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Amazon.co.jpが「Kindle連載」開始、完結まで各章を自動配信

 Amazon.co.jpは、連載形式の小説やコミックなどをエピソードごとに配信し、完結して1冊の単行本になるまで自動的に更新される電子書籍の新サービス「Kindle連載」を開始した。当初は人気作家や新聞・雑誌の連載など、18タイトルで構成。当面は20タイトル前後で提供していく方針。Kindleに対応するすべての端末で利用できる。

 「Kindle連載」は、小説やエッセイ、コミックなどの電子書籍をエピソードごとに配信するというもの。米Amazon.comが提供している「Kindle Serial」と同じ形式のサービスだが、日本では各出版社がコンテンツを提供する点が異なる。

 「Kindle連載」では当初のラインナップとして、林真理子「美女入門パート12」(月1回配信で全6回を予定、1200円)、藤井太洋「NDERGROUND MARKET ヒステリアン・ケース」(週1回配信で全3回を予定、200円)、鈴木みそ「マスゴミ」(週1回で全6回を予定、380円)など18タイトルを揃えている。

 一度「Kindle連載」のタイトルを購入すると、エピソードがすべて配信されて完結するまで、自動的に配信されるため、連載のエピソード毎に購入する必要がなくなる。追加のエピソードが配信された際にはメールで通知される。追加されるエピソードは、1つのファイル(1冊の本)の中に追加されていく形となっている。

 ユーザーは連載が完結するまでの料金で購入するため、万が一連載が中止されてしまった場合は、全額返金される。また、連載が完結・終了し、単行本の形になったコンテンツは「Kindle連載」のコーナーから外れて、電子書籍の単行本として扱われる。

 単行本の形になった際に、コンテンツの修正・改定が行われる可能性があるが、その際、ユーザーは手元のコンテンツを改訂版に差し替えるかどうか、選択できる。

 Amazon.co.jpではこのほか、日本でのKindleサービス開始1周年を記念した謝恩セールを開催しており、人気タイトル、約300冊以上が特別価格で配信されている。

 10月25日には記者向けに発表会が開催され、「Kindle連載」について説明が行われたほか、10月22日に日本で発売された電子ペーパー搭載の電子書籍専用端末「Kindle Paperwhite」の新モデルについて、解説が行われた。「Kindle Paperwhite」の新モデルは日本向け仕様としてストレージを4GBに倍増させており、コミックをより楽しめるようになっているほか、処理速度の高速化、タッチパネルの性能の向上などが特徴になっている。会場ではこのほか、タブレット「Kindle Fire HDX 7」「Kindle Fire HDX 8.9」も展示された。

Kindle Paperwhite 2013年モデル。電子ペーパーディスプレイは表示の高速化、高コントラスト化を果たし、白も綺麗になった
背面はAmazonロゴに変更。ボディカラーは従来モデルと同じ
本体サイズや下部のインターフェイスも同じ
ソフトウェアが強化され、パラパラとめくる感覚のプレビュー機能も軽快に動作
Wi-FiでKindleストアにアクセスしたことろ
タッチパネルの性能が向上し文字入力も改善
コミックの閲覧
「Kindle Fire HDX 8.9」(左)、「Kindle Fire HDX 7」(右)
背面
「Kindle Fire HDX 8.9」でコミックを見開き表示
「Kindle Fire HDX 7」でコミックを見開き表示
「Kindle Fire HDX」シリーズに用意されるORIGAMIカバー。端末本体と磁石で固定されるため、取り外しは簡単
「Kindle Fire HDX 8.9」は、磁石で固定されたORIGAMIカバーから上にずらすと、背面のカメラが露出する形になり、カメラアプリも自動的に起動する

太田 亮三