コンパクトでフル機能の防水スマホ「ARROWS ef」


 「ARROWS ef」(FJL21)は、充実したスペックをコンパクトに収めた富士通モバイルコミュニケーションズ製のAndroid 4.0搭載スマートフォン。発売日は11月2日で、割引適用後の価格は3万円台前半から半ばになる見込み。

 コンパクトボディながら、必要十分な機能が盛り込まれた防水防塵モデル。簡易留守番電話機能や指定着信拒否機能といったフィーチャーフォンなどで用意されてきた機能が利用できる。

 また、手に持っていることを検知して画面OFFを防ぐ「持っている間ON」機能や、指紋センサーで連絡先や発着信履歴などを非表示にできるプライバシーモードも搭載される。塗装がはがれにくく指紋が付着しにくい「ウルトラタフガードplus」を採用する。

 Android 4.0に対応し、Android 4.1へのバージョンアップは未定。microSIMカードを採用する。CPUは、1.5GHz駆動のデュアルコア、クアルコム製の「MSM8960」を搭載する。ストレージは8GB、メモリは1GB、外部メモリとして最大64GBのmiroSDXCカードが利用できる。


 ディスプレイは4.3インチ、1280×720ドットのTFT液晶を搭載。メインカメラは約810万画素のCMOSセンサーで、1080p/30fpsの動画撮影に対応する。ディスプレイ側のサブカメラは約120万画素のCMOS。カメラの起動時間は約0.5秒。

 赤外線通信機能やおサイフケータイ、NFC、ワンセグ、FMトランスミッターに対応する。Bluetooth 4.0、DLNA(DTCP-IP)、IEEE802.11a/b/g/n対応のWi-Fiなどをサポートする。テザリングも利用できる。

 データ通信は「4G LTE」に対応し、800MHz、1.5GHz帯が利用可能。音声通話は従来通り3Gで行う。国際ローミングについてはCDMA/GSM/GPRS/W-CDMAに対応する。卓上ホルダが同梱され、オプション品の共通ACアダプタ04もサポートされる。

 大きさは約62×127×10.7mmで、重さは約139g。バッテリー容量は1800mAh。連続待受時間はLTEで約410時間、3Gで約490時間、連続通話時間は約520分。ボディカラーはソリッドブラック、ソフトブルー、ピンクゴールドの3色。

 名称の「ef」は「essential focus」の頭文字から取られており、スマートフォンの基本機能にこだわったモデル。画面サイズはHD表示が可能な約4.3インチを搭載しつつ、横幅は62mmに抑えられており、片手で操作しやすい本体サイズと見やすい画面サイズを両立したとしている。

 標準で設定されている独自のホームアプリ「NX! UI」は非常に高速な操作が可能で、説明員によればフリック感度などの測定結果ではiPhone 5を上回るという。実際に操作した際も指を大きく横に動かすだけで左端のホーム画面から右端のホーム画面まで一気に4画面分移動できるほど高速だった。

 本体左側面には音声ボタンと電源ボタン、ストラップホールを搭載し、ボタン類は左側面に集約。以前のモデルでは電源ボタンが音量ボタンよりも上部に配置されていたが、押し間違いが多いとの声を受けて電源ボタンを音量ボタンの下に変更したほか、電源ボタンのサイズを大型化して押しやすさを向上。画面のスリープ解除は背面の指紋センサーを押しても可能なため、左手と右手どちらでもスリープ解除が可能になっている。

 本体上部にはmicroUSBポートとイヤフォンジャック、背面にカメラと赤外線ポート、指紋センサーを搭載。指紋センサーは指でなぞる指紋認証に加えてセンサー自体がボタンとして動作するようになっている。

 指紋センサーは本体ロックに加え、「milock」アプリを利用してアプリケーション単位でロックすることも可能。milockによるアプリロックは指紋のほかパターンやPINによるロックも可能で、ホーム画面を変更してもアプリのロックは継続される。

 プライバシー機能も搭載し、メールや電話帳、ギャラリー、ブラウザのブックマークをデータごと非表示にできる。ただし、メールと電話帳は専用の「NX!メール」「NX!電話帳」のみが対象で、Gmailなど他のアプリは非対応。また、ギャラリーでプライバシーとした画像は他の画像管理アプリからアクセスした場合表示される。プライバシーモードの解除は指紋センサー長押しまたは通知パネルから電池アイコンを右フリックすることで行える。

 プライバシーモードを設定している場合、新着通知を画面に表示せず電池アイコンが変化することで所有者のみ新着を確認できる機能も搭載。このほかプライバシーモードも搭載し、斜めからの視認性を下げることでのぞき見を防止できる。

 指紋センサーを長押しした後に通常は表示される認証画面を非表示にすることで、プライバシーモードを設定していることそのものを隠すことも可能。ただし、対象となるのは指紋による解除設定のみで、パターンやパスワードなどで解除する場合は通常通り認証画面が表示される。

 富士通製スマートフォンの特徴であるヒューマンセントリックエンジンによる機能も搭載。手に持っていることを感知して画面オフを防ぐ「持ってる間ON」、周囲の騒音レベルに合わせて着信音量を調整する「気配り着信」、歩行中のバイブレーション強度を向上する機能、意図しない画面回転に対して端末を2回振ることで元に戻せる「戻ってシェイク」、利き手を指定することでタッチ感度を向上する機能などが搭載されている。

 省電力機能の「NX!エコ」は、バッテリーを消費しやすい液晶輝度やワイヤレス関連の機能を、時間や電池残量によってオフにすることでバッテリー駆動時間の向上を図ることができる。エコモードはプリセットされている3種類のほか、項目を自由にカスタマイズできるオリジナルエコモードも用意されている。通知トレイからは無線LANやGPS、Bluetoothやマナーモードなどのショートカットが容易されており、設定アプリを呼び出さずこれら機能をオン・オフすることもできる。

 カメラは最短で0.5秒の高速起動が可能。連続撮影やベストショットセレクト、自動シーン認識、笑顔シャッターといった機能に加え、HDR、ビビット、モノクロ、ジオラマ、トイカメラといったエフェクトも多数搭載する。タッチ操作にも対応し、ピンチ操作でズームが可能なほか、タッチ1回でピントを合わせてシャッターを切ることもできる。

 文字入力はATOKをベースとした「NX!input」を搭載。フォントはUD新丸ゴ、Droid Sansのほか、手書きで入力した文字からフォントを作成する「オリジナル手書きフォント」も利用できる。


 




(津田 啓夢/甲斐祐樹)

2012/10/17 12:00