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ドコモ、下り225Mbps「PREMIUM 4G」3月27日開始~22都道府県の都市部から

 NTTドコモは、第4世代(4G)の通信技術であるLTE-Advancedによるサービスを3月27日により提供する。対応機種は当初、モバイルWi-Fiルーター2機種で、下り最大225Mbpsの高速通信が利用できるようになる。この速度にあわせて、2月25日に説明会が開催された。

 LTE-Advancedは、第4世代の通信技術として、国内では既にauが、その要素技術の1つであり、複数の周波数を束ねて使えるキャリアアグリゲーション(CA)を導入済。今回、ドコモではCAを導入し、さらに同社の新技術で、大小の基地局を取り混ぜて展開することで通信容量を拡大して繋がりやすくする「高度化C-RAN」もあわせて導入、下り最大225Mbpsを実現する。通信速度が向上し、通信のキャパシティが拡がる技術であり、特に都心部の通信が混み合う場所での導入が想定されており、そうした場所ではこれまでより繋がりやすくなると見られる。同社では、「PREMIUM 4G」と銘打ち、その品質をアピールする。

 同社では2015年度早期にLTE-Advanced対応スマートフォンを導入する考え。2016年度には300Mbpsという通信速度を目指す。

説明を行ったNTTドコモ取締役常務執行役員 ネットワーク部長の大松澤 清博氏
対応機種は今春登場のモバイルWi-Fiルーター2機種

混雑する場所で導入、実行速度は70%向上

 今回の取り組みは、キャリアアグリゲーションで高速化を実現し、通信が混雑する場所へ的確に小規模な基地局を追加できる高度化C-RANの組み合わせで、通信のキャパシティを拡充させて、品質向上を図るというもの。場所によっては高度化C-RANの対象外となることもあるが、基本的にはトラフィックが集中する、都心部の駅周辺などが対象エリアとなる。

 昨年11月からは神奈川県横須賀地区、茨城県鉾田地区、北海道札幌地区の商用環境でフィールドテストを実施。トラフィックが集中、つまり通信が混雑する場所において通信速度は通常のLTE(下り最大112.5Mbps)と比べて、LTE-Advanced(下り最大225Mbps)は70%速い実効速度になったという。

段階的にエリア拡充

 既にドコモのサービスでは下り最大150Mbpsを実現しており、今回の新サービスは、先述したように通信が混み合う場所から導入される。3月27日のサービス開始時点では、全国22都道府県の38都市がサービスエリアとなり、その場所はドコモのWebサイトで案内されている。たとえば北海道札幌市では中央区大通西1丁目、兵庫県神戸市では中央区御幸通7丁目など、地図ではなくリストでの案内。面ではなくスポット的な展開となるためこうした案内になっており、人口カバー率で表現するのは難しいのだという。

 東京の山手線では、3月にエリア化するのは、東京駅、神田駅、秋葉原駅、新橋駅、品川駅、渋谷駅、新宿駅、池袋駅、大塚駅となる。その他の駅は6月以降に対応予定で、たとえば上野や浜松町は6月、日暮里や恵比寿は7月以降に対応予定だ。

300Mbpsを見据えて

 ドコモのキャリアアグリゲーションは、800MHz帯(10MHz幅)と1.7GHz帯(20MHz幅)、あるいは1.5GHz帯(15MHz幅)と2GHz帯(15MHz幅)、つまり計30MHz幅の電波を使って実現する。

 今後ドコモでは、2015年度中に下り最大300Mbpsを実現する方針で、現在のところ、3波使うキャリアアグリゲーションを検討しているとのことだが、利用する周波数帯など詳細はまだまだ検討中とのこと。

 その世界をいち早く体験できるよう、東京・丸の内(有楽町)のドコモラウンジ、名古屋・栄のスマートフォンラウンジ、大阪・梅田のドコモショップグランフロント大阪において、下り最大262.5Mbps(112.5Mbps+150Mbps)のサービスを体験できるようにしている。これは、800MHz帯(15MHz幅)と1.7GHz帯(20MHz幅)の組み合わせで実現したものだが、この周波数は、体験スポット3カ所だけで用いられているもので、今後、商用化の予定はないとのこと。なお、今回のサービスと関わりはないが、700MHz帯のLTEサービスは2014年度内に開始する予定で、開始日はまだ明らかにできないものの、準備を進めているとのこと。

会場には、通信速度にちなみ225個のどら焼き。ちなみにキャリアアグリゲーションの電波のたばねる様をイメージしてどら焼きにしたのだとか。レモンティーは「Lemon Tea」と、LTEを連想させるドリンク、として用意されたのだとか

関口 聖