ソフトバンクモバイル、被災エリアはほぼ復旧


 ソフトバンクモバイルは14日、東日本大震災で影響を受けたサービスエリアについて、福島原発の周辺を除き、震災前と同等まで回復したと発表した。応急処置で復旧させたエリアなどは5月末を目処に、恒久的な対策に切り替える。

 同社が公開した資料によれば、復旧活動には、延べ1229名の同社社員が参加。このうち技術チームは789名で、衛星回線を利用して244局を復旧させた。移動基地局車は10台(現在7台稼働)、移動電源車は15台(現在4台稼働)が出動し、応急処置としてエリア復旧にあたった。

 4月14日16時時点では206の基地局(原発周辺含む)が停波している。それらの設備が通常カバーするサービスエリアは、現在全て応急措置で復旧しているとのこと。

 不通となったエリアでは、1つの基地局のカバー範囲を拡大する「大ゾーン化」のほか、被災した中継路の代わりにマイクロ無線を利用したり、衛星回線を利用した。避難所にはフェムトセル装置を設置して衛星回線と組み合わせた小規模の臨時基地局を延べ129箇所開設した。

 4月14日までは、緊急対策として、これらの施策が実施された。3月中から安定した通信が行えるようにする復旧施策にも着手しており、5月末の完了を目指す。また東北地方における基地局増強工事は6月以降、順次再開する。

 今回、ソフトバンクモバイルが見通しを発表したことで、携帯電話事業者全ての復旧見通しおよび復旧完了報告が出そろった。なお、NTTドコモやKDDIは会見で詳細を紹介したが、今回、ソフトバンクモバイルは資料での案内となっている。

 

(関口 聖)

2011/4/15 11:48