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MNP商戦からの反撃に打って出るNTTドコモ FOMA 904iシリーズ
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。携帯電話をはじめ、パソコン関連の解説記事や製品試用レポートなどを執筆。「できるWindows Vista」「できるポケット LISMOですぐに音楽が楽しめる本」(インプレスジャパン)、「お父さんのための携帯電話ABC」(NHK出版)など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。。


反撃の狼煙を上げる「DoCoMo 2.0」

 4月23日、NTTドコモは夏商戦向けのラインアップとして、FOMA 904iシリーズを発表した。例年、GW明けに催されることが多い夏商戦向けのラインアップ発表だが、今年はNTTドコモが先陣を切り、GW前に発表されることになった。昨年10月に開始されたMNP以降、一時的に純減を記録するなど、苦戦が伝えられるNTTドコモだが、発表会では執行役員の夏野氏が反撃をアピールし、「DoCoMo 2.0」と書かれた新ロゴを紹介するなど、FOMA 904iシリーズを機に反転攻勢をしたい構えだ。

 今回の発表では新機種となるFOMA 904iシリーズを5機種、これらの新機種が対応する新サービスなどが発表された。新機種及び新サービスの詳しい内容については、すでに発表会の詳報が掲載されているので、そちらを参照していただきたいが、ここではシリーズ全体の位置付け、実機を試用した印象、サービスの注目点などについて、紹介しよう。ただし、いずれも発売前の機種であり、最終仕様などが変更される可能性があることはご理解いただきたい。


903iSシリーズではない904iシリーズ

 今回、NTTドコモは904iシリーズ5機種を発表したが、最近のFOMAのラインアップをチェックしてきたユーザーから見れば、少し違和感があるかもしれない。昨年、MNP商戦開始時には、FOMA 903iシリーズが発表されており、順番からすれば、今回は“FOMA 903iSシリーズ”が発表されるはずだ。しかし、今回は新機能を搭載し、バージョンアップに相応しい内容だったため、904iシリーズにしたという。

 また、もうひとつの違いとして、従来はHSDPA対応のHIGH-SPEED端末に「iX HIGH-SPEED」、ワンセグ搭載端末に「iTV」という型番を与えてきたが、今後、HSDPAとワンセグは標準的な機能になっていくだろうということで、904iシリーズでは通常の型番が与えられている。ただし、今回発表された5機種の内、HSPDA対応端末はN904iのみ、ワンセグ搭載端末はF904iのみとなっており、当面は機種ごとにHSDPA対応/非対応、ワンセグの搭載/非搭載という違いが出てきてしまうことを意識する必要がありそうだ。本来なら、全機種標準搭載になった段階で、iTVなどの型番を外して欲しかったところだが……。ちなみに、904iシリーズの登場で、iSシリーズがスキップされたことになるが、iSという型番が消滅したということではなく、今後、同一プラットフォームでの機能追加をしたときなどにセカンドモデルを意味する「iS」という型番が使われる可能性があるという。

 さらに、今回発表された端末は、FOMAの主要端末メーカーの内、NEC、シャープ、富士通、三菱電機、パナソニックの5社のみで、SOシリーズを供給しているソニー・エリクソンが含まれていない。SOシリーズと言えば、SO903iTVの開発が発表され、今年6月からの販売がアナウンスされているが、904iシリーズに追加モデルとして登場するのであれば、それ以降に何らかのアナウンスが出ることが予想される。



 型番やラインアップで、従来とアプローチが異なる904iシリーズだが、NTTドコモのFOMA端末のフラッグシップシリーズであるという位置付けは変わらず、機能的にもかなり充実している。昨年10月に発表された903iシリーズは、GPS対応などが標準機能としてサポートされたが、ワンセグ搭載の「iTVシリーズ」やHSDPA対応のHIGH-SPEED端末「iX HIGH-SPEEDシリーズ」ではGPS機能がサポートされていないなど、共通仕様に若干の違いが見られた。これに対し、今回の904iシリーズは、大きく分けて、3つの新サービス対応が共通仕様となっているようだ。ひとつは今回の新サービスでもっとも注目される「2in1」、2つめは定額で音楽をダウンロードすることができる「うた・ホーダイ」、3つめは最大10MBのiモーションが楽しめる「ビデオクリップ」だ。このほかに新たに提供されるサービスや機能はいくつかあるが、機種によってはサポートされていないものもあり、共通仕様とはなっていない。個々の新サービスについては後述する。

 続いて、各機種の実機の試用感を紹介するが、試用時間が限られていたため、必ずしも十分な内容でないことをご理解いただきたい。


N904i

 今回発表された904iシリーズの内、唯一のHSDPA対応HIGH-SPEED端末だ。ドコモとしては4機種目のHSDPA対応端末だが、NECとしてはN902iX HIGH-SPEEDに続く、2機種目のHSDPA対応端末ということになる。従来のNEC製の90XiシリーズではN900iシリーズのアークライン、N903iなどのLink Face Designなどを特徴としてきたが、今回のN904iではイタリアのデザイナー、ステファノ・ジョバンノーニ氏とのコラボレーションにより、今までのNシリーズとは趣の異なる端末に仕上げられている。一見、シンプルな外観で、あまりデザイン端末らしい雰囲気が感じられないが、端末を閉じた状態と開いた状態のカラーリングにコントラストを付けたり、ヒンジ部分に凹凸の模様が施されるなど、独特の存在感を作り出している。

 端末の操作レスポンスは非常に良好で、HSDPAの高速通信とも相まって、快適に操作することができる。液晶ディスプレイも従来のVGA+(480×690ドット)からフルサイズのワイドVGAサイズ(480×854ドット)になり、VGAクラスらしいディスプレイになった印象だ。フルブラウザは従来から採用されているACCESSのNetFrontに加え、新たにPicsel Technologies(ピクセルテクノロジーズ)製フルブラウザが搭載されている。Picsel Technologiesはドキュメントビューアなどで知られているが、同社の持つレンダリングエンジンを活かしたフルブラウザとなっており、表示するときのアニメーションなどもドキュメントビューアに似通っている。URL入力とツールバーも独特のものが用意されており、ダイヤルボタンからの文字入力に慣れないユーザーにも使いやすい環境を提案している。

 デザインそのものについては賛否両論があるかもしれないが、スペック面では一歩抜きん出ており、今回の発表会でももっとも注目度の高かった一台だ。


SH904i

 903iシリーズでは標準モデルのSH903i、ワンセグ搭載のSH903iTVがともに大ヒットを記録したSHシリーズ。今回のSH904iはもうひとつ前のモデルSH902iSの流れをくむデザインでまとめられた通常の折りたたみデザインの端末だ。液晶ディスプレイは3インチとなり、通常デザインではF904iの3.1インチに次ぐ大画面となったが、解像度はワイドQVGAとなっている。

 SH904iで特徴的なのは「TOUCH CRUISER」と呼ばれる静電パッドを方向キー上部に装備している点だ。パッド部分を操作することにより、方向キー操作ができるほか、ダブルタップによる決定操作もできる。メニューとブラウザの画面ではポインタが表示されるのに対し、それ以外の画面ではカーソル表示による操作となる。iアプリについてはTOUCH CRUISERのAPIがないため、操作できない。実際の操作感はノートパソコンのタッチパッドなどに似ており、若干の慣れを必要とするものの、メニュー周りの操作感も軽快になる印象だ。ただ、TOUCH CRUISERの感度や速度などの調節機能はなく、機能のON/OFFのみが設定可能だ。

 また、直感ゲームについてはインカメラによる認識した映像で動作を検出するため、暗所での操作が難しいなどの制限はあるが、プリインストールのGPS対応アプリケーション「NAVITIME」で地図スクロールができるなど、意外に実用性も高い。

 実機の試用でもうひとつ驚いたのは、名刺リーダーの認識率だ。同様の機能はウィルコムのW-ZERO3[es]Premium versionにも搭載されているが、基本的にはこれと同じ仕様を採用している。同機能を起動し、内蔵カメラで名刺を撮影すれば、名前から住所、電話番号、メールアドレスなどの文字が認識され、認識したデータをそのまま、SH904iの電話帳に登録することができる。認識率も高く、認識時間も短いため、かなり実用的という印象だ。


F904i

 今回発表された904iシリーズで、唯一、ワンセグに対応したのがF904iだ。NTTドコモのワンセグ搭載端末は他社に比べ、バリエーションが少なく、F904iで4機種目ということになる。ただ、従来のワンセグ搭載のFOMAは、前述のように、標準の903iシリーズの共通仕様を満たしておらず、ややサブセット的なイメージだったのに対し、F904iは904iシリーズの共通仕様を満たしており、フル仕様でのワンセグ搭載端末という位置付けになる。

 ボディデザインはF903i及びF903iX HIGH-SPEEDのスイング機構を進化させたヨコモーションスタイルを採用しているが、F903iなどのスイング機構が1点を中心にディスプレイ部を回転させていたのに対し、F904iはSHシリーズのサイクロイド機構のように、軸を動かしながらディスプレイ部を左右に回転させる仕組みとなっている。ディスプレイは縦横のどちらでもヒンジ部分に沿う構造デザインとなっているため、ごく自然なデザインにまとまった印象だ。ただ、シャンパーニュとブランシェの2色はディスプレイ部のトップパネル先端側がラメ入りの仕上げとなっており、やや外見的にクセがある印象とも言える。

 ディスプレイは最大240×432ドット表示が可能なフルワイドQVGA液晶だが、液晶パネルは従来のF903iX HIGH-SPEED同様、IPS液晶を採用しており、視野角も広い。横表示は主にワンセグでの利用を考慮したものだが、フルブラウザやドキュメントビューアの表示にも対応しており、実用性は高い。

 指紋センサーや専用マイク付きリモコン、アーム部分のイルミネーションなど、従来モデルでも好評を得てきた仕様は継承されているが、プライバシーモードについては電話帳であらかじめ登録した相手からのメールや着信をユーザーにしかわからない方法(電池アイコンの変化)で通知するなど、一段と進化している。


D904i

 すっかりスライド式ボディが定着したDシリーズだが、今回のD904iも同様のスライド式ボディを採用している。ただ、従来のD903iやD903iTVまでがワンプッシュ機構を採用していたのに対し、D904iではワンプッシュオープン機構が廃止され、手動での開閉操作をする仕様となっている。ただ、内蔵のバネによる開閉途中のアシストがあるため、ワンプッシュオープンに近い快適性は確保されている。

 デザイン的には今回の904iシリーズ中、もっとも従来モデルと印象が近くなっている。ボディそのものは厚さ16.8mmと一段と薄くなっているのだが、あまりにも従来モデルとのデザインイメージが近すぎるため、販売店では従来モデルとの売り分けが難しかったり、旧モデルのユーザーも積極的に選びにくいような印象があるかもしれない。

 機能的な特徴は、直感ゲームにも対応するモーションコントロールを搭載している点だろう。SH904iとP904iはインカメラに映し出された映像によって、端末の動きを検出しているが、D904iはV603SHなどにも搭載されていたモーションコントロール(加速度センサー)を搭載しているため、端末そのものの動きを検出し、端末の機能に活かせるようにしている。具体的には、iモーションの再生やフルブラウザの閲覧で、端末を横方向にすれば、映像やホームページが横長に表示されるなどの効果が挙げられる。同様に、D903iから継承されているマチキャラも横画面を検出し、正しい向きで表示される。


P904i

 P904iはワンプッシュオープン機構やカスタムジャケット、Bluetoothによるワイヤレス音楽再生など、Pシリーズの従来モデルで好評を得てきた機能を着実に継承した端末だ。P903iで採用されたあんしんキーも受け継がれているが、あんしんキーと端末が離れたり、近づいたりしたとき、端末側でヒカリと音でロックや解除を知らせるアンサーバック機能が追加されている。

 ボディは先端部の角を少し落としたスクウェアな形状を採用しており、P903iに近い印象だ。カスタムジャケットが装着されていないトップパネル側は、アシンメトリーな(非対称な)デザインで仕上げられている。カメラ位置をボタン部背面に移動し、装着部分の切り欠きを最小限にすることにより、従来モデルよりもスッキリとまとめられた印象だ。トップパネルにはヒカリアイコンと呼ばれるLED部が内蔵されており、不在着信や未読メールなどを光って知らせることができる。ヒカリアイコンはカスタムジャケットを付けた状態でも透過する仕様となっている。液晶ディスプレイは240×400ドット表示が可能な2.8インチのワイドQVGA液晶を採用する。P904iはワンセグ搭載ではないが、サイズや仕様を見る限り、P903iTVのディスプレイをそのまま受け継いでいるようだ。


使いこなしが難しい「2in1」

ビデオクリップ配信では「WATCH→BUY」と名付けられた、ショッピング連携機能が導入される

ビデオクリップ配信では「WATCH→BUY」と名付けられた、ショッピング連携機能が導入される
 今回、発表された新サービスについても少し触れておこう。

 まず、共通仕様の3つの新サービスの内、ビデオクリップについてはすでにF903iX HIGH-SPEEDとP903iX HIGH-SPEEDで最大10MBのiモーションがサポートされており、これがそのまま904iシリーズに継承された格好だ。注目すべきポイントは新たに用意される「WATCH→BUY」というショッピング連携のしくみだろう。映画などのビデオクリップを再生したとき、関連するDVDソフトの販売ページや映画のチケット予約サイトへの連動を図ろうというものだ。インターネットでもページ内容に応じた広告コンテンツのサービスは充実しているが、WATCH→BUYはこのアイデアをケータイ上のムービーコンテンツに活かしたものと言えそうだ。

 次に、うた・ホーダイについては定額制で音楽を楽しめるサブスクリプション(購読)サービスで、月額約300~1,980円程度で好きなだけ着うたフルをダウンロードできる。どのような楽曲がダウンロードできるか、定額料金をいくらに設定するのかはコンテンツプロバイダ次第だが、NTTドコモの出資先であるタワーレコードが提供している「Napster」については、パソコンと904iシリーズのどちらでダウンロードしても月額1,980円で利用できるという。着うたフルを好きなだけダウンロードできるというのは魅力的だが、ダウンロードした楽曲を聴き続けられるようにするには、そのコンテンツプロバイダをマイメニューに登録し続けなければならない。しかもNTTドコモの着うたフルは、コンテンツプロバイダの設定によっては機種変更後に継続利用ができないケースがあるなど、他社に比べると、やや使い勝手の悪い面も残されている。ユーザーはコンテンツプロバイダの対応状況をよく調べた上で、選ぶ必要がありそうだ。


ビジネスユーザーの需要が見込める「2in1」

ビジネスユーザーの需要が見込める「2in1」
 そして、今回の発表でもっとも注目されるのが2in1だ。2in1は簡単に言ってしまえば、月額945円を追加することで、現在の契約に“電話番号”と“Webメール限定のメールアドレス”をセットにした新しい回線の契約を追加できるものだ。個人ユーザーが公開用の電話番号として利用したり、メールマガジン購読用のメールアドレスとして利用すれば、端末側のメールボックスがいっぱいにならないなど、個人にも利用するメリットがありそうなサービスだ。

 ただ、実際に需要が見込まれるのは、ビジネスユーザーだろう。最近、個人が契約するケータイのほかに、会社が支給するケータイを持ち歩く(持ち歩かされる)ユーザーが増えているが、こうしたケースでも2in1が契約できる904iシリーズなら、1台の端末で済むわけだ。追加コストが月額945円と安いため、プリペイド契約で追加端末(回線)を持つ場合よりも手軽に利用することができる。もちろん、この945円という月額料金は、ソフトバンクのホワイトプランを強く意識していることは言うまでもない。今のところ、2in1の契約は同一名義での契約を前提条件にしているが、今後、法人名義の契約を組み合わせることも検討しているとのことだ。

 また、同様の電話番号を追加できるサービスとして、NTTドコモは「マルチナンバー」を提供しているが、マルチナンバーの追加番号は契約時に新規発行されるものであるのに対し、2in1で組み合わせる電話番号は両方とも持ち込みの電話番号でもかまわない。つまり、自分が持つ2回線の契約を1つにまとめたり、他事業者で契約している電話番号をMNPで持ち込んで、2in1に組み合わせることもできるわけだ。


月額945円で利用できる「2in1」だが、ファミリー割引との関連仕様などは今後検討されるという

月額945円で利用できる「2in1」だが、ファミリー割引との関連仕様などは今後検討されるという
 「ケータイ業界の常識を変える」という夏野氏のコメントにもあるように、2in1は今までのケータイにはなかった新しい契約であり、なかなか興味深いサービスだが、発表会後のデモンストレーションで説明員に聞いている限り、現時点では詳細が決まっていない部分も多いようだ。たとえば、NTTドコモのファミリー割引では家族間のメールが無料となっているが、BモードのWebメールの場合、ブラウザによるパケット通信が発生してしまう。ファミリー割引では最大10回線まで対象に含められるが、2in1の契約がこれに含まれるかどうかもまだ詰められていないという。

 もうひとつ課題となるのが実際の使いこなしだろう。物理的に2台の端末を持ち歩かなくてもいいのはメリットだが、現在、その端末がAモード、Bモード、両面モードのどれで動いているのかを常に意識しなければならず、その判別は基本的に画面上で判断するしかない。ダイヤルボタンなど、モード切替用ショートカットキーの長押しで簡単に切り替えられるが、保存されているデータの扱いなども含め、実際の利用ではAモードとBモードの存在を常に意識する必要がある。このあたりは実際に904iシリーズで2in1の契約をして、使いながら慣れていくしかなさそうだ。いずれにせよ、NTTドコモには2in1契約での制限などをもう少しわかりやすく解説して欲しいところだ。


FOMA 904iシリーズで反撃に転じられるか?

904iシリーズを「ドコモの反撃」とした夏野氏

904iシリーズを「ドコモの反撃」とした夏野氏
 MNP商戦の開始以降、各社の攻勢に合い、一時的ながらも純減を記録するなど、苦戦が伝えられてきたNTTドコモ。今回の904iシリーズは同社が反撃に転じるきっかけとなるラインアップと位置付け、「DoCoMo 2.0」というベタながらも変わろうとする意思が見えるキーワードを掲げるなど、今までにないアピールをしようとしている。ラインアップそのものはMNP開始前後の10機種近くが登場したときに比べ、数は少ないが、ネットワーク側も含めて作り込まれた2in1など、興味深いサービスも発表されており、今後の展開が期待される内容と言えるだろう。機種別については、発表会場でもN904iとF904iを評価する声が多く聞かれ、SH904iも注目を集めていた。

 今回発表された各機種については、5月上旬(半ば)から順次、販売が開始される予定で、2in1についても対応機種の発売と同時に受け付けが開始される見込みだ。まだ実際のサービスでどうなるかが見えていない部分もあるだけに、今後、順次公開される情報などをよく参照しながら、自分の利用スタイルに合った機種や契約形態を見つけて欲しい。



URL
  NTTドコモ 904iシリーズ案内
  http://www.nttdocomo.co.jp/product/foma/904i/

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(法林岳之)
2007/04/24 15:24

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