「ゲーム白書」発刊、ソーシャルゲームやスマホゲームの動向も


 コンピュータエンターテインメント協会(CESA)は、家庭用ゲーム産業の動向をとりまとめた「2012CESAゲーム白書」を発刊した。2011年1月~12月の家庭用ゲーム市場を中心にしたレポートで、ソーシャルゲーム、スマートフォン向けゲームの動向もとりまとめられている。

ソーシャルゲームの利用動向

 ソーシャルゲーム市場は、Mobage(Yahoo!/Mobage)、GREE、mixi、Facebookの4つのサービスを対象に、調査が行われた。まず2010年と2011年におけるソーシャルネットワークサービスの利用率を見ると、mixiの利用率が18%から14.6%に減少する一方、他の大手サービスは利用率が増加しており、特にFacebookの利用率は1.9%から7.3%と、3倍以上に伸びている。

 ソーシャルゲームへの参加率は13.5%。年齢および男女別で、最も利用率が高いのは10代後半(15~19歳)女性で34.2%、次いで10代後半の男性(29%)となった。20代前半(20~24歳)の男女の参加率はどちらも27.9%となる。これに次ぐのが、30代後半(35~39歳)の男性で、利用率は27.7%。こうした層がトップ5を占める。

 プレイ日数としては、「ほぼ毎日」と回答したユーザーは60.7%で、その他の選択肢(週に4~5日が10%、週に2~3日が11.9%など)よりも圧倒的に多い。プレイする時間帯で最も多いのは就寝前(69.4%)で、次いで待ち合わせなど暇つぶしに行うケースが40.4%、交通機関での移動中が37.4%となっている。

 課金については、mixiユーザーの9割が課金サービスを利用していないと回答し、他のサービスよりも課金サービスを利用していないユーザーの割合が多い。Mobageユーザーの課金率は24.1%で、301円~500円以下が5.3%、501円~1000円以下が4.9%など。GREEの課金率は21.1%で、301~500円以下と501円~1000円以下がどちらも4.1%となった。またFacebookユーザーの課金額で、回答があったのは301~500円以下、501円~1000円以下、3001円~5000円以下の3つのみで、いずれも割合は12.5%(非課金は62.5%)で、課金額の選択肢が他のサービスよりも少ない傾向が見てとれる。

 ゲーム配信企業への調査では、ソーシャルゲームの1タイトルあたり平均売上額が示されており、Mobage(回答社数9社)は7034万3000円、GREE(同9社)は4747万3000円、mixi(同3社)が5万3000円、Facebook(同1社)が108万2000円となっている。

スマートフォン、タブレット向けゲーム

 スマートフォンやタブレット向けの調査は、いわゆるソーシャルゲームを除き、アプリをダウンロードしてプレイする形のゲームを対象に調査が行われた。それによると、利用した経験がある、あるいは現在も利用しているユーザーは、全体の24.2%となった。7割以上のユーザーが利用してない格好だが、利用率は年々高まっている。年齢・男女別で利用率が最も高いのは、20代後半(25~29歳)の女性で、21.9%、次いで20代前半の男性(21.3%)、20代前半の女性(20.9%)となっている。

 スマートフォン/タブレット向けゲームの有料アプリ利用率は調査結果に含まれていない。一方、ゲーム配信企業側に対して行われた調査(有効回答数は1社~10社)では、プラットフォーム別に1タイトルあたりの平均売上額が明らかになっている。iOS向けのApp Store(回答社数10社)の平均売上額は566万9000円、Android向けのAndroid Market(現Google Play、同5社)は78万3000円、Windows Phone向けのWindows Marketplace(同1社)は2万4000円となっている。




(関口 聖)

2012/7/30 13:21