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専用サイトとテクノボイスが便利な「C310T」
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■ カラー対応cdmaOne端末第2弾
auから東芝製cdmaOne端末「C310T」が発売された。cdmaOne端末としては、日立製「C309H」に続く、カラー液晶搭載モデル第2弾ということになる。従来のC301Tではクリアカラーコレクションという斬新なデザインで話題になったが、今回は全体的になめらかなデザインフォルムにまとめられている。実機を入手することができたので、試用レポートをお送りしよう。
■ 専用サイトでオリジナルコンテンツを提供
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au『C310T』。サイズ:41(W)×128(H)×19(D)mm、78g。シルバー(写真)とホワイトをラインアップ。
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NTTドコモのiモード端末やJ-フォンのJ-スカイ対応端末に比べ、液晶ディスプレイのカラー化にやや出遅れた感のあるauのcdmaOneのラインアップだが、ここに来て、ようやく日立製C309Hに続く2台目のカラー液晶搭載モデルとして、東芝製C310Tが登場した。先日行なわれた「CEATEC JAPAN 2000」では未発表の新端末も数多く出品されたため、年末にはかなり選択肢の幅も広がることになるが、当面はこの2機種のみだ。
cdmaOneの東芝製端末と言えば、今年発売された「C301Tクリアカラーコレクション」が記憶に新しい。いわゆる「スケルトン」ボディの携帯電話やPHSは従来にも存在したが、ボディカラーのバリエーションを5色も用意したというのは過去に例がなかった。ただ、着信メロディなどのスペックが今ひとつだったため、cdmaOne端末としては今ひとつ奮わなかった。今回発売されたC310Tは、クリアカラーのようなデザインの奇抜さでアピールするのではなく、携帯電話としての完成度や遊びの要素という現在の携帯電話で求められている部分で勝負しようとしている。
また、東芝はC310Tユーザー向けに専用サイトを提供している。同様の手法でJ-フォン向けの「J-T04」でも提供している。こうした動きは東芝製携帯電話のブランドを確立させるためのひとつの方法論であり、今後、その他のメーカーも同じような手法を取ってくる可能性が高い。
■ 使いやすくなったメニュー構造
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液晶ディスプレイは最大256色表示が可能。江口寿史のイラストを表示してみたが、なかなかきれい。
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C310Tの基本的なスペックについては、本日、掲載されている「ケータイ新製品SHOW CASE」やauの製品情報のページを参照していただくとして、ここでは実機を試用した印象を中心に紹介しよう。
まず、ボディだが、従来のC301Tに比べ、落ち着いたデザインを採用している。C301Tもデザインが悪かったわけではないが、他のcdmaOne端末に比べ、今ひとつ高級感がないことが残念だった。C310Tではボディをツートーンカラーでデザインし、ボディそのものの厚さを感じさせないようにしている点も目を引く。
液晶ディスプレイは256色表示が可能なカラー液晶ディスプレイを採用している。表示エリアは実測値で34×26mmとなっており、同じcdmaOneのカラー液晶搭載端末のC309Hに比べると、わずかに小さい。しかし、それ以上に画面を狭く感じさせてしまうのが表示フォントだ。C301Tでも採用されていたが、東芝は液晶ディスプレイのフォントに、通常のものよりも太いフォントを採用している。フォントを太くすることにより、確かに視認性は向上するのだが、逆に画面が狭く感じられたり、きれいに見えなくなってしまう気がする。好みの問題もあるのだろうが、筆者はあまり好きになれない。
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ボタン類は整然と配列されている。ワークアクションキーの真ん中にあるボタンはシルバーだが、ボディカラーがホワイトのモデルでは半透明になっている。
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ボタン類は中央に「ワープアクションキー」と呼ばれる方向キーを配し、その回りにメールボタン、マナーボタン、EZボタン、メモ/クリアボタンを配置している。他の携帯電話でよく採用されている「F」(ファンクション)ボタンはなく、C301T同様、ワープアクションキーの右方向に割り当てられている。ワープアクションキーの右方向を押せば、設定や操作のメニューが表示され、長押しすれば、簡易ロックができるといった具合いだ。
ワープアクションキーの左右には小さなLEDが並んでいるが、これらは「アクセスサイン」と呼ばれるもので、メール着信時やボタン操作時などに光らせることができる。ただ、ボタン操作時に光るように設定してしまうと、点滅がうるさく感じられるので、メール着信時に光る設定にするのが現実的だ。
一方、メニュー回りだが、従来のC301Tでは構成がやや特殊な印象で、使いづらい感があったが、今回のC310Tでは少しメニュー回りが整理され、使いやすさが向上している。ただ、これも前述のフォントが邪魔をしているように感じられるのだが……。
■ 専用サイトよりもボイス機能
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専用サイトではキャラクターの画像などがダウンロードできる。今後、メニューは拡大される予定だ。
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C310Tでは最初にも触れたように、専用ユーザーサイトが用意されており、EZボタンを長押しすることで、自動的に専用サイトへ接続される。専用サイトでは江口寿史のキャラクター画面がダウンロードできたり、東芝が運営する駅前探検倶楽部のEZweb版「EZ-駅探」などを閲覧することができる。今後、女性向けのWebマガジンやCD通販なども展開する予定だ。こうした取り組みは非常に面白いのだが、江口寿史のキャラクター画像を提供することは、すでにJ-フォンのJ-T04向け専用サイトで実現されているため、今ひとつ新鮮味がない。将来的にデータを共通化する可能性があるとしてももう少しcdmaOneならではの独自性があるコンテンツが欲しいところだ。
着信メロディは最新の16和音対応のものになり、他機種と比べてもまったく遜色を感じることはなくなった。登録したメロディを順番に聞けるプログラム再生、メロディを多彩にアレンジする自動伴奏機能など、着信メロディを楽しむための機能も用意されている。また、C310Tの16和音着信メロディはEZwebでメロディと画像を同時配信するカラオケコンテンツにも対応している。
待受画面関連では、トミーや京セラから発売される小型デジタルカメラから画像を取り込むことができる。取り込んだ画像は10種類のフレームなどを合成する機能も搭載されており、オリジナルの待受画面が容易に作成できる。
着信メロディは最新の16和音対応のものになり、他機種と比べてもまったく遜色を感じることはなくなった。登録したメロディを順番に聞けるプログラム再生、メロディを多彩にアレンジする自動伴奏機能など、着信メロディを楽しむための機能も用意されている。また、C310Tの16和音着信メロディはEZwebでメロディと画像を同時配信するカラオケコンテンツにも対応している。
待受画面関連では、トミーや京セラから発売される小型デジタルカメラから画像を取り込むことができる。取り込んだ画像は10種類のフレームなどを合成する機能も搭載されており、オリジナルの待受画面が容易に作成できる。
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着信時にEZボタンを押すと、ナビメニューが表示される。ここで「テクノボイス」を選ぶと、変換された声で通話ができる(相手の声は正しい音声で聞こえる)。
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しかし、これらの機能以上に筆者が面白いと感じたのが「テクノボイス」と呼ばれる音声のアレンジ機能だ。テクノボイスは着信時にEZボタンを押して表示されるナビメニューから「テクノボイス」を選ぶと、こちらからの音声が変換された送られるというものだ。設定は「ハイボイス」「ローボイス」「ロボットボイス」の3種類が用意されている。マニュアルによれば、迷惑電話に対処するときに便利となっているが、使い方次第ではかなり遊べる可能性を秘めている。ただし、いたずら電話などには使えないように、発信時にテクノボイスを選べないようにしている。ちなみに、ナビメニューはアンテナマークの隣りに「NAVI」と書かれたアイコンが表示されているときに利用できるもので、その状況にあった操作や動作などを呼び出せるというもので、オンラインヘルプ的にも活用できる。
また、今回は試用期間が短かったため、確認できなかったが、C310Tのマニュアルには「PIM機能」「外部機器接続」といった記述が見られる。PIM機能はパソコンなどのPIMソフトのデータをデータフォルダに出力したり、取り込んだりできる機能と書かれており、外部機器接続はおそらく先般発表された小型デジタルカメラに関係しているようだが、カタログやマニュアルを見る限り、どんなPIMソフトに対応しているのかなどの情報がない。もしかすると、市販の携帯電話ソフトのために用意されたメニューなのかもしれないが、もう少し親切に解説してもらいたいところだ。
■ 遊べるけど、C40xシリーズが……
さて、最後にいつものように「買い」の診断をしてみよう。まず、cdmaOneのカラー液晶端末が欲しいというユーザーに対してだが、「CEATEC JAPAN 2000」のレポートにもあるように、cdmaOneには年内にも「@mail」と呼ばれる新しい仕様のメール機能を搭載した「C40xシリーズ」という新ラインアップが登場する。「@mail」はiモードメールのように、直接、メールが端末に届く仕様になっており、EZサービスの使い方を大きく変える可能性を秘めている。
こうした状況下において、これから旧仕様になってしまうことが確実なC310Tを敢えて購入するのはかなり難しい。ただ、メール機能をさほど重視せず、小型カメラなどの遊びの機能をいち早く使いたい、すぐにカラー液晶端末が欲しいというのであれば「買い」と言えるレベルに仕上がっている。
cdmaOne端末のカラー液晶搭載モデル第2弾として登場したC310Tは、実力的にはcdmaOne端末の中でもトップクラスに肩を並べるデキだ。しかし、とにかくタイミングが悪すぎる。現時点で販売されている機種の中では、C309Hと並ぶ「買い」の機種であることは間違いないが、1~2カ月後には市場から取り残されている可能性も十分考えられる。ぜひ次期モデルではauの製品展開に合わせた「いいタイミング」で登場することを期待したい。せっかく素性のいい端末を開発しても発売するタイミングを間違えると、売れ筋から外れてしまう可能性がある。これも今の携帯電話市場の怖さのひとつなのだが……。
■URL
・C310Tニュースリリース(au)
http://www.kddi.com/release/ido/news/20000907_2.html
・C310T商品情報(au)
http://www.au.kddi.com/phone/cdmaone/c310/c310.html
・C310T商品情報(TOSHIBA User Club Site)
http://qwave.co.jp/toshiba/ucs2000/lineup/c310t/
(法林岳之)
2000/10/24 00:00
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