月額390円でアプリやオンラインストレージ提供「auスマートパス」


 KDDIと沖縄セルラーは、アプリやクーポン、10GBのオンラインストレージ、セキュリティサービスなどが月額390円で利用できる「auスマートパス」を3月1日に開始する。

 「auスマートパス」は、500本以上のアプリやクーポン、ポイントサービス、10GBのオンラインストレージなどが利用できるサービス。スマートフォンの初心者でもアプリを手軽に探し、ダウンロードしやすい環境を提供する。マルチデバイス対応のサービスとなり、月額390円でスマートフォンだけでなくパソコンやタブレット端末などでも利用できるようになる予定。Android 2.2以降のスマートフォンで利用できる。今後、Android以外のプラットフォームにも対応を拡大していく方針。

 なおKDDIでは、アプリ配信プラットフォームとして「au one Market」を提供している。説明員によれば、au one Marketの提供は継続していくが、今後のアプリ提供サービスの軸足は「auスマートパス」に移していくという。

 ユーザー認証にはau ID(現au one ID)を利用し、ログインするとポイントなども確認できる。



アプリ

 アプリは、ゲームや便利ツール、学習などauが選んだ500本以上のコンテンツがラインナップする。「パワフルプロ野球」「モンスターハンター」といった人気ゲームタイトルが用意され、通常版のアプリのほかにauスマートパス版などが用意される。Android Marketなどで有料配信されているさまざまなアプリが「auスマートパス」の中では月額390円で利用でき、「大辞林」(通常2500円)や「ジーニアス英和辞典・和英辞典」(通常4800円)なども月額390円で利用できる。アプリの更新などのタイミングは通常版のアプリと同じという。

 また、「LISMO WAVE」や「安心ナビ」といったauのアプリも利用できるほか、月額制で聴き放題の音楽サービス「LISMO unlimited」(月額1480円)などでは曲数を限定して「auスマートパス」での配信も予定されている。KDDIでは、「LISMO unlimited」のようなサブスクリプション型(定期購入型)のサービスを音楽以外でも展開する方針で、こうしたサービスのお試し利用などに「auスマートパス」が利用されるものと見られる。



クーポン、ポイント

 クーポンは、ローソン、ニッセンオンライン、ケンタッキーフライドチキン、ピザハット、HMV ONLINE、ルートインホテルズなど、さまざまな割引クーポンが提供される。また、KDDIの通販サイト「au one ショッピングモール」では、商品購入でポイントが通常の10倍付与されるほか、「au one Brand Garden」「au one ラ・セレクト」などでは、割引クーポンが提供される。

 さらに、auポイントが貯まるサービスなども展開される。「アプリをチョイス」では、興味のあるアプリを選択すると、ユーザーの嗜好に合わせたアプリを紹介する。こうしたコーナーを利用するとauポイントが獲得できるほか、アンケートに回答してもポイントが入手できる。

 このほか、位置情報を登録する「おでかけ記録」や、買い物レシートを読み込んで記録できる「レシートメモ」といったサービスを利用してもポイントが貯まる。



オンラインストレージ

 ストレージサービス「Photo Album」は、クラウドストレージ「au Cloud」に画像や動画をバックアップできるサービス。保存容量は10GBで、月額105円で10GB毎に容量を増やせる。

 auスマートフォンで撮影した写真や動画は、「au one Photo Air powered by Eye-Fi」を利用して、クラウドストレージ「au Cloud」に保存できる。保存された写真や動画はスマートフォンだけでなく、タブレットやパソコンなどからも閲覧できる。顔認証技術を利用して画像をソート検索したり、スライドショー表示したりできる。

 写真は共有設定が可能で、例えば、特定の画像を共有設定にして友人らに写真を公開できる。公開期限などは設定できない。開発者は「Photo Album」のAPIを利用して、画像編集アプリなどとの連携アプリも提供できる。

 なお、「Photo Album」で公開できるデータは、静止画と動画ファイルのみ。KDDIでは、テレビなどで表示するサービスや、画像以外の保存に対応したサービスなどの提供も検討しているという。

セキュリティ、サポート、解約時

 このほか、トレンドマイクロのセキュリティ対策ソフト「ウイルスバスター モバイル for auスマートパス」のアンチウイルス機能が提供される。「auスマートパス」の専用サポート窓口なども開設し、スマートフォンのウイルスに不安があるユーザーや、アプリの使い方がわからないユーザーなどへも積極的に訴求していく方針だ。

 なお、auを解約したり、「auスマートパス」を解約した場合、アプリやストレージはすぐに利用できなくなるので注意が必要だ。解約すると自動的にアプリが削除される仕組みが用意されているとのこと。

 また、「Photo Album」については、解約前にパソコンやスマートフォン側に画像を保存した上で解約処理を行う必要がある。

「auスマートパス」で付加価値ARPUを獲得

 KDDIでは、従来のモバイル事業中心の収益モデルから、固定通信を含めたFMCサービス全体での収益を上げるモデルへ転換を図っている。それとともに、料金回収代行の手数料とコンテンツARPUといった、付加価値ARPUの創出に注力する。

 今回の「auスマートパス」は、この付加価値ARPUを生むための施策となる。マルチデバイス、マルチOS対応のクラウド型のコンテンツサービスとして展開され、auのお試しサービスなども「auスマートパス」の中に盛り込むことで、サブスクリプション型サービスへの誘導なども図っていく。今後、Eコマースなどとの連携も計画されている。




 




(津田 啓夢)

2012/1/16 11:12