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留守電をテキスト化、知らない発信元もわかるアプリ「スマート留守電」

 ソースネクストは、留守電メッセージを自動でテキスト化して表示するアプリ「スマート留守電」の提供を開始した。利用料はiPhone版が月額360円(税込、以下同)、Android版が月額290円。量販店でのパッケージ販売やMVNOのオプションサービスとしても提供される。

 「スマート留守電」は、留守番電話を自動でテキスト化して表示するアプリ。サービス利用時に専用の050で始まる電話番号が発行され、普段利用している電話番号の着信をその番号へ転送して利用する。転送先の「スマート留守電」番号では、最大1分間の留守電メッセージを録音する。

 録音されたメッセージは、サーバー上でテキスト化されて、数十秒後にはアプリから確認できる。アプリでは、テキスト化された文章の気になる部分をタップすると、その部分の録音メッセージを再生する。

 録音とテキスト化されたデータは、サーバー上に期間・容量無制限で保存され、アプリでは1週間保持される。アプリへの通知と同時に、録音とテキスト化されたメッセージは、あらかじめ登録したメールアドレスにも送信される。

 会社のフィーチャーフォンや自宅の固定電話など、複数の電話番号でひとつの「スマート留守電」の番号に転送するよう設定しておき、留守電をまとめて利用することもできる。通話転送機能に対応していれば、IP電話サービスでも利用できる。

 また、宅配便のドライバーやお店など、連絡先に登録していない電話番号からの着信で、発信者を表示できる。発信元の特定のために、トビラシステムズの法人電話番号データベースを参照しており、590万件の電話番号の表示に対応する。

 通話転送機能を利用する仕組みのため、利用料とは別に転送元回線で通話料が発生する。大手キャリアのかけ放題プランに加入している場合は、通話料無料で転送電話機能を利用できる。

 録音メッセージのテキスト化には、米ニュアンス・コミュニケーションズの音声認識技術を利用しており、自動で変換される。滑舌が悪い場合などは誤変換することがあるが、一般的な留守番電話サービスのように録音された音声を確認できる。

アプリ利用イージ

今秋に多言語のテキスト化に対応、海外展開へ

代表取締役社長 松田憲幸氏(右)とタレントの剛力彩芽(左)

 発表会で登壇したソースネクストの代表取締役社長 松田憲幸氏は、いままでの留守番電話サービスについて「センターに通話して音声で確認する方式は、1977年の提供開始からほとんど変化していない」と指摘。

 同社が実施したアンケート調査の結果から「音声メッセージを聞くのが面倒」「その場ですぐに聞けない」といったユーザーの声を紹介した。

 松田氏は「スマート留守電」について、電話ができない状況でもテキスト化されたものを「読める」留守電と表現。会議中にパソコンで留守電を確認したり、電車や病院でアプリから確認したりといった利用シーンを紹介した。

 同氏が特に便利だったという利用シーンは、海外出張時に日本の携帯電話番号宛の留守電を確認するというもの。キャリアの留守番電話サービスに海外から国際ローミングでかけると1分で180~200円程度の通話料がかかるが、スマート留守電では、日本に携帯電話を置いたままで、海外からデータ通信で留守番電話を確認できるという。

 一方で、音声認識技術がまだ発展途上にあるため、現状ではすべての着信で確実にテキスト化できるわけではないことに触れ、「実際に使ってみて、音声認識以上に便利だったのは、誰から着信があったかを知ることができること。会議中にパソコンを見ていても着信を知ることができるのが大きい」と話した。

 「スマート留守電」は今後、2017年度までに100万ユーザーを目指す。MVNOのオプションサービスとしては、楽天モバイルやイオンモバイルなどに提供される。

 また、同アプリは欧米や台湾、オーストラリアなど、海外でも展開する。秋ごろには英語、中国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語など、多言語への対応を予定している。これは、着信する電話番号ごとに音声認識に使用する言語を変更できるものになる。そのほか、スマートウォッチへの対応も予定しているという。

剛力彩芽も登場

 発表会ではソースネクストのイメージキャラクターを務めるタレントの剛力彩芽が登場。

 「仕事中に留守電が来ると忘れてしまい、思い出したときには用事が済んでいたことがあった」と留守番電話についての体験を語り、そういった時に「スマート留守電で通知で見られると忘れなくて嬉しい」とアプリをアピールした。

剛力彩芽

石井 徹