モバゲーとも連動、「ケータイ刑事 銭形結」制作発表会


 BS-TBSは、ドラマ「ケータイ刑事」シリーズで8作目となる「ケータイ刑事 銭形結」の放送を12月4日より開始する。以降、放送は毎週土曜日14時30分から。新たな取り組みとして、「モバゲー」と連動した企画も用意されている。

「ケータイ刑事 銭形結」主演の岡本杏理(右)と辰巳琢郎(左)
「ケータイ刑事」プロデューサーの丹羽多聞アンドリウ氏

 12日には記者向けの制作発表会が開催され、主演の岡本杏理、辰巳琢郎、プロデューサーの丹羽多聞アンドリウ氏から、放送への意気込みや多様な連動企画が説明された。

 ドラマ「ケータイ刑事」シリーズは2002年より放送されており、携帯電話を活用しながらさまざまな事件に挑む“天才女子高校生刑事”が主人公を務めるのが特徴。ドラマは若手女優の登竜門とも呼ばれるようになっており、宮﨑あおい、堀北真希らもケータイ刑事シリーズのヒロインを演じた。8代目ヒロインとして銭形結(ゆい)を演じるのはファッションモデルで、最近ではドラマへの出演も増えている岡本杏理。一方、相棒として“あさみつひこ”を演じるのは、実力派俳優の辰巳琢郎。シリーズではおなじみだが、毎回豪華なゲストが登場する点にも注目が集まる。

 発表会では、丹羽氏から、「一押しで、今後日本の大スターになる」と大きな期待を込めて主演の岡本杏理が紹介された。また、開局10周年の記念ドラマとして制作されることや、8作目の放送中にシリーズ200回を達成することが明らかにされている。アメリカの西海岸の放送局でも、日本人向けの番組として同時に放送されるという、新しい試みも行われる。

 丹羽氏からは、放送の中での新しい取り組みとして、シリーズ通算200回目の放送となる、12月25日の第4回目の放送で「3Dフォトモーフィング」を利用した映像で30分を構成することも明らかにされた。これは、連続した写真を加工することで裸眼立体視を実現するもので、スローモーションのような独特の映像と立体的な演出で楽しめるようになっている。

 また、これまでも映画、舞台、出版などさまざまな展開が行われてきた同シリーズだが、今回は電通、モバイルファクトリーと協力し、モバゲーオープンプラットフォームのソーシャルゲームとしても提供される。ソーシャルゲームでは、ドラマ同様に相棒となるプレーヤーを見つけて二人で進めるもので、次回の放送で起こる事件が事前にゲーム上で提供され、放送日までに事件の解決を目指すという内容になっている。

 丹羽氏はモバゲーでゲームと連動する仕組みについて、「テレビ局は、インターネットやケータイのゲームにお客さんを取られる中で、逆にWIN-WINの関係を目指した」と意図を語ったほか、Android端末でのデモなども披露した。

 加えて、AndroidアプリでARの展開も実施される。AndroidマーケットではNTTコムウェアから「ケータイ刑事銭形結」という無料のアプリが提供されており、ポスターやテレビ、雑誌などで表示される、銭形結のピースサインを撮影すると、ドラマに関連したストリーミング映像を表示できるというもの。予告編のほか、特典映像などの配信も予定されている。アプリは、NTTドコモのAndroid端末が対象になっている。

 さらに、テレビドラマ以外の展開として、本多劇場での公演を実施することも明らかにされた。「ケータイ刑事 銭形結」のキャストで12月29日~31日にかけて公演が行われる。映画も制作され、岡本杏理も出演する「ケータイ刑事 THE MOVIE3」として2011年2月に公開される予定。

3Dフォトモーフィングを使用する第4回目の放送のワンシーンAndroidアプリで「ピースサイン」を撮影するとアクセスできる映像

 

「今までの女優さんに負けないように頑張りたい」

制作発表会に出席した辰巳琢郎と岡本杏理

 岡本杏理は、「ケータイ刑事は憧れていて、大好きだった作品。出演の話を聞いたときとは嬉しくて、びっくりしました。今までの7名の女優さんに負けないように、ケータイ刑事のファンに納得してもらえるように頑張りたいです」と挨拶。舞台版の展開については、「はじめての舞台で、本多劇場でできるということで、緊張しますが、楽しんでできたらいいなと思います」とコメントした。

 辰巳琢郎は「いい現場に呼んでいただいた。やりだすと、プロデューサーをはじめ現場はノリが良くて、楽しいです。モノづくりはこうじゃなきゃいけないなと思いました。遊んでくださいと注文をもらい、かなり遊ばせてもらっています」とすでにいくつかの収録を終えた感想を語った。

 ケータイ刑事のヒロインに抜擢された経緯については、「お話をいただいてびっくりした」と話す岡本杏理だが、そのことを母親に告げたところ、なんと2年前から知っていたという。丹羽氏は岡本杏理を「非常に将来性がある」と推しており、初めて会ったのが小学生の時で、中学生になった時には「ケータイ刑事」のヒロイン候補として事務所に打診していたとのこと。本人だけが知らずにいたようだが、丹羽氏は「大きく育った」と満を持しての出演となった様子を語った。


 

フォトギャラリー

 



(太田 亮三)

2010/11/12 19:01