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Pepperを世界販売へ、フォックスコンとアリババが参画

ジャック・マー氏「ロボットはありふれたもの、人生の一部になる」

 ソフトバンクは、感情エンジンを備えた人型ロボット「Pepper」を世界で販売する。6月18日開催された、日本での一般販売開始に関する発表会で明らかにされた。

 時期や販売国は明らかにされていないが、2015年中に海外で試験的な販売が開始される見込みで、本格展開については「少なくとも来年には進出できるようにしたい」(孫社長)とした。

 発表会では、ソフトバンク ロボティクス ホールディングスに対し、ソフトバンクが60%、foxconn(フォックスコン、鴻海)とAlibaba(アリババ)がそれぞれ20%ずつ出資し、世界進出に向け体制を強化する計画が発表された。

 発表会ではまた、Pepperの製造を担当しているfoxconn Chairman and CEOのTerry Gou(テリー・ゴウ)氏が登壇し、Pepperのさらなる成長や販売の拡大を支援していく方針を語った。

 さらに、Alibaba創業者で会長のJack Ma(ジャック・マー)氏も登場し、ソフトバンクのロボット事業に協力していく姿勢を示した。マー氏が語った概要は、以下の通り。

 「ロボットは、好きか嫌いかに関わらず、車と同じように、人気で、ありふれたものになる。今後30年の重要な分野であり、ロボット産業は拡大していく。人の体の動きを機械に肩代わりさせたのが100年前。車や飛行機の登場で、移動も機械になった。情報革命の今、頭脳の重要性は増しており、ロボットが頭脳の代わりとしてさらに賢くなるのは、間違いない。ロボットの記憶に間違いはなく、疲労も知らない。では人間にはなにができるのか。孫さんは、勇敢にもロボットにハートを入れると考えた。非常に大きな挑戦で、革命だ。感情とは心で、魂が宿る場所。我々は外の世界(身の回りの世界)を知っているが、Pepperが感情を持つことで、(対峙し、映しだされる)自分の内面を知ることができるようになるだろう。好き嫌いに関わらず、ロボットは人生の一部になる。我々は心の準備をする必要がある」

 両社の具体的な役割について詳細は明らかにされていないが、foxconnは製造を担当していることから、関係を強化した形。Alibabaについては、強力な顧客・販売チャネル、クラウド技術などに言及されている。孫社長は「両社のトップが来てくれたことが、強いコミットメントだ。世界展開を謳った以上、必ずやるが、時期や国、言語は今日の段階ではノーコメントとさせていただきたい」としている。

foxconn Chairman and CEOのTerry Gou(テリー・ゴウ)氏
Alibaba創業者で会長のJack Ma(ジャック・マー)氏

太田 亮三