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ドコモ加藤社長、“蕎麦打ち体験”を熱く語る
新サービス「すきじかん」の魅力をアピール
(2015/9/30 20:15)
NTTドコモは30日、2015年冬~2016年春に発売する新機種や、新サービスの「すきじかん」を発表した。加藤薫社長のプレゼンテーションは、新機種、新サービスともにある程度の時間をかけ、4月から掲げる「いつか、あたりまえになることを」というスローガンに沿った内容であることをアピールした。
多くの新機種、全てをきちんと紹介
「Nexus 5X」も含む新機種は、プレミアム~カジュアルまでラインアップしたものと加藤社長。プレゼンテーション冒頭では、4Kディスプレイを搭載する「Xperia Z5 Premium」や、300Mbps対応の「AQUOS ZETA」をまず取り上げる。こうした機種は最先端のスペックを実現した存在であり、「いつか、あたりまえになることを」というスローガンにマッチする、という形だ。
本誌では、各機種の詳細をそれぞれ別記事で紹介しているが、加藤社長は、約40分かけたプレゼンテーションのうち、約25分を新機種群の紹介にあてた。
スマートフォン10機種、タブレット1機種、Wi-Fiルーター1機種とそれなりの数をラインアップすることから、1機種あたりの説明に費やす時間は限られたものとなったが、たとえばディズニースマホについては「今回はディズニーパークがテーマで、着せ替えでトゥモローランドなど4つの世界を楽しめる」、arrowsシリーズは「NXは虹彩認証に対応している。Fitも指紋認証に対応し、色鮮やかな有機ELで何よりもお求めやすい価格」と、いずれの機種についても要点を押さえて、特徴にきちんと触れる。
熱く語る加藤社長
新機種群の紹介を終えた加藤社長は、新サービスの「すきじかん」のフェーズに入ると、「ちょっとやってみたい、というサービスを体験できるもの。クルージングや乗馬など、少し冒険してみたいというものを楽しんでいただける。少し体験したので、その様子を紹介したい」と概要から、そのまま「加藤の蕎麦打ち体験記でございます!」と、楽しげに語り始める。
加藤氏
「師匠はひげ面で、ちょっと怖そうだが優しい人。この人が『言うとおりにしたら、今まで食べた蕎麦のなかでも、一番美味しい蕎麦ができるよ、ただし、言うことは聞けよ』と。ヤマナカさんという方なんですが、蕎麦は水がポイントで、水をはかるんですね。こうして水をまわすんだよ、と言われて、3/4ほど水を入れる。こね始めると、手にくっついて仕方ない。本来、そば粉と水はずいぶん相性が悪いらしい。どこかの会社みたい(会場から笑い)。無理矢理こねたらケンカする。みんなが仲良く集まってこないから、まずはすり合わせる。ほぐすようにする、そうすると仲が良くなって、くっついてくるんだよと。まさに人間社会と同じでございます」
身振り手振りで、蕎麦の生地を作る手順を1つ1つ、丁寧に説明していく加藤社長。携帯電話の新機種発表会で、蕎麦打ちのコツを聞かせる場面はこれまでにないものではあるが、これは「すきじかん」が提供する“体験”とはいったいどんなものなのか、わかりやすく伝えるもの。熱弁をふるう加藤社長が、続けてガラス工芸まで体験してきた様子を語り始めれば、話にひきこまれていた取材陣からも、その熱中ぶりに笑いが起こる。
加藤社長が語るさまは、これまでの発表会のなかでも、もっとも楽しげ。同氏は、「すきじかん」のことを“好奇心をもってちょっと飛び越えると自分の生活や人生を彩ってくれるサービス”と表現したが、自身が体験したエピソードを中心に据えたことで、「人生を彩る」という言葉に説得力を持たせた。
CMキャラクターの綾野剛も熱い
プレゼンテーションの後に登場した、CMキャラクターの堤真一、綾野剛、高畑充希が登場。2015年夏モデルからCMキャラクターになった3人だが、夏モデルのときには離れた場所からの出演になっていた綾野が今回、初めて登壇。そこでガジェット好きの一面を惜しげもなく披露する。
綾野
「(4Kカメラで撮影した写真を見せつつ)これ、肉眼で見るとこう見える。普通のカメラと比べて、輪郭がハッキリして黒もしっかり出る。4Kで撮ると本当にびっくりする。眼球は一番素晴らしいレンズだと思うので、それに限りなく近づいている……素晴らしいです」
「すきじかん」を紹介する場面では、「カタログに溶接があった。そこへ入ってくるところに、ドコモさんの本気度を感じた。高校の時にやっていたが、気になります(カタログに乗っているのを知って)興奮した」と力を込める。
dポイントクラブアプリ
ドコモでは、12月、現在の「ドコモポイント」を「dポイント」に変更し、リアル店舗でも利用できるようにする予定。それにあわせ、「dポイントクラブアプリ」が12月から提供されることが明らかにされた。
30日に発表された新機種群にはプリインストールされる予定で、アプリ上では保有ポイント数、実施中のキャンペーン、クーポンなどが一元的にまとめられる。11月中旬に詳細が発表される。
Windowsスマホ、予定なし
質疑応答で、今回のラインアップのテーマを問われた加藤社長は「13機種34色、いろんな特徴をもたせたつもり。ハイスペックもあるし、価格的にもサイズ的にお手頃な物を用意した。どちらかに偏ったわけではない」とコメントし、バランス良く配分した、とする。
一方、海外で発表された「Galaxy Note 5」「Galaxy S6 edge+」がラインアップに入っていないことについては、「ノートというか、ファブレットサイズは一定のサイクルもあると思う。今回は10.1インチディスプレイのdtabを開発した。時期を見て、(ファブレットサイズを)入れていきたい」と述べるに留まった。
近日、登場する見通しのWindows 10 Mobileについては、プロダクト部長の丸山誠治氏が「今のところ予定はない」とあっさりコメント。ただ、今回発表した機種だけで春商戦まで乗り切るのか、という問いに丸山氏は「追加があるかもしれない」。加藤氏も「この業界、何があるかわかりませんので」と補足した。
月額1700円の「カケホーダイライト」の利用動向は、「ずいぶん加入されると思ったけど、(1回あたりの)5分を意識される方も多いようだ。ただし(提供開始から)非常に短い期間なので、注視しながら考えたい」とした。
このほかAndroid 6.0へのバージョンアップを宣言した件について丸山氏は「グローバルでバージョンアップしたのに、ドコモではさらに半年かかっていたこともあった。それを縮めたい」と説明した。