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カメラで遊べる「フォトパレット」
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■ PacketOne対応メール端末がいよいよ発売
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IDO フォトパレット
オープン価格、124×71×25mm(幅×奥行×高)、約159g(単4乾電池2本を含む)
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今年1月からDDI-セルラー/IDOは、cdmaOneのパケット通信サービス『PacketOne』を提供している。主に、EZwebやEZaccessのコンテンツの閲覧がiモードなどと同じように、パケット通信でできることが注目されているが、データ通信カードを組み合わせれば、最大64kbpsというISDN並みの高速通信も可能になる。
とは言うものの、現実的に誰もがパソコンを持っているわけではない。もっと手軽にPacketOneのメリットが体感できるメール端末の登場が待たれていた。今年1月、この連載でPacketOneを取り上げたときも、cdmaOne陣営に対し、「PacketOne対応メール端末を出して欲しい」という要望を書いたが、意外にも早く回答となる製品が登場した。それが今回紹介するPacketOne対応メール端末「フォトパレット」だ。
■ 159gのコンパクトボディ
フォトパレットは松下通信工業の開発によるメール端末で、DDI-セルラーとIDOの各エリアで、それぞれのロゴが入った製品が販売される。基本的なスペックに違いはない。
まず、フォトパレットを見て、最初に驚かされるのがそのボディサイズだ。今までの各社のメール端末よりも明らかにコンパクトなのだ。「コミュニケーションパル MT-300C」(シャープ)と並べた写真を見てもらえればわかるが、ふた回りは小さく見える。重量もわずか159gしかないため、上着のポケットに入れて持ち歩いてもまったく気にならない。ちなみに、これまでメール端末として最も軽いと言われていたツーカーセルラー東京の「Cara」は185g。フォトパレットはCara以上の機能を搭載しながら、15%も軽量化されている計算だ。
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「フォトパレット」(手前)と「コミュニケーションパル MT-300」(後ろ)。こうしてみると、親子と呼びたくなるほどの差がある
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閉じた状態で重ねてみると、ふた回りほど違う。このコンパクトさがフォトパレットのもうひとつの魅力だ
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本体は240×160ドット表示が可能なD-TFD反射型カラー液晶を搭載し、液晶ディスプレイの右上には5万1840画素のC-MOSカメラを内蔵する。C-MOSカメラは144×120ドットの画像が撮影でき、フォトパレット本体に約100枚(1枚あたり7KBの場合)の画像を保存できる。こうしたカメラを内蔵したメール端末としては、「Pocket・E」(九州松下電器)や「キャメッセプチ」(NTTドコモ)があるが、Pocket・Eはモノクロであり、キャメッセプチはキーボード付きではない。フォトパレットはこれらを一気に上回るスペックを実現したわけだ。
携帯電話との接続ケーブルは、底面に格納されている。格納するコネクタの向きがやや独特なため、最初は扱いに戸惑うが、実用上は何ら不満はない。ちなみに、コネクタ格納部の横には乾電池ボックスがあり、単4乾電池2本で本体を駆動する。
キーボードは一般的なQWERTY配列を採用しているが、数字キーや記号キーは省略されている。数字キーの省略は小型化のために避けられないのかもしれないが、「@」(アットマーク)や「.」(ピリオド)、「/」(スラッシュ)などのインターネットで頻繁に利用する記号くらいはダイレクトに入力できるようにして欲しかった。キータッチはキーストロークがかなり浅いため、キーボードというよりはボタンに近い操作感だ。ただ、実際に操作している上ではあまり不満を感じない。ちなみに、キーピッチは約10mmを確保している。
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接続ケーブルは底面に格納されている。コネクタの格納されたときの向きが他の機種と異なる。コネクタの根元の部分を押し込むと固定される
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キーボードはQWERTY配列を採用。数字キーがないため、通常より1列少ない。記号類も省略されている
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キーボード右下には十字キーが配され、その隣りに[実行]キーと[戻る]キーがある。これらのキーはメニューなどを操作する上で、頻繁に利用するのだが、個人的にはPocket・Eのように、左上に欲しかった気もする。
■ メールは便利だが、Webブラウザは……
メールは一般的なPOP3/SMTPによるインターネットメールに対応し、送受信メールはそれぞれ100件ずつ保存しておくことができる。メールの作成画面も20文字×10行と広い。アドレス帳も100件まで登録でき、名前やふりがな、携帯電話番号、メールアドレスを登録しておくことが可能で、本体内蔵のC-MOSカメラで撮影した画像を貼り付けておくこともできる。
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メインメニュー画面。十字キーで使いたい機能を選んで[実行]キーで起動する
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携帯電話の電話帳メモリの編集ソフトも内蔵されているが、転送できるのは名前や電話番号だけに限られているため、不用意に携帯電話側に書き込むと携帯電話側に登録されたメールアドレスを消してしまう恐れがある。これはパソコン用の電話帳メモリ編集ソフトでも同じことだが、今や携帯電話でメールを使うことは当たり前になっているのだから、名前や携帯電話番号と同じように、メールアドレスも編集できるようにすべきだろう。
メールの作成は非常にカンタンだ。宛先やタイトル、本文を入力し、[実行]キーを押せば、写真の添付の有無が確認され、あとは送信するだけだ。CcやBccにも対応している。ただし、送受信できるメールのサイズに制限があり、送信メールが約15KB、受信メールが64KB、添付ファイルを含めた最大サイズも100KBまでとなっている。添付ファイルは送信時がJPEG形式、受信時はJPEG形式とGIF形式に対応しており、受信したGIFファイルはJPEG形式に変換して保存される。日本語入力はローマ字かな変換に固定されている。変換効率は最近のメール端末にしては今ひとつで、特に文節の区切り直しなどがわかりにくかった。
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ケータイWatchを表示してみたが、すべてを読み込むことはできなかった。しかも実際に見えるのはこれだけ
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データ通信は冒頭でも紹介したように、14.4/64kbpsパケット通信、14.4kbps回線交換に対応している。14.4kbps接続と64kbps接続は違いを体感できるレベルだが、パソコンで利用しているときほどではない。14.4kbpsパケット通信の標準契約のユーザーでも十分快適に利用できる。
インターネットへの接続は最大8カ所までで、DIONへのオンラインサインアッププログラムも内蔵されている。ただし、Pocket・Eのように、オンラインサインアップが必須というわけではないので、すでにプロバイダと契約しているユーザーも安心して購入することができる。
■ C-MOSカメラは面白い
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C-MOSカメラは180度回転する。背面側に向けたときは、画面内で[反転]のメニューを選択すると、天地が反転する
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さて、注目のC-MOSカメラだが、これがなかなかよくできている。たとえば、カメラ部分は手前側から背面側に回転するようになっているのだが、このままでは背面側を向けたとき、天地が逆になってしまう。「VAIO C1シリーズ」(ソニー)などでは背面側に向けたときに、自動的に天地を反転するようになっているのだが、フォトパレットでは本体のメニュー内に[反転]という項目が用意されており、これを選択すると天地が反転する。
また、個人的に便利だと感じたのがセルフタイマーだ。普通のカメラなどと同じように、ボタンを押してから約10秒後にシャッターが切れるようになっており、パーティや記念写真の撮影などでは威力を発揮しそうだ。
撮影した写真はそのままメールに添付して送信することもできるが、写真にフレームをつけたり、スタンプを押したりして、加工することが可能だ。144×120ドットというサイズはあまり大きくないが、遊び心はしっかり持ち合わせており、ユーザーのセンス次第で、いろいろな遊び方ができそうだ。
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サンプル画像 その1。C301Tクリアカラーコレクションを室内で撮影。やや色はキツいかも? |
サンプル画像 その2。屋外で撮影。青い空の様子もよくわかる |
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サンプル画像 その3。室内で筆者を撮影。やや荒めだが、十分誰なのかが判別できるレベル |
サンプル画像 その4。室内で撮影した画像にフレームとスタンプを貼り付けてみた |
■ フォトパレットは「買い」か?
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フォトパレットとC301Tクリアカラーコレクション。本来はこういう組み合わせで使いたいユーザー向けの商品だが、「おとなのおもちゃ」としても使えるかも!?
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PacketOneに対応したメール端末として、はじめて登場したフォトパレットだが、実際に試用した感覚は良く、かなり遊べるのではないかという印象が得られた。本体の動作速度は決して速くないのだが、やはり「C-MOSカメラで写真を撮る」「画像を加工する」「メールに添付して送信する」という遊びは、非常に面白く、今後、お手軽メール端末のトレンドになりそうな予感がする。
ただ、細かい点に不満がないわけではない。たとえば、キーボードで記号キーが省略されていること、動作速度が速くないこと、Webブラウザで表示できないページがやや多いことなどが挙げられる。また、せっかくPacketOne対応メール端末として開発したのに、EZサービスを活かす機能が搭載されていないことなども気になる。これらは次期モデルでの改善を期待したい。
筆者は初代ポケットボード以降、ほとんどのキーボード付きメール端末を購入し、実際に触ってきたが、今回ははじめて個人的に持ち歩いてもいいかなという気になった。撮影した画像をすぐに送信できることも重要なポイントだが、それ以上にうれしいのがボディサイズだ。これだけコンパクトにまとめられていれば、上着のポケットやカバンのポケットに、ちょっと忍ばせておくこともできる。友だちと遊びに行ったとき、どこかで面白いものを見つけたとき、誰かに会ったときなど、さまざまなシチュエーションでフォトパレットを活用できそうな気がするのだ。原稿執筆時点ではフォトパレットの実売価格はわからないが、もし1万円台で購入できるのなら、遊び道具として購入してもいいのではないだろうか。cdmaOneユーザーなら、ぜひチェックしておきたいメール端末と言えそうだ。
■URL
・「フォトパレット」ニュースリリース(DDI-セルラー)
http://www.ddi.co.jp/release/000315a/
・「Cara」ニュースリリース(IDO)
http://www.ido.co.jp/release/news/20000315.html
(法林岳之)
2000/04/18 00:00
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