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「Sky Photo Pad」はカメラ内蔵ケータイを超えられるか?
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、メール端末、PDAまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindows XP基本編」「できるADSL フレッツ・ADSL対応」「できるZaurus」「できるVAIO Windows XP版」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。iモード用EZweb用J-スカイ用、H"LINK用(//www.hourin.com/H/index.txt)を提供。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。


J-フォン初のカメラ内蔵メール端末

 J-フォンからカメラ内蔵メール端末「Sky Photo Pad」が発売された。先週紹介したシャープ製J-フォン端末「J-SH04」は携帯電話にカメラを内蔵しているが、Sky Photo Padはカメラを内蔵したメール端末だ。製品を入手することができたので、早速、レポートをお送りしよう。


この冬のトレンドはカメラ内蔵

 J-フォン『Sky Photo Pad』。サイズ:160(W)×27.5(H)×105(D)mm、約339g。ボディカラーはラベンダーパール。
 着信メロディ、待受画面、カラー液晶ディスプレイと進んできた携帯電話のトレンドだが、この冬の注目株は何といっても「カメラ」だろう。今回紹介するJ-フォン「Sky Photo Pad」や先週紹介したモバイルカメラ内蔵ケータイ「J-SH04」をはじめ、DDIポケットのfeel H"対応端末に接続できる「Treva(トレバ)」、auのC40xシリーズに接続できる「PashaPa(パシャパ)」など、カメラ内蔵製品、もしくはオプション用カメラが各社から相次いで発売されている。忘年会、クリスマス、お正月、新年会と、人の集まる機会が多いシーズンを迎え、これらのカメラ内蔵製品が活躍するシーンはかなり多そうだ。

 カメラ内蔵メール端末としては、昨年末に発売された九州松下電器のDDIポケット向け製品「Pocket・E」に始まり、これにNTTドコモの「キャメッセ」や「キャメッセボード」、auの「フォトパレット」、「Pocket・E」のカラーモデル「Pocket・E Color」などが続いている。Windows CEマシンやシャープの「ザウルス」などにもカメラ搭載モデル、もしくはオプションでカメラが用意されており、PCではソニー「VAIO C1」や東芝「Libretto ff」などが販売されている。当然、PCやWindows CEマシン、ザウルスなどの方が高品質な画像が撮影できるが、やはり手軽さとコストという点についてはメール端末に一日の長がある。

 今回発表された「Sky Photo Pad」は、J-フォンとして2台目のメール端末ということになる。開発は東芝が担当しており、メニュー構成やデザインは東芝がauに供給している「ウェブパレット」に近い。J-SH04というカメラ内蔵ケータイが発売された現状で、Sky Photo Padがユーザーにどのように受け入れられていくのだろうか。


メール端末としてはやや大柄なボディ

 メインのメニュー画面。「カーソルキーでアイコンを選ぶ」「数字キーを押す」「アイコンをタップする」という3つの操作が可能。
 まず、外観から見てみよう。Sky Photo Padを手に取ったとき、最初に感じるのは「意外に大きい」ということだ。前述のように、開発は東芝が担当しており、同社がau向けに供給しているウェブパレットとほぼ同サイズとなっている。重量も約339gと、最近のメール端末としては重量級といった印象だ。

 液晶ディスプレイは320×240ドット表示が可能なカラー液晶を搭載しており、バックライトも備える。表示フォントは全角12ドットを採用し、メール作成画面では本文欄に全角25文字×9行の表示可能だ。Sky Photo Padの液晶ディスプレイはタッチパネルにも対応しており、液晶前面には保護パネルらしきものが貼られている。そのため、かなり反射が強く感じられ、屋外ではあまり視認性が良くない。バックライトが明るいため、室内での視認性が良好であるだけに残念なところだ。


 キーボードは標準的なQWERTY配列を採用。ただし、[クリア]キーが[BackSpace]キーではなく、[Delete]キーの機能になっている点は注意。
 キーボードは標準的なQWERTY配列を採用し、液晶ディスプレイ横にカメラボタンとシャッターを備える。キーはゴム製のやや柔らかいものを採用しているが、キーそのものが比較的大きいため、タイピングはそれほどツラくない。ただ、記号類が[機能]キーとの組み合わせで入力しなければならない上、カーソルキーや[F1]キー、[メニュー]キーなども頻繁に利用するため、全体的にキーボードでの操作は煩雑な印象が残る。

 また、キー配列ではPCの[ESC]キーと同じ左上に[戻る]キー、[BackSpace]キーと同じ右上にい[クリア]キーが配されているのだが、実は[クリア]キーは[BackSpace]キーではなく、[Delete]キーの機能が割り当てられているため、PCと同じ感覚で操作をすると、入力した文字を誤って削除してしまうことがある。


 底面には携帯電話接続ケーブルを格納。スマートメディアスロットは側面にある。フタが着脱式ではないところはうれしい。
 キーボード手前にはペンが格納されているが、これは前述のタッチパネルを操作するときのものだ。底面には携帯電話との接続ケーブル、左側面にはメールや画像などを保存しておくためのスマートメディアスロットが備えられている。対応するスマートメディアは3.3V仕様の4~64MBタイプのものとなっている。


ロングメールとプロバイダのメールに対応

 メール作成画面。本文に入力しようとすると、小さなダイアログボックスが表示され、そこですべて入力することになる。ちょっと使いにくい。
 メールについては、J-フォンが提供している「ロングメール」、POP3/SMTPによるインターネットメールの両方に対応している。ロングメールについてはJ-フォンへの申し込みが必要だが、インターネットメールについては、ODNやBIGLOBE、So-net、@nifty、infoPepperの基本的な設定が用意されており、最小限の情報を入力するだけで設定が可能だ。また、「ODNモバイルプラン」へのオンラインサインアッププログラムも用意されている。

 メールは送信メールボックスと受信メールボックスにそれぞれ最大2000件まで保存しておくことができ、他人に見られたくないメールを保存するためのシークレットボックスも用意されている。送信するメールはロングメール、インターネットメールともに、「To」「Cc」の指定ができ、内蔵カメラで撮影した画像を添付することもできる。ロングメールでの画像添付については、J-スカイで採用されているPNG形式への自動変換もサポートされている。

 WebブラウザーについてはHTML 3.2準拠、SSL 2.0及び3.0対応となっており、Cookieも保存するか否かを選択できるなど、通常の利用でも不満を感じないレベルとなっている。表示も拡大と縮小を選ぶことができ、ページの内容を本体メモリか、スマートメディアに保存しておくことができる。画像の表示/非表示も選択でき、気に入ったページを最大10件までBookmarkに登録しておくことが可能だ。履歴についても最大10件まで保存されている。

 さて、注目のカメラ機能について見てみよう。カメラは本体の液晶ディスプレイ右上に備えられており、他のカメラ内蔵メール端末と同じように、180度回転する構造となっている。画素数は11万画素で、先週紹介したJ-SH04の内蔵カメラと同スペックだ。


 撮影サンプルその1。クルマの中でカーナビの画面を撮影してみた。なかなかよく撮れている。  撮影サンプルその2。室内でぬいぐるみを撮影。蛍光灯の下でも暗くならないのはなかなか秀逸。

 撮影した画像はアルバム画面に表示される。処理速度がやや遅いため、表示には少しタイムラグが感じられる。
 Sky Photo Padのカメラ機能で優れているのは、細かい設定ができる点だ。たとえば、自分に向けて撮影するとき、液晶ディスプレイに表示される画像をカメラから見た「正像」と鏡に写した「鏡像」で切り替えることができる。撮影した画像を保存するときも画質優先と枚数優先を選択したり、セルフタイマーで撮影するといった機能も用意されている。

 撮影した画像は本体メモリかスマートメディアに保存できるが、タッチペンを使って画像に落書きをしたり、フレームを割り付けるといった編集操作も可能だ。ちなみに、画像サイズはインターネットメールに添付した場合は320×240ドットのJPEGファイルとなった。ロングメールでJ-フォン端末に送信した場合はPNG形式になり、待受画面などにも設定することが可能だ。


完成度は高いが、悩みは残る

 さて、最後にいつものように『買い』の診断をしてみよう。Sky Photo Padはカメラ内蔵メール端末としては最も正攻法で開発され、完成度もかなり高い製品だ。メール機能がしっかり充実しているメール端末に、カメラ機能を搭載することで、楽しさを増した感がある。キーボード回りや処理速度、画面の反射などに不満は残るが、割り切った使い方をするのであれば、納得のできるレベルと言えるだろう。

 これらの点を考慮すれば、J-フォンユーザーにとって待望のカメラ内蔵メール端末として『買い』といいたいところなのだが、少し悩むところが残る。それはJ-SH04の存在だ。もし、カメラ機能が狙いということであれば、手軽に撮影ができ、サイズ的にもかさばらないJ-SH04の方がおすすめだ。しかし、「カメラも欲しいけど、メールはキーボードで入力したい」というのであれば、Sky Photo Padの方が優位ということになる。また、インターネットメールを外出先でも使いたいというベーシックなニーズについてもSky Photo Padの方が賢明な選択ということになる。自分のニーズをしっかりと把握し、メールがメインならSky Photo Pad、カメラがメインならJ-SH04も対象に加えるといったところが妥当な線だろうか。


■URL
・「Sky Photo Pad」ニュースリリース(J-フォン東日本)
http://www.j-phone-east.com/company/n/000810.htm



(法林岳之)
2000/11/14 00:00

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