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【mobidec 2001】
アプリックス、理想は「あらゆる機器にJava」

 8月29日と30日の2日間にわたり開催されている携帯電話向けのコンテンツやアプリケーションの開発者を対象とした技術カンファレンス「mobidec 2001」。auのezplusやJ-フォンのJavaアプリのプラットフォームとして「microJBlend」を提供するアプリックスのES研究開発部 主任研究員の小林哲之氏が「携帯Javaアプリケーションの現状と展望」と題した講演を行なった。


CLDCの“L”が重要

小林哲之氏

アプリックス
ES研究開発部 主任研究員
小林哲之氏
 小林氏はまず、携帯電話向けのJava環境であるJ2ME CLDCについて「CLDCとはConnected Limited Device Configurationの略だが、このLimitedというところが非常に重要な意味を持っている。基本的な機能は揃っているが、それぞれ少しずつ省略されている。パソコン向けのJavaとの決定的な違いはセキュリティマネージャーが存在しないというところ」と語った。

 「そこには自由度や安全性、メモリサイズのトレードオフの関係があり、各携帯電話事業者でそれらに対するアプローチの仕方が違っている。各社の仕様の違いは、他社との差別化というところもあるが、最適な方法を探している段階というのが実際のところ」なのだという。


Javaは携帯のシステムプラットフォームに

 また、同氏はJavaの使われ方について、「現在のところ、電話帳やブラウザー、メールソフトなどのアプリケーションはJava環境の上ではなく、各端末のOS上でネイティブアプリケーションとして動作している。今後は、ブラウザーやメールソフトといったアプリケーションがJava上で動作するようになり、さらに全てのアプリケーションがJava上で動作するようになる」と、将来的にはJavaが携帯電話のシステムプラットフォームとして存在感を強めるとの見通しを示した。

 Javaをシステムプラットフォームとして採用することのメリットとして、同氏は「サービスアプリケーションのネットワーク配信を通して、端末を買い換えることなくユーザーに新しいサービスを提供できる」ことをあげた。

 しかし、その一方では、Javaよりも高速実行が可能とされるクアルコムが提唱する携帯向けプラットフォーム「BREW」といったソリューションや、前述のセキュリティの問題等も存在するのも事実だ。


「あらゆる機器にJava」が理想

 最後に小林氏は「あらゆる機器にJava」という理想について、「まず開発ツールや関連書籍、サンプルプログラム等がケータイJava向けに発達し、その後、他の組込システム向けにも応用されていくのではないか。大型LCDのついたMDコンポなど、適用可能な家電製品は多く、今まではメーカーの開発者がそれらのインターフェイスを作成していたが、Javaが導入されることで、そこにデザイナーやコンテンツメーカーが参加可能となり、より親しみやすい製品となるだろう」と語った。


・ アプリックス
  http://www.aplix.co.jp/

J-フォン、Java対応端末を来年発売
アプリックス、携帯向けJava環境「microJBlend」の提供を本格化
KDDI、今夏導入のJava仕様の概要を公表
クアルコム「Javaより速く自由度が高い」携帯用アプリ開発環境。


(湯野 康隆)
2001/08/29 22:23

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