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フリップ式で人気のNTTドコモ『D209i』
法林岳之 法林岳之
1963年神奈川県出身。パソコンから携帯電話、メール端末、PDAまで、幅広い製品の試用レポートや解説記事を執筆。特に、通信関連を得意とする。「できるWindows XP基本編」「できるADSL フレッツ・ADSL対応」「できるZaurus」「できるVAIO Windows XP版」など、著書も多数。ホームページはPC用の他、各ケータイに対応。iモード用EZweb用J-スカイ用、H"LINK用(//www.hourin.com/H/index.txt)を提供。「ケータイならオレに聞け!」(impress TV)も配信中。


209iシリーズの後発モデル

 NTTドコモの主力ラインアップである20xシリーズ。6月に発表されたF209i、N209i、P209iに続き、7月に入って三菱電機製「D209i」の出荷が開始された。フリップ式を採用してきた「D」シリーズのデザインコンセプトを受け継ぎながら、209iシリーズではF209iと並ぶカラー液晶を採用している。実機を試用することができたので、早速、レポートをお送りしよう。


■フリップ機構という個性

D209i
 NTTドコモ『デジタルムーバ D209i HYPER』。サイズ:41(W)×124(H)×18(D)mm、74g。ミスティホワイト(写真)、ダークチタン、フロストピンクの3色をラインアップ。

 NTTドコモに端末を供給する富士通、NEC、松下通信工業、三菱電機の主要4メーカーは、それぞれに個性を主張した端末を開発している。富士通はF209iでアミューズメント機能に活路を見いだし、NECは折りたたみボディ、松下通信工業はデザイン性とカラーリングといった具合いだ。三菱電機の個性と言えば、やはり、ボタン部分をカバーする「フリップ式」ということになる。今回発売されたD209iもフリップ式を採用しているが、さらにフリップ機構に遊びを持たせるなど、従来モデル以上にフリップ機構に対するこだわりが感じられる。

 筆者のあいまいな記憶で申し訳ないが、「D」のフリップ機構が急速に人気を集めたのは、確か「D206」の頃ではなかっただろうか。通常、多くの携帯電話はボディカラーを変えるのみで、ボタン類のデザインなどは共通のままにするのだが、D206ではホワイトのモデルのみがボタン類のデザインとカラーを変え、人気を集めたと記憶している。ちょうどその当時、初代ポケットボードがブームになり始めていた頃で、テレビCMでもD206のホワイトがポケットボードに登場していた。もちろん、フリップ式そのものは決して新しいメカニズムではなかったのだが、オリジナルデザインとテレビCMという相乗効果で「D」が注目を集めるようになり、それと同時に「D」のフリップ式が評価され、今日のような個性に発展したと解釈している(もし違ったら、ごめんなさい)。

NTTドコモ P601es
F601ev
SH601em
パルディオ621S
パルディオ611S
パルディオ331S-II
パルディオ333P
au(DDI-セルラー/IDO) C107K
au(DDI-セルラー) D202K
D207K
au(IDO) 703G
535G
ツーカー TK02
DDIポケット KX-PH23F/923F
AP-K103
アステル AJ-15
AJ-16
AJ-35

 そして、その後のフリップ式は、NECの折りたたみ式と同じように、必ず「人気のフリップ式」という形容詞を付けて語られるようになり、他社の携帯電話やPHSなどにもフリップ機構が採用されるようになっていく。ちなみに、国内で販売されている各社の携帯電話とPHSをざっと見渡してみたが、三菱電機製以外の端末で、フリップ機構、もしくはそれに近い機構を採用しているものは18機種も存在する。

 ここで「フリップ式はどこのメーカーのオリジナルで……」という話はしないが、「D」シリーズのイメージであるフリップ機構が携帯電話のひとつのスタイルとして完全に定着していることは確かだ。



コンパクトになったボディ

 D209i(右)とD502i(左)。並べてみると、まるで親子のようにサイズが違う。
 D209iの細かいスペックについては、NTTドコモのホームページや先日掲載した「ケータイ新製品SHOW CASE」を参考にしていただくとして、気になる機能などを中心に紹介しよう。

 まず、ボディだが、D502iとの比較写真を見てもわかるように、明らかにひと回り小さくなっている。D502iはカラー液晶を大きくするあまり、やや頭でっかちなデザインになっていたが、D209iは非常にスマートにまとめられている。D502iのフリップ前面に装備されたiモードボタンは、他の209iシリーズ同様、D209iでもなくなり、非常にスッキリしたデザインにまとめられている。

 次に、フリップ機構とボタン回りだが、フリップを開けるときにちょっと驚かされる。D209iではフリップを開けるときに、効果音が鳴るのだ。フリップ用の効果音は5種類用意されており、ユーザーが自由に設定できる。ただ、残念ながら、閉めるときにの効果音はなく、その他の動作にも効果音はない。ただ、もしかすると、今後、アンテナを伸ばしたり、ボタンロックなどをしたときなど、いくつかの動作に合わせて効果音を発生させるのが流行るかもしれない。

 フリップ部分と液晶ディスプレイの間には、イージーセレクターと呼ばれる「D」シリーズ独自のボタンが配されている。中央のボタンで上下の動作、左右のボタンは左右や機能に割り当てられる。ただ、左右のボタンに割り当てられる「サブメニュー」「戻る」、「モード」「戻る」などの配置がD502iと逆になっているため、D502iから乗り換えるユーザーは若干、戸惑いそうだ。

 ボタン回りでは左上のメールボタンが目新しい。短く押すと、メールメニューが表示され、長押しをすると、新規メールの作成画面が表示される。ちなみに、D502iではiモードボタンの長押しで、iモード公式サイトにすぐに接続したり、短く二度押すとメールメニューが表示されるなどのショートカット機能が搭載されていたが、D209iではメールボタンに割り当てられているくらいで、全般的にショートカット機能は少ないようだ。ちなみに、D502iでサポートされていた最大5人のメールアドレスにメールを送ることができる「同報メール」、メール本文を表示する前に内容が確認できる「テロップ表示」などはD209iにも受け継がれている。


D209iのメニュー D502iのメニュー
 D209i(左)とD502i(右)の新規メール作成画面。画面最下段の左右のボタンに割り当てられた機能が逆になっていることがわかる。


 D209iでは新たに最上段にメールボタンが装備された。短く押すとメールメニュー、長押しをすると新規メール作成画面が表示される。
 イージーセレクターの使い心地は、基本的にD502iと変わらないのだが、中央ボタンの突起部分が角張っているため、しばらく使っていると、突起部分の上下にホコリや手あかが詰まってしまう。ちなみに、D502iのイージーセレクターの中央ボタンの突起部分は、少しなめらかになっているため、こうした汚れは付きにい。使う人にもよるのかもしれないが、きれい好きな人には気になるところかもしれない。なお、イージーセレクターを上下したときに表示されるイージーメニューは基本的にD502iと変わらない。

 また、本体の機能ではないが、D209iと同時に、D209iやD502iで利用できる外付けキーボード「iボード」が発表されている。今回は試用することができなかったが、腰やバッグに下げられるクリップを付けるなど、「N」シリーズ用や「P」シリーズ用とは少し違ったスタイルを演出している。

 ところで、D501iやD502iでもサポートされていないようで、非常に気なっている機能がひとつある。メールアドレスやインターネット上のサイトのURLを入力するときによく利用する「http://」「.co.jp」「.ne.jp」「www」といった文字列の入力機能だ。個人的に「D」シリーズを愛用したことがないため、チャンスがある度に機能を探しているのだが、どうも今回のD209iでもサポートされていないようだ。1文字ずつ入力すればいいというのもわかるが、この機能は今やほとんどの携帯電話でサポートされており、どうして「D」シリーズだけでサポートされていない(見つけられない?)のかが不思議なくらいだ。100種類もの定型文や30種類もの顔文字を登録するくらいなら、わずか10種類程度しかないインターネット関連の定型句くらいは用意しておいて欲しいところだ(もし、どなたか入力方法をご存じだったら、編集部までご一報ください)。

D209iのイージーセレクター D502iのイージーセレクター
 D209i(左)とD502i(右)のイージーセレクター。D209iの方が突起が角張っている。すでに、うっすらとホコリがたまっているのがわかる。


D502iよりも女性に似合いそう

 さて、最後にD209iの「買い」診断をしてみよう。まず、フリップ式を好むと言われる女性ユーザーだが、D209iはD502iよりもスリムであり、持ったときの印象もスマートだ。D502iの画面サイズやiモード関連機能の使い勝手も魅力だが、デザインを重視する女性にはD209iの方がおすすめできる。逆に、カラー対応iモード端末という観点で見た場合、D209iの選択は少々悩む。D502iよりも画面が小さく、F209iやSH821iと比べても画面サイズに大きな差がないためだ。

 また、209iシリーズの中で比較してみると、D209iはやや中庸的な印象だ。F209iの「きゃらいふ」のような遊び心もなければ、P209iのボディカラーのようなインパクト(ビンテージレッドに限られるが)もなく、N502iの折りたたみ式や光るエンブレムのような個性もない。もちろん、「D」シリーズの個性であるフリップ機構や新たに採用されたフリップ動作の効果音も魅力になるのだが、もうひとつ全体的なインパクトに欠けるのだ。広野忠敏氏のコラムで言うところの「イバリ度」がないというわけだ。

 とまあ、やや厳しい内容になってしまったが、D209iのフリップ機構はひとつの文化であり、「普通の個性」を求める人にはおすすめできる製品だ。ぜひとも次期モデルでは効果音機能を強化し、「そんなにあちこちで鳴らさなくてもいいだろう」と書かせてくれるくらい『楽しい端末』になることを期待したい。


■スペック表

D208 D502i D209i
外観 D208 D502i D209i
端末仕様
サイズ(高×幅×厚) 121×40×18mm 132×43×20mm 124×41×18mm
重量 約67g 約84g 約74g
連続通話時間 約120分 約130分 約120分
連続待受時間 約400時間 約350時間 約400時間
充電時間 約90分 約110分 約100分
液晶 モノクロ2階調 256色カラー 256色カラー
ボディカラー ムーンゴールド
グレースホワイト
メタリックロゼ
ライラックパール
ピュアホワイト
ダイヤモンドシルバー
ミスティホワイト
ダークチタン
フロストピンク
スペック
メモリダイヤル 500件 500件 500件
着信メロディ 3和音
10曲
作曲20曲
3和音
15曲
作曲20曲
ダウンロード10曲
3和音
15曲
作曲15曲
ダウンロード10曲
着信パターン 5種類 5種類 5種類
リダイヤル 20件 20件 20件
不在着信・着信履歴 20件 20件 20件
iモードのスペック
メールアドレス 500件 500件
受信メール 99件 200件
送信メール 20件 50件
メッセージR/F 各20件 各20件
ブックマーク 50件 50件
画面メモ 50画面 50画面

■URL
・D209iニュースリリース(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/new/contents/00/whatnew0704.html
・D209i商品情報(NTTドコモ)
http://www.nttdocomo.co.jp/i/lineup/d209i/d209i.html



(法林岳之)
2000/07/18 00:00

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