auの「Run & Walk」を使って支援、「気仙沼椿Walk」スタート


写真左がKDDIの新居氏、右が小野寺氏

 KDDI、沖縄セルラーは、「Green Road Project」を環境保全活動の総称とし、これまでの「Green Road Project」を「Walk プロジェクト」へと名称変更した。5月8日~7月16日にかけて、「Walk プロジェクト」として「au Smart Sports 気仙沼椿 Walk」を実施する。

 2008年よりスタートした「Green Road Project」は、自然保護プロジェクトとして、ユーザーがRun & Walkアプリを利用してランニングやウォーキング、サイクリングをした距離に応じて、1kmあたり1円をKDDIが該当する団体に寄付を行うというもの。これまでに「屋久島 Walk」「緑の種」「知床 Walk」「沖縄 Walk」「熊野古道 Walk」「四万十 Walk」「高尾山 Walk」のプロジェクトが実施され、合計で約3724万円が関係団体に寄付されている。

 さまざまな展開がなされてきた「Green Road Project」だが、2012年度よりこの名称は、ユーザー参加型の携帯電話・取扱説明書のリサイクル活動や、クリック募金「キボウのカケラ」、社員の森林保存活動など、環境保全活動の総称となる。従来の「Green Road Project」は、「Walk プロジェクト」と名前を変えて継続される。

 「Walk プロジェクト」では、気仙沼市大島の椿再生活動を支援する「au Smart Sports 気仙沼椿Walk」を5月8日より開始する。Run & Walkアプリを利用してウォーキングやランニング、サイクリングした距離を1km1円に換算し、その総額をKDDIが椿の島21世紀プロジェクトに寄付する。

 8日に行われたキッフオク式典では、KDDIビジネス統括部 部長の新居眞吾氏が登壇し、プロジェクトへ参加するユーザーの数が増えていると説明した。東日本大震災によって、気仙沼大島の海岸沿いの椿が影響を受けているとし、今回の支援を決定したと述べた。

 なお、「au Smart Sports 気仙沼椿Walk」では、従来の距離による募金のほか、クリック募金も用意される。これまでよりも参加しやすい状況が整いそうだ。



KDDIの支援で観光復興

 椿の島21世紀プロジェクトの小野寺栄喜代表は、大島の状況を説明し「がれきはだいぶ片付いたが、集積場には山積みの状態。高台の椿は残ったので、3月にボランティアやお客さんに来てもらって椿祭りを行った。参加者の多くは復興支援のボランティアで、自分たちも手伝いながら島の再生に取り組んでもらった」と話した。

 椿の島21世紀プロジェクトは、高齢化による島の農地再生と、自然環境再生による観光復興を目的としているという。島には5万本の椿が自生しており、その油も産業の1つだ。KDDIの支援を受けることで観賞用の椿を植林し、観光客の呼び水としたい考え。

 小野寺氏によると、椿が成長するまでには15年かかるという。雪の降る中で咲く鮮やかな花と、深い緑色の葉が印象的な植物だが、東北地方ではこの葉をお膳にのせて冬場の食卓に彩りを添えるという。


KDDIデザイニングスタジオでは、指定のポイントから眺めると椿のイラストが楽しめる

サンドウィッチマンがPR大使に

サンドウィッチマン

 さて、8日の式典には、お笑いコンビ・サンドウィッチマンの伊達みきお、富澤たけしが登場。「au Smart Sports 気仙沼椿Walk」のPR大使に任命された。

 サンドウィッチマンは、3月11日の震災当時、気仙沼大島へ出港する船着き場あたりにいたという。地震が発生して避難したホテルには、偶然、椿の島21世紀プロジェクトの小野寺氏も避難しており、奇妙な巡り合わせとなった。

 司会者にPR大使に任命された感想を問われた富澤が、「ちょっと何言ってるかわかんないっすね」といつもの調子でボケると、すかさず伊達がツッコミをいれるなど軽妙なやりとりの中で、震災当時のことについても語られた。

 伊達は「停電で真っ暗なのに空だけは火事で赤く染まっていた。火事はホテルの近くまでせまっていたが、夜なので津波がくれば見えない。ホテルは大丈夫なのか、波がくるのではないかと一睡もできずにロビーで皆でラジオを聞いていた。ラジオからは想像できないほど悲惨な話が流れていた。地元ですし、なんとか協力できればいいなと思う。1年過ぎてこうした話が出てくるのは大変ありがたいこと。まだまだ大変な状況が続いており、復興のニュースは多いがまだ3割程度。リアルな現状も伝えていければいいなと思っている。島の椿をたくさんにして観光地気仙沼を盛り上げていきたい」と語った。

 一方の富澤は「何かしたいんだけど、どうしたらいいかわからないという人も多いと思う。こういう方法で是非参加して欲しい。椿だらけになった大島に行ってみたい。一生懸命PRする。地元なので参加できてうれしい」などと述べた。

 




(津田 啓夢)

2012/5/8 14:18