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Japan IT WeekにバーチャルSIM技術搭載のモバイルルーター

クアルコムはIEEE802.11adをデモ

 5月11日~13日にかけて、東京ビッグサイトで「第25回 Japan IT Week 春」が開催されている。「第6回 スマートフォン&モバイルEXPO 春」や「第5回 IoT/M2M展 春」など、12の展示会が同時に開催されている。

 法人向けのソリューションが中心となる展示会だが、興味深い展示もいくつか見られたので、本稿ではそれらを紹介したい。

バーチャルSIM技術搭載のモバイルルーター

Keepgo

 海外用モバイルルーターのレンタルサービス「イモトのWiFi」などで知られるエクスコムグローバルは、イスラエル企業と共同開発したというバーチャルSIM技術を取り入れたモバイルルーターを披露。今秋より「Keepgo」ブランドで法人向けにサービスの提供が開始されるという。

 「Keepgo」と名付けられた端末にはSIMカードスロットは無く、本体充電用のMicro USB端子と、外部デバイスを充電できるUSB端子があるのみ。6000mAhのバッテリーを内蔵しており、長時間の利用が可能。14のLTEバンドに対応しており、40カ国でLTEによる通信が行える。3Gのエリアを含めると160以上の国と地域で利用できる。

 料金プランは、「端末購入プラン」と「レンタル利用プラン」のいずれかを選択可能。端末購入プランでは、2万3800円(税別、以下同)で端末を購入し、月額基本料金を980円支払う。レンタル利用プランでは、基本料金の980円と端末のレンタル料金の1580円を毎月支払う。これに加え、利用した地域ごとのデータ通信(日額680円~1580円)を支払うことになる。このほか、法人アカウントを開設する初期費用として2980円がかかる。

 法人向けのサービスということで、法人アカウントごとに専用の管理画面が用意され、利用履歴や請求情報を任意のタイミングで確認できる。従来のレンタルサービスでは、その都度端末の受け取りや返却の作業が発生していたが、Keepgoでは月額基本料金がかかるものの、端末を常時手元に置いておけるというメリットがある。長時間の移動などで、実際にはルーターを利用していない日の料金が発生することもない。

クアルコム、IEEE802.11ad対応スマホの通信デモを国内で初披露

IEEE802.11adのデモ

 クアルコムは、IEEE802.11ad対応のスマートフォンの試作機を使った通信のデモを国内で初めて披露した。

 デモでは、11acと11adに対応したトライバンド(2.4GHz/5GHz/60GHz)のアクセスポイントを用意し、11ac対応のスマートフォン3台、11ad対応のスマートフォン1台をぶら下げて、実際にどれくらいのスループットが出るのかをモニタリング。11acのスループットが322Mbpsであるのに対し、11adでは2414Mbpsとはるかに高速で通信できる様子が確認できた。

 同規格に対応したスマートフォンは、中国のLeTVから今夏発売され、その後、ハイエンドモデルを中心に順次対応端末が増えていく見込み。日本でも来年には対応端末が登場するものとみられる。

 このほかクアルコムでは、ハイエンドのチップセットとなる「Snapdragon 820」を車載用にカスタマイズした「Snapdragon 820Am」のデモも行っていた。スマートフォンよりも過酷な使用環境や長期での利用に耐えるように調整が加えられているという。デモでは、HDのメーターパネルと4Kのナビゲーションディスプレイ、HDの後部座席用エンターテインメントディスプレイを1チップで制御する様子が披露されていた。

「Snapdragon 820Am」のデモ
開発用ボードの「DragonBoard」なども並んでいた

mineo、M2M/IoTソリューションをワンストップで

mineoのM2Mソリューション

 「mineo」ブランドでMVNO事業を展開するケイ・オプティコムは、法人向けの製造管理ソリューションや車両運行管理ソリューションを展示。いずれも今年3月に受付を開始したM2M/IoT向けのプラン「M2Mアクセス」を活用したものとなる。

 後者については、6月1日より試験提供が開始される予定。初期費用3万5000円+月額1500円の「デバイス買取コース」と、初期費用3000円+月額3000円の「デバイスレンタルコース」の2つ料金コースが用意されている。

 同社では、M2Mアクセスのプラン拡張を含め、M2M/IoTソリューションの拡充を図っていくとしている。

各種ウェアラブル機器でナビの実現を目指すゼンリンデータコム

 ゼンリンデータコムは、さまざまなウェアラブルデバイス上でのナビゲーションのデモを披露。

 アイウェア型の「Telepathy Walker」では、矢印で目的地を指し示す「ARrow NAVI」が体験できるほか、同じくアイウェア型の「MOVERIO」では、観光スポットを3言語(日本語・英語・韓国語)で案内するアプリを体験できるようになっている。

「Telepathy Walker」を使ったナビのイメージ
「MOVERIO」を使ったナビのイメージ

 ウォッチ型ではAndroid Wear向けのナビゲーションアプリ「いつもNAVI for Android Wear β」のデモも用意されている。

 同社では、さまざまなデバイス上でナビサービスを実現できるように、開発を進めて行くとしている。

「いつもNAVI for Android Wear β」のデモ

湯野 康隆