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au冬モデルは「au VoLTE」推し、通話機能がスマホに融合
Firefox OS端末は“クリスマス”、春モデルは別途発表
(2014/10/27 19:42)
KDDI、沖縄セルラーは、2014年冬モデルの発表会を開催し、「au VoLTE」を中心にした新商品、新サービスの紹介を行った。
端末は、既存モデルをベースに「au VoLTE」に対応させた2機種とフィーチャーフォン1機種を追加しているが、プレゼンテーションのほとんどは「au VoLTE」の解説に割かれる形となった。
登壇したKDDI 代表取締役社長の田中孝司氏は、「iPhoneが3キャリアから発売されて、みんな同じじゃないか、という声もある。同質性に向かっている」と現在の状況を指摘し、「期待を超える価値を提供し、磨きあげていくというスタンス」と、改めてauがキャリア間の競争に臨むスタンスを示した。
その「au VoLTE」については、「これまでいろんな発表会で、少し違った取り組みをやりたいと言ってきた。VoLTEを高品質通話だけで終わらせては面白くない」とし、「ボイスとデータのシンクロ・コミュニケーションで生活革命」というテーマを打ち出した。
常にLTEの電波につながるネットワークへ
「au VoLTE」のサービス開始が示された後、田中氏は「ネットワークがしっかりしていないと話にならない」と切り出し、「Always 4G LTE」というコピーも紹介され、「au VoLTE」の説明の前にネットワークの取り組みについて説明された。
ここでは、auの4G LTEの人口カバー率が99%を超えたこと、独自に定めて調査したLTEの「接続維持率」が99.9%にまで向上していることなどを挙げて、「ほとんど(アンテナのアイコンで)3Gの表示を見ない。ユーザーも実感として感じているのではないか」と自信をみせる。
田中氏は「直接VoLTEには関係しないが」と断った上で、UQコミュニケーションズが「WiMAX 2+」のキャリアアグリゲーションで220Mbpsのサービスを2015年春から開始するという取り組みにも触れ、「TD-LTE、2.6GHz帯のキャリアアグリゲーションで220Mbpsになる。来春にはauのスマホもこうなる。世の中の進化を、一番良く取り込んでいく」と語り、auのスマートフォンでも「WiMAX 2+」の進化に対応していく方針を示した。
通話はVoLTEオンリーの2モデル
新発表となった「au VoLTE」対応の「isai VL LGV31」「URBANO V01」については、従来のモデルの特徴を継承しながらVoLTEに対応したことが紹介され、どちらも音声通話・データともにVoLTEのみに対応することが説明された。
スマホの機能と融合した通話機能“シンクロ・コミュニケーション”
「au VoLTE」そのものの基本的な特徴として、特に高音域がきれいという音質や、QoSを適用した品質、発着信がスピーディであることが紹介された。
また、音声通話とデータ通信を同時に行えることで、Androidスマートフォンでは着信時に専用のウィジェット型UIを導入。「最小化して邪魔しない」とのことで、Webやアプリなどのスマートフォンのコンテンツを利用しながら、電話に出たり、スピーカー通話を選んだりできる。
この基本機能に加えて、「au VoLTE」端末同士が1対1で利用できる機能として、「画面シンク」「手書きシンク」「位置シンク」「カメラシンク」の4つの機能が用意される。さらに、相手が他社や固定電話でも最大30人までと同時通話ができる「ボイスパーティー」も提供する。
田中氏は、例えば集合場所をやり取りする際などに、既存の手段ではいくつもの手間がかかるといったことを挙げて、画面や情報を通話をしながら簡単に共有できる利便性を動画を交えて紹介。「この5つの機能を新しいシンクロ体験としてお届けしたい。高音質のVoLTEというより、データと音声を一緒にすることで、今まで不便に感じていたことも、便利に使えるようになる」とした。
「au WALLET」にポストペイドのクレジットカード版が追加
「au WALLET」についても新たな取り組みが発表され、Visaに対応した「au WALLET クレジットカード」が明らかにされた。ポイントアップ店に「ヨークマート」「サンシャイン」など地域性の強い店舗も加えており、「au WALLET」の発行枚数(申請数)は660万件と拡大している。
このほか田中氏からは、サポート関連で「auおせっかい部」を11月に発足するとし、使い方などの解説をスタッフが訪問して行う新たなサービスになるとした。ここでは「au VoLTE」の画面シンクといった新しい機能も扱われる。
質疑応答
質疑応答の時間には、既存のスマートフォンが「au VoLTE」に対応するのかどうかが問われた。田中氏は、Androidスマートフォンでは今回発表の2機種から対応し、既存のモデルは対応しないと明言された。iPhoneについては「相手があるので。いつかは対応されるのでは。具体的な話は控えたい」とした。Xperia Z3やGALAXY Note Edgeなど最新モデルでも対応しない点については、「開発のタイミングの問題」とも回答されている。
「au VoLTE」の特徴として紹介された付加的な機能が、iPhoneで利用できるかどうかについて聞かれると、「インプリ(実装)上の細かいところを検討しないといけない」と不透明な様子で、「まずはAndroid」とした。「au VoLTE」のMVNO向けの提供も「これから検討していくとうステータス」という。
今回発表の「au VoLTE」対応の2機種が3Gに非対応という点については、「今後、順次VoLTE対応機種を増やし、3Gをauのネットワークから無くしていきたい。ただ、強制的に巻き取る考えはない」と方針を示した。また、フィーチャーフォンについても、VoLTEへの対応がロードマップにあるとした。
このほか囲み取材で田中氏は、Firefox OS搭載の端末の発売について「クリスマスプレゼントです」としたほか、いわゆる春モデルは別途発表会を開催する方針であることを明らかにしている。