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誤差1m、準天頂衛星の精度を活用したソフトバンクの大規模実験
(2013/7/26 17:49)
衛星測位利用推進センター(SPAC)とソフトバンクテレコムは、準天頂衛星を利用した測位精度について、2013年秋に種子島と屋久島で大規模な実証実験を行う。
準天頂衛星による測位は、従来のGPSよりも高精度な位置情報の測位を可能にするのが特徴。現在は初号機「みちびき」の運用が開始されており、2010年代後半には4機体制となって、高精度なサービスが常時利用できるようになる予定。精度は、これまでのGPSが誤差10m以上に対し、準天頂衛星では誤差1m前後以内の測位が可能になる。
実証実験では、ソフトバンクモバイルが提供する情報配信サービス「ふらっと案内」と「みちびき」の位置測位情報を連携させる。また、屋内でGPSと同等の信号を用いて測位を行う「IMES」(Indoor Messaging System)を利用し、屋内外でシームレスに測位を行う実験を実施する。さらに、「みちびき」経由でショートメッセージを送信する、L1-SAIF補強信号の受信実験も実施する。
鹿児島県種子島で行われる実証実験では、一般から300名のモニターを募集し、種子島全域を対象としたデジタルスタンプラリーを実施する。種子島の歴史や自然を舞台にするほか、ゲーム「ROBOTICS;NOTES」に登場する各所を巡るコースも用意される。この中では、「みちびき」の高精度な測位情報を利用した「ハイブリッド測位AR」のポイントを用意し、スマートフォンなどの画面にキャラクターが現れる仕組みを、高精度な位置情報と組み合わせて楽しめる。
屋久島では、位置情報の受信技術向上に特化した測位実験を実施する。山岳地域のうち測位が困難だった地域で、準天頂衛星の受信の優位性や測位精度に関する実験を行う。
実証実験の検証結果は、「G空間EXPO」など各種のイベントなどで報告される予定。