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ドコモの起業支援、六本木の新オフィスで参加チームが感想を語る
(2013/7/16 15:58)
NTTドコモ・ベンチャーズは、起業支援プログラム「ドコモ・イノベーションビレッジ」で利用するオフィス・スペースが完成したことを受けて、報道陣にオフィスを公開するとともに、参加チームの代表によるパネルディスカッションや、アプリ・サービスの紹介を行う説明会を開催した。
挨拶に登壇したNTTドコモ・ベンチャーズ 取締役副社長の秋元信行氏は、「ドコモ・イノベーションビレッジ」の第1回がスタートした時点ではまだ完成していなかったというオフィス・スペースが、6月中旬に完成したことを報告。フロアはラウンジとコワーキングスペース、NTTドコモ・ベンチャーズ自体のオフィスからなり、参加チームが自由に利用できるようになっている。
また秋元氏は、「ドコモ・イノベーションベンチャーズ」という社名が7月1日より「NTTドコモ・ベンチャーズ」に変更したことにも触れ、NTTグループとしてのファンド運用や、ベンチャー支援の窓口であるという意味合いを強めたことを明らかにした。
同氏からは、NTTドコモ・ベンチャーズの概要や基本的な取り組みが説明された。ベンチャーの募集にあたっては「求ム、好敵手!」という言葉を掲げ、「中身によってはドコモやNTTグループの競合にもなりうるようなベンチャーと活動していきたい。同じ大きな目標に向かっていくのは仲間であり、本気で世の中を変えてやると考えているベンチャーとやっていきたい」と、期待を語り、支援の最終段階ではドコモによる買収なども有り得るといった、段階に合わせた幅広い支援内容も紹介した。
このほか、第1回のプログラムが終了する9月26日には「ドコモ・イノベーションビレッジ」に参加のチームが成果を披露する「Demo Day」を開催する予定で、大々的にアピールする予定とした。
秋元氏は、ドコモが重点的に投資する分野が多岐にわたり、ドコモだけでカバーすることは難しいことから、ベンチャーなどと協業していくことが重要になるとした。
6チームが「ドコモ・イノベーションビレッジ」参加の感想を語る
この後、ステージには第1回「ドコモ・イノベーションビレッジ」に参加している6チームの代表が集合し、秋元氏をモデレータとした簡単なパネルディスカッションが開催された。
参加した6チームは、参加した理由としてドコモの持つ規模や信頼感をそれぞれ理由に挙げており、ベンチャー支援がドコモの既存の枠組みに囚われない活動であることを強調していたことから「山が動くと感じた」(TIMERSの高橋氏)という意見もあった。
秋元氏からは、起業支援プログラムがスタートして3カ月が経過し、いわゆる出口戦略をドコモに期待する傾向が見られることから、期待と実際がどうなのか問われた。
「数名でやっているときは議論を尽くすが、第三者の意見に晒されるのは貴重な時間」(GADGETの浅見氏)、「提携先の紹介をしてもらっているが、表に出てこない話ってこんなにあるのかと思った。また、直接聞かないと分からない仕組みや物事も多い」(TIMERSの高橋氏)、「ベンチャーは孤独で、講演にでも行かないとステージが上の会社の話を聞く機会がない。ビレッジに入ってメンタリングを毎週受け、縦・横の情報共有がすごく重要だと感じた」(プライムアゲインの阿部氏)、「何も固まっていなかったが、お尻を叩かれながら進んでいる。生活必需品か、生活をよりよくするためのものか、というメンターの問いかけが印象に残っている」(coromoの井上氏)、「期間内にパフォーマンスを求められ、それを意識するのはいいと思う。失敗する例に共通している情報不足や思い込みなどは、自分たちだけでやっていると陥りがち」(ウィルモアの石川氏)、「これまでは八王子の4畳半の部屋に集まり、周りから遮断された環境でやっていたが、いろいろな人の意見をもらえて、アプリ開発のノウハウを学んだ。ヒットを打ち続けるのではなく、ホームランを狙っていけと言われた」(SODAの本名氏)と、6チームがそれぞれ感想を述べた。また、シリコンバレーでの展開に意気込む様子や、「Demo Day」でぜひプロダクトを見て欲しいという声も聞かれた。