今週のケータイ Watchの読み方 (2012年7月6日)
ソニーが1000万曲の定額制サービス
ソニーが、欧州の一部や米国で提供していた定額制の音楽配信サービス「Music Unlimited」を日本でも開始した。
定額制の音楽配信サービスは、主にキャリアによるサービスとして、スマートフォン向けにいくつか登場しているが、今回提供のサービスはソニーのエンターテイメント分野の強みを活かしたもので、さらに、広範なマルチデバイス対応にも注目だ。
基本は、予め用意された、洋楽が中心の1000万曲をストリーミングで聞き放題という内容。このため、ユーザーが用意した楽曲データをクラウドにアップロードして利用する、AmazonやGoogleが音楽サービスの一部として提供しているロッカー型サービスとは趣が異なっている。もっとも、このロッカー型では、各国の著作権などと調整を行うのが難しいとされており、実際に日本ではAmazonやGoogleのロッカー型サービスは提供されていない。
一方、「Music Unlimited」では、モバイル端末においてはキャッシュを活用することで、一時的に圏外になっても音楽が再生できるようになっている。クラウドを活用してプレイリストやお気に入りを共有できるのも便利で、パソコンやスマートフォン、あるいはソニー製のテレビやAVアンプを利用して、いつでもどこでも好きな曲を、というストーリーは、より現実味を持って体験できる。
このサービスとは直接の関係はないものの、ソニーをはじめ、新たにビクターやエイベックスは、DRM廃止の方針を打ち出している。理由は音楽を楽しむ環境や機器が多岐にわたっているためというもので、音楽をマルチデバイスで楽しむという流れに沿ったものだといえる。
インターネットの発展などにより音楽を楽しむスタイルは大きく変わったと言われる。また、年齢層によっても音楽との付き合い方は大きく変化しており、1つのサービスですべてのユーザーを満足させることは難しくなっているとも考えられる。ソニーの提案する定額制サービスがどういった受け入れられ方をするのか、「ネットと音楽」の今後を占う意味でも注目が集まる。
■ソニー、定額制楽曲配信「Music Unlimited」を開始
■ソニー、「Music Unlimited」を報道関係者向けに披露
「災害用音声お届けサービス」が3キャリアで揃う
ソフトバンクモバイルが「災害用音声お届けサービス」の提供を開始したことで、NTTドコモ、KDDIと合わせて3キャリアが同サービスに対応した。
このサービスは、東日本大震災を受けて発案されたもので、パケット通信を利用し、録音した音声で無事を伝え合うサービスを大規模災害発生時に提供するというもの。2011年11月にはガイドラインが策定され、主要キャリアによる提供が望まれていた。
従来の災害用伝言板サービスと同様に、こうしたサービスは事前に知っていることや、操作に戸惑わないことが重要。また、自分だけでなく、実際に連絡を取り合う家族などがサービスを知っていることも大切だ。体験サービスは定期的に実施されているので、画面上では実際にどう見えるのかなどを知っておくだけでも、非常時に余分な心配をしなくて済む。お盆で帰省した際に、家族で確認しあうのもお勧めだ。
■ソフトバンク、「災害用音声お届けサービス」7月5日開始
2012/7/6 20:27