリとして設定する「バディトーク」。登録した名前で話しかけてくる。基本的には文字のみでのコミュニケーションになる ゼロワンの豊かな表情もバディトークのリアリティを演出している。表情のバリエーションもかなり豊富なようだ
待受アプリとして設定する「バディトーク」。登録した名前で話しかけてくる。基本的には文字のみでのコミュニケーションになる ゼロワンの豊かな表情もバディトークのリアリティを演出している。表情のバリエーションもかなり豊富なようだ

 フォンブレイバー 815T PBが再現しているのは、外見だけではない。「バディトーク」と呼ばれるS!アプリがプリインストールされており、待受アプリに設定することで、端末の待機中などに、セブンとの会話を楽しむことができる。ただ、会話と言っても番組のように、端末が音声でしゃべるわけではなく、セブンが画面にテキスト表示で話しかけてきて、それに決定ボタンやソフトキーでユーザーが返答するといったしくみになっている。テキストだけではあるものの、話の内容はサーバーからデータをダウンロードしているため、現在、話題になっていることが話される。リアクションも豊富で、深夜に端末を開いたら「就寝中」と表示されていたといったこともある。限られた条件の中でもなかなか凝ったアプリとなっている。


バディトークには別途、メニュー画面が用意されており、他のアプリを起動したり、オリジナルのスケジュールを呼び出すことができる

バディトークには別途、メニュー画面が用意されており、他のアプリを起動したり、オリジナルのスケジュールを呼び出すことができる
 このバディトークは出荷後、すでにバージョンアップしており、現在はVer.1.1が公開されている。旧バージョンを利用しているユーザーは、S!アプリライブラリからバディトークのみを削除し、公式サイトから最新版をダウンロードすれば、名前などのデータも引き継ぐことができる。

 ところで、プリインストールされているバディトークは、セブンの語り口や表現を再現したものだが、番組には前述のように、ゼロワンやサードといったフォンブレイバーが登場する。これらのフォンブレイバーはセブンとはまた違った性格や語り口を持っている。そのため、待受の壁紙などはサードのキャラクターなのに、バディトークはセブンという違和感のある環境ができてしまう。ブラックのゼロワンも同様だ。そこで、ケータイ捜査官7の公式サイトではまず、サードのキャラクターを反映させたバディトークを追加の無料アプリとして、提供することがアナウンスされている。ゼロワン版のバディトークについても今秋以降をメドに、提供の検討が進められているようだ。個人的には、ゼロワン版のバディトークをぜひ体験してみたいところだ(笑)。

 バディトークについてはゼロワンとの会話以外に、他の関連アプリの起動、エージェントとしてのトレーニング(記憶ゲーム)、本体のものと連動したアドレス帳、エージェントとしてのイベントも組み込まれたスケジュールなどの機能が用意されている。


番組に連動して楽しめるRPG「モバイルストーリー」 迷路のような街を捜査し、出会った敵を「制圧」していく展開
番組に連動して楽しめるRPG「モバイルストーリー」 迷路のような街を捜査し、出会った敵を「制圧」していく展開

 バディトークから起動することができる関連アプリとしては、全国のユーザーとネットワーク対戦ができる「ブレイブバトラー」、ステージクリア式のアクションゲーム「ブレイブランナー」、カードバトル型R.P.G.の「モバイルストーリー」を楽しむことができる。モバイルストーリーは番組に合わせて内容が更新される予定で、現在、提供されている「MobileStory01」ではアンダーアンカーのエージェントとなり、セブンとともに街に出て、さまざまな機器とカードバトルで闘いながら、迷路のような街を進んでいくという構成だ。ダンジョンタイプのロールプレイングゲーム(RPG)に近い感覚のゲームで、あまりゲームになじみのないユーザーにも楽しめそうだ。


「ケータイ捜査官7」の世界にハマりたいなら買い

 ケータイ捜査官7の世界とフォンブレイバー 815T PBについて、簡単に紹介してきたが、最後に「買い」のポイントについて、考えてみよう。ここ数年、ケータイはカメラやワンセグなど、さまざまな面で高機能化が進んできたが、最近では「もう機能的には横並びでは?」といった声も聞かれることが増えてきている。しかし、ケータイという持ち物は、単純に機能だけで語れるものではない。たとえば、デザインもひとつの楽しみだろうし、カラーもひとつの個性だ。

 今回紹介したフォンブレイバー 815T PBは、ケータイ捜査官7に登場するフォンブレイバーを再現した端末であり、これも今までのケータイにはなかった強い個性を表現したものと言えるだろう。実際にはノーマルの815Tに比べ、フォンブレイバーパーツを付けた状態で2倍近く分厚かったり、ロボットに変身させるのに背面の手足をひとつずつ伸ばさなければならないなど、もどかしさや扱いにくさもある。スペックもごくスタンダードなレベルで、ハイエンド端末のような目立つ要素もそれほど多くない。


「私の名はセブン、ソフトバンクから発売中!」こんなポーズを見せられたら、思わず欲しくなってしまう(笑)?

「私の名はセブン、ソフトバンクから発売中!」こんなポーズを見せられたら、思わず欲しくなってしまう(笑)?
 しかし、この端末にはそういった要素を補って余りある魅力がある。特に、端末の持つ存在感とインパクトは強烈で、知人や仕事仲間に見せると、男女を問わずに、しばらく手足を動かしたり、画面を見たりするなど、かなり楽しそうな反応を見せる。なかには端末を見て、翌週の放送から番組を見始めたという知人も居るくらいだ。

 また、フォンブレイバー 815T PBは他のキャラクターとのコラボレーション端末と違い、番組と連動しながら、新しい要素がアプリで体験できるという期待感もある。アプリの仕様としての限度もあるため、どこまで楽しめるのかはまだ未知数だが、少なくとも放送が予定されている来春までは、いろいろな話題を提供してくれることになりそうだ。

 こうしたテレビや映画などと連携した企画モノの商品は、最終的にはそのコンテンツをどれだけ気に入るのかで、「買い」の判断を左右することになる。もし、すでにケータイ捜査官7にハマっていて、「オレもセブンが欲しいぜ!」と考えるのなら、フォンブレイバー 815T PBは、ぜひ一度、体験して欲しい端末だ。ケータイに対する捉え方は人によってさまざまだが、一度くらいはこうした遊びゴコロのある端末を楽しんでみるのも面白いかもしれない。もちろん、番組についてもぜひ一度、見てみることをおすすめしたい。



URL
  ニュースリリース(ソフトバンク)
  http://www.softbankmobile.co.jp/ja/news/press/2008/20080227_01/
  「フォンブレイバー 815T PB」製品情報(ソフトバンク)
  http://mb.softbank.jp/mb/product/3G/815t_pb/
  「フォンブレイバー 815T PB」スペシャルサイト(ソフトバンク)
  http://mb.softbank.jp/mb/special/k-tai7/
  「ケータイ捜査官7」番組ページ(テレビ東京)
  http://www.tv-tokyo.co.jp/k-tai7/
  「ケータイ捜査官7」番組公式サイト(テレビ東京・あにてれ)
  http://ani.tv/k-tai7/
  「ケータイ捜査官7」バディサイト
  http://k-tai7.jp/
  ズームアップ特集「ケータイ捜査官7(セブン)」(Yahoo!動画)
  http://yahoo.tv-bank.com/k_tai7/

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(法林岳之)
2008/05/16 18:51

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