ソニーが積層型CMOSの供給体制強化、800億円の設備投資


 ソニーは、イメージセンサーの量産拠点となっているソニーセミコンダクタの長崎テクノロジーセンター(長崎テック)において、CMOSイメージセンサーの生産能力を増強し、スマートフォンなどへの供給体制を整える。

 長崎テックは、ソニーのイメージセンサーの量産拠点として、開発から生産まで展開している。ソニーは同施設に総額800億円を投じ、積層型CMOSイメージセンサーのウェーハ加工用の新規生産設備を置き、CMOSの生産ができるウェーハラインの増強などに充てる。これによりソニーのCCDとCMOSセンサーの総生産能力は、2013年9月末で月産約6万枚となる計画。

 なお、積層型CMOSイメージセンサーは、裏面照射型CMOSの支持基板の代わりに、信号処理回路が形成されたチップを採用し、そこへ裏面照射の画素部分を重ね合わせた構造のもの。チップの小型化、大規模回路の搭載が実現する。

 ソニーでは、スマートフォンやタブレットなど需要が拡大するモバイル機器市場において、積層型CMOSセンサーの供給体制を確立し、市場を牽引していきたい考え。総額800億円の設備投資のうち、2012年度は約450億円が投じられる。

 

(津田 啓夢)

2012/6/22 16:50