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ワンセグ&音楽でライフスタイルを提案するauの夏モデル
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows Vista」「できるポケット LISMOですぐに音楽が楽しめる本」(インプレスジャパン)、「お父さんのための携帯電話ABC」(NHK出版)など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。。


充実のラインアップ15機種を発表

 auは5月22日、2007年夏モデルとしてCDMA 1X WIN端末12機種とCDMA 1X端末3機種の合計15機種を発表し、合わせてGPSを利用した新サービスなども発表した。昨年のMNP開始以来、好調ぶりが伝えられているauだが、その背景にはここ数年、着実に積み重ねてきたサービスや端末に対する市場の評価があると言われている。MNP開始直後の第1ラウンド、春商戦の第2ラウンドは、無事に勝ち抜くことができたが、今後、どのように戦っていくのかが注目される状況にある。

 auは昨年秋のMNP開始商戦時に12機種、2007年春モデルとして10機種を発表したのに対し、今回はそれらを上回る15機種を発表している。数ばかりが増えているようにも受け取られそうだが、個々のラインアップを見てみると、ユーザーのニーズをくみ、うまくラインアップを構成していることがわかる。



 ラインナップ全体で特徴的なのは、ワンセグ対応端末が7機種と充実していることが挙げられる。auでは一昨年に初のワンセグ対応端末として、一昨年にW33SAを発表して以降、昨年は4機種、今年の春モデルでは9機種を投入してきたが、今回はさらに7機種を投入し、通算のモデル数も21機種に達する。ワンセグ対応端末については、ソフトバンクやNTTドコモでも好調な売れ行きを示しているが、両社向けともAQUOSケータイの独り勝ちに近い状況が続いている。これに対し、au向けでは昨年のW41HやW43H、今年春商戦のW51CAといった具合いに、発売されたいくつかのモデルが入れ替わるような形で好調な売れ行きを記録している。これは他社と違い、auの端末ラインアップがほぼシーズンごとに入れ替わることも関係しているが、選択肢が豊富であることは、ユーザーにとっても魅力的なポイントだ。


「ウォータープルーフ・ワンセグ」のW52CA
 今回のワンセグ対応端末では、大きく分けて、3つのグループが提案されている。1つめはW53SAとW52CAの「ウォータープルーフ・ワンセグ」、2つめがW52SH、W53T、W52SAの「スリム・ワンセグ」、そして3つめがハイエンドに位置付けられるW54TとW52Hの「ハイパフォーマンス・ワンセグ」だ。

 ウォータープルーフ・ワンセグは日常生活での防水を意識したもので、キッチンや洗面所などの水回りに加え、お風呂での利用などを提案している。お風呂でのケータイ利用については従来からニーズが高いと言われており、特に女性は半身浴などで長く入浴することが多いため、そこで入浴中にワンセグを視聴したり、メールやコンテンツ閲覧などを利用してもらおうという考えだ。ちなみに、両機種ともIPX5/IPX7相当の防水相当の性能を持つが、IPX5/IPX7はいずれも常温の水道水での利用を前提としており、本来、「お湯につける」「お湯をかける」といったことまでは想定されていない。そのため、auとしては「IPX5/IPX7という規格ではお湯での利用を保証できないが、そういう利用シーンを想定して開発した」としている。とは言うものの、お風呂でのテレビ視聴は従来から高いニーズがあり、そこにフィットする提案はユーザーとしてもうれしいところだ。

 スリムワンセグについては、「ワンセグ=分厚い」というイメージに対する回答ということになる。この点についてはソフトバンクも積極的に取り組んでおり、今後、ワンセグが一時期のカメラのように、一般的な標準機能として取り込まれていくのであれば、必須条件ということになるだろう。ちなみに、スリムワンセグの3機種はいずれも薄さ18mm前後に抑えられており、実際に手に持った印象も過去の通常デザインの端末とほぼ遜色ないレベルにまとめられている。

 ハイパフォーマンス・ワンセグについては、その名の通り、ハイスペックのワンセグ対応端末だが、どちらも3インチVGA液晶や連続7時間視聴など、ワンセグをヘビーに使いたいユーザーのニーズに応える端末だ。

 ワンセグ以外の端末ではブランドとのコラボレーションということで、ソニーの「ウォークマン」、カシオのデジタルカメラ「EXILIM」の名を冠したモデルが注目される。どちらもスペック的に、本物にひけを取らないほどのレベルの仕上りとなっている。


ユーザーの用途にあわせた地図情報を提供する「EZガイドマップ」
 また、サービスについては、Standalone GPSとダウンロード型の地図サービス、FeliCaを利用したTouch Messageなどが発表されたが、EZガイドマップは新しい位置情報コンテンツを活かすサービスとして注目される。EZナビウォークやEZ助手席ナビは非常に便利で、ぐるなびなどの他のコンテンツとの連携も増えてきているが、ケータイの電波が届かない場所でのGPSの活用(山など)や専門的なコンテンツのための位置情報(釣りやタウンガイド)はそれぞれを得意とするコンテンツプロバイダが手掛けた方がいいという判断だろう。

 発表会ではプレゼンテーションの後、タッチアンドトライが催され、筆者も実機を触ることができた。今回は従来にも増して、機種数が多いため、すべての機種を十分に試用できたわけではないが、印象なども含め、ファーストインプレッションをお伝えしよう。各機種の詳細な特徴については、発表会の各記事をご参照いただきたい。また、ここでのファーストインプレッションは短時間の試用に基づくものであり、試用した実機も発売前のものなので、実際に市場に投入される段階では、仕様が変更されているかもしれない点はご了承いただきたい。


W53SA

 W52CAと並び、IPX5/IPX7レベルの防水性能を確保したウォータープルーフ・ワンセグケータイ。トップパネルは「マトラッセ」と呼ばれるキルティングのようなデザインを施している。マトラッセはシャネルのバッグなどで採用されていることでも知られる。サイズ的には厚さ20mmに抑えられているが、マトラッセデザインの影響もあり、少し厚く、ふっくらと見えてしまうかもしれない。ワンセグについては録画予約などに加え、視聴中に着信があったとき、自動的に通話中の映像を保存し、通話終了後に追っかけ再生をするタイムシフト再生にも対応する。


W52CA

 CAシリーズは一昨年、昨年とG'zOneシリーズを展開してきたが、そこで培われた防水性能を活かして開発されたのがW52CAだ。G'zOneのような耐衝撃性能はないが、W51CAなどでもおなじみの二軸回転式のボディで防水性能を実現した点は特筆に値する。ボディはW51CAよりも少しエッジを立たせたような印象だが、コンパクトで持ちやすいサイズを実現している。ただ、側面に格納(装着)されるワンセグ用アンテナは少し好みが分かれるかもしれない。ワンセグについてはW53SA同様、タイムシフト再生に対応しており、録画中に音声通話やメールの着信があっても録画を中断せずに利用できる。ダイヤルボタンがW41CAやW51CAよりもフラットになり、少し操作性が変わった印象だ。CAシリーズではおなじみの凝ったグラフィックは新キャラクターの「Bonite(ボニット)」を採用し、W51CAなどで好評のアデリーペンギンもEZケータイアレンジがプリセットされる。ちなみに、Boniteはフランス語で「カツオ」のことで、「カシオ」に引っかけているのかもしれない(笑)。


EXILIMケータイ W53CA

 カシオのデジタルカメラ「EXILIM」の名を冠したモデル。515万画素のCMOSイメージセンサーを採用しており、通常スタイルのカメラ付きケータイでは国内最高峰のスペックということになる。端末としてのサイズはW52CAなどよりもコンパクトで、カメラのレンズ部側から見ると、EXILIMとCASIOのロゴも入っていることから、本物のEXILIMのように見える。レンズは広角28mmを搭載しており、近い距離で広い範囲の撮影が可能になる。余談だが、ご本家のEXILIMには広角28mmに対応したモデルはない。今回試用した端末は開発中ということもあり、実機によって、内容が違ったが、二軸回転式ボディで液晶ディスプレイを反転すると、横向きのメニュー画面が表示され、そこからサイドキーで操作できるようになっていた。カメラ起動時のファインダー画面も9ポイントオートフォーカスが画面上に表示され、デジタルカメラに遜色のないユーザーインターフェイスとなっている。液晶ディスプレイはワイドVGA表示が可能な2.8インチのIPS液晶が採用されており、PCサイトビューアーやPCドキュメントビューアーもワイドVGA表示で利用可能だ。


ウォークマンケータイ W52S

 昨年に引き続いて登場したウォークマンケータイだが、同じスライド式ボディながら、デザインがグラマラスになり、ガラッと変わった印象だ。ボタン部の右側面には「ミュージックキー」と呼ばれるクリアパーツが装備されており、これを押すだけで音楽再生をできるようにしている。音楽再生についてはLISMOとATRAC3形式のMSオーディオの両方に対応しており、シームレスに利用することが可能だ。本体には音楽データやカメラ画像などを保存する2GBのメモリーを内蔵しているが、これとは別にMSオーディオ用に512MBのメモリも搭載されている。おそらく通常スタイルのケータイとしては、国内トップクラスの搭載メモリ容量ということになりそうだ。メモリカードは国内初採用となるメモリースティックマイクロ(M2)とmicroSDカードの両方に対応する。音楽の連続再生時間は最大110時間とかなり長いが、これは省電力技術によって実現されているもので、電池パックは一般的な800mAhクラスのものが採用されている。スライド式ボディの使い勝手は方向キー付近が緩やかな曲線となっているため、あまり段差を意識せずに使えるが、方向キーの上下の押下部分があまり広くないため、指の太さや大きさによっては慣れが必要になりそうだ。


W52P

 大人の女性ユーザーを意識したモデル。W51Pがターゲットとしていた女性ユーザーよりも少し上の年齢層を考えて開発されたという。特徴はトップパネル側に装着できる「+Panel」と呼ばれるクリアなパネルだ。パナソニックと言えば、ドコモ向けでワンプッシュオープンとカスタムジャケットをセールスポイントにしているが、同社製au向け端末では初めての採用になる。ただ、+Panelはカスタムジャケットのような着せかえパネルではなく、金属素材のトップパネルに重ね着するような形で利用することを想定している。ちなみに、サードパーティ製のパネルについては、特に制限を設けない方向で考えているという。内部のグラフィックもかなり凝ったものが用意されており、スタンダードな端末ながら、内容的には充実度の高い端末に仕上がっている。ただ、W51Pよりはユニセックスに近づいたというものの、やはり、これを持てる男性ユーザーは少し限られそうな印象だ。


W54T

 今回発表された端末の中で、もっともハイスペックなモデルのひとつだ。ワンセグとデジタルラジオに対応し、3インチのワイドVGA液晶を搭載しているが、VGA液晶については東芝製ノートPC「Qosmio」、液晶テレビ「REGZA」のノウハウを活かし、人間の記憶色に基づいたチューニングをしているという。今年の春モデルとして登場したW52Tに近いスペックだが、ボディはステンレスキーの採用などにより、少しコンパクトになり、持ちやすくなった印象だ。ただ、ボディデザインがスクエアなため、スライド式ボディの段差が気になるとも言える。ある程度、スライド式に慣れているユーザー向けといった方が差し支えないかもしれない。ワンセグについては予約録画にも対応し、録画した映像を付属のAVケーブルで、テレビに出力することも可能だが、タイムシフト再生には対応しない。また、卓上ホルダは端末を横向きに置くデザインだが、待受画面の横表示には対応してない。


W52H

 昨年、W41H、W43H/IIとワンセグ対応端末に積極的に取り組んできた日立の新しいワンセグ対応端末だ。通常、ケータイの電池パックは600~800mAh程度のものが採用されるが、W52Hには1100mAhの電池パックが採用されており、ワンセグの最大7時間の連続視聴、音楽の約28時間の連続再生を可能にしている。液晶ディスプレイはワイドQVGA表示に対応したIPS液晶が採用されているが、日立の液晶テレビ「Wooo」の映像技術を活かし、屋内外で美しくワンセグを視聴できる環境を整えているという。ディスプレイサイズは2.9インチと大きく、ボディは今年の春モデルとして登場したW51Hにほぼ近い印象だ。


W52SH

 昨年、au向けに端末供給を開始して、第3弾となる端末だ。1号機のW41SHは折りたたみ、2号機のW51SHはサイクロイドと来て、3号機となる今回は二軸回転式を採用している。ワンセグに対応しながら、au向けとしてはもっとも薄い部類に入るほどのコンパクトさにまとめている。W51SHではサイクロイドを回転させることで、ワンセグを起動できたが、今回はメニュー画面からの起動に加え、ダイヤルボタンの長押しで起動を可能にしている。番組表からの予約録画にも対応し、録画中に着信があったときは録画を中断することなく、バックグラウンドで録画を継続する仕様となっている。カメラも2Mピクセルのオートフォーカス対応になるなど、ワンセグ以外のスペックも充実した端末と言えそうだ。ボタン類がSH903iなどにも採用されているフレームレスのタイプとなっている。ボタントップの面積は広いが、操作感については少し好みが分かれるところかもしれない。


W53T

 トップパネルを先端部に向けて、ウエッジシェイプでデザインしたワンセグケータイだ。W54T同様、QosmioやREGZAのノウハウを活かした高品質な表示が可能で、ワンセグについては番組表からの予約録画ができ、バックグラウンド録画にも対応する。スリム化を実現するためか、ボタン類がいずれもフラットに仕上げられており、少し操作に慣れが必要な印象だった。


W52SA

 W53SAと同じく三洋製のワンセグ対応端末だが、こちらは防水機能がなく、ボディは二軸回転式を採用している。ワンセグについては二軸回転式ボディのディスプレイ部を反転させることで、自動起動をできるようにしている。予約録画やタイムシフト再生にも対応する。2.8インチの液晶ディスプレイを採用しながら、ボディはコンパクトにまとめられており、持ちやすい。W53SAにも搭載されている「すすっとスキャン」「ぱぱっとパノラマ」もなかなか面白い機能だが、比較的、試しやすいパノラマに対し、スキャンは端末の向きによって明るさの変化などもあるため、今ひとつ使い勝手に戸惑う印象だ。


W53S

 ソニー・エリクソン製端末ではおなじみのStyle-Upパネルを装着可能な端末だ。残念ながら、今回はモックアップのみの展示で、実機を触ることができなかった。期待されるのは「+JOG」と呼ばれる復活のジョグダイヤルだ。2年前、最後に搭載されたA1404S IIのものに比べ、かなりサイズは小さくなっているが、ジョグダイヤルとしての形状は受け継がれている。方向キーと組み合わせる形で装備されているが、このあたりの操作性がどうなるのかは実機が登場してから確認したいところだ。


W44K II

 昨年発売され、好調な売れ行きを記録したW44Kのセカンドモデル。基本的なスペックはW44Kと同様だが、ボタン形状の変更、ペア機能の呼び出し後の操作、アドレス帳の件数などが相違点だ。


A5526K

 スリムなデザインでまとめられたCDMA 1X端末。でか文字やでか受話音など、8つのでか機能により、シニアやシルバー層をターゲットにした端末。ボタンのトップ部分を大きくできるフレームレスキーを採用しているが、方向キーの操作は今ひとつの印象だった。


A5527SA

 A5514SA以来のグローバルパスポート対応端末だ。最近の端末はほとんどがau ICカードに対応し、GLOBAL EXPERTによるチップローミングの環境が整いつつあるが、頻繁に対象エリアに移動するユーザーにとっては、GLOBAL PASSPORTの方が使いやすいようで、販売店などでも「後継機はないのか」という問い合わせがあるそうだ。そういう意味ではA5527SAは待望の新機種ということになる。従来モデルに比べると、滞在国の自動認識が可能になり、海外滞在時に日本向けに発信するときも国際識別番号などを付加しなくても利用できるようにするなど、使い勝手の面を改良している。ちなみに、GLOBAL PASSPORTについては、先日、カナダでのデータ通信ローミングが開始された旨が発表されている。


簡単ケータイ A5528K

 使いやすさと簡単さを重視した端末だ。簡単ケータイとしては、A1406PTが好調な売れ行きを記録しているが、その上位モデル的な位置付けになる端末と言えそうだ。でか文字やでか時計、ワンタッチキー、音声読み上げなどのシニア・シルバー向け端末に求められる機能をひと通り揃えているが、安心ナビにも対応しているため、いざというときに家族が居場所を調べられるといった使い方もできる。カメラもきちんと131万画素のものが装備されており、写真を撮る楽しみも得られるのだが、メモリカードに対応していないため、赤外線通信で家族のWIN端末などに転送して、利用するという使い方になりそうだ。


込められた思いは届くか?

 以上、駆け足になってしまったが、今回発表された端末について、筆者なりの印象を紹介した。

 さて、今回の発表会では従来までの小野寺社長に代わり、執行役員の高橋誠氏がプレゼンテーションを行なった。そのことについての記者からの質問もあったが、今回の発表のプレゼンテーションを始めるにあたり、高橋氏は珍しく前口上のようなものを述べている。筆者はそこで触れられている言葉が気になったので、最後に取り上げておきたい。


 高橋氏によれば、auは今まで次々と新しい機能やサービスをケータイに取り込んできたが、その一方で『これまでの多機能化による機能重視の流れは、「ケータイなら何でもできます」という利便性の枠を超え、お客様に多少不親切であったかも知れないと感じでおります』という言葉を述べている。ともすれば、反省の弁とも受け取れる内容で、新製品を発表する企業側としては、ちょっと異例の発言内容だったとも言える。

 そして、こうした状況に対し、『ゆえに、今回のCollectionからは、単に新たな機能・サービスを搭載するだけではなく、実際の利用シーンに即したお客様のこだわりを形にすることで、ライフスタイルを支援・創造できる存在でありたいと思っております』としている。


 筆者は過去に何度となく、次々と機能やサービスを搭載するだけでなく、それを使ってもらう努力をする必要があるということを述べてきた。今回、発表会の冒頭で、スクリーンに映し出された高橋氏のこの言葉を見たとき、「そうです。ぜひそうしてください」と思わず、ひとりでうなずいてしまった。

 これはあくまでも個人的な印象に過ぎないが、auはMNP商戦の第1ラウンドと第2ラウンドを勝ち抜き、今回の発表会を機に、次のステージを目指そうとしているのかもしれない。高橋氏の言葉は単にユーザーに対しての「我々は頑張ります」的な意味合いだけでなく、auに関わる多くの人たちに対し、「兜の緒を締め、次へ進みましょう」という思いを込めているのかもしれない。

 今回発表された機種は、いずれも6月から順次、店頭に並び、発売される予定だ。購入前には、ぜひ本誌の新製品SHOW CASEやインタビュー、レビューなどを参照して、auが述べるところの「自分のライフスタイルを支援・創造できるケータイ」をじっくりと選んでいただきたい。


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(法林岳之)
2007/05/23 16:13

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