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スマホが国内56.5万人の雇用を生み出した――グーグルとNRIが調査

 グーグルと野村総合研究所(NRI)は、日本経済に対してインターネットがどの程度貢献しているかまとめた「インターネット経済調査報告書」の2014年度版を発表した。スマートフォンの普及で創出された市場を「アプリ経済」と名付け、2013年度における規模は約8200億円と分析する。

 同調査によれば、2011年度には約2200億円規模だったアプリ経済は、その後、年平均成長率で90%となり、2013年度には約4倍の規模にまで膨れあがった。その推計には、スマートフォン向け広告、有料アプリの広告、ソーシャルゲームの課金などが含まれる。なお、「アプリ経済」の定義に、パソコン向けネット通販を以前より行っている事業者のアプリは含まれておらず、スマートフォン向けアプリで新たに登場したビジネスに限った市場規模になっている。

 たとえば、ネット通販(Eコマース)市場では、スマホ向け市場が全体の23%を占めるとされているが、「アプリ経済」の定義に含まれるのは1.7%程度に留まる。既存事業者のアプリを含めれば、スマートフォンアプリでのビジネスの規模は約8200億円をはるかに超えるものと見られている。

 この大規模な市場は当然、雇用を生み出している。同調査では、アプリ経済が2014年、56.5万人の雇用を創出したと推計。そのうちアプリ開発者は24.4万人で、企画や販売・広告宣伝などに携わる人は19.5万人規模とされていう。また情報通信業以外にも、航空会社や運送業者、自動車メーカー、小売店などがアプリを手がけるようになった。スマートフォンの普及によって、さまざまな業種から参入が相次いでいることが明らかにされている。

関口 聖